テーマ : 教育・子育て

読み手に届く新聞を コンクール入賞常連校の富士東高 流行や時事問題、等身大の視点で

 富士東高新聞部(富士市)は静岡県高校新聞コンクールの上位入賞常連校。「読み手に届く新聞」をモットーに、コロナ禍でのマスク事情や「推し活」など、高校生が気になる話題を追いかけて取材に励んでいる。

制作した新聞を並べて企画について話し合う部員たち=富士市の富士東高
制作した新聞を並べて企画について話し合う部員たち=富士市の富士東高
これまでに発行した新聞
これまでに発行した新聞
制作した新聞を並べて企画について話し合う部員たち=富士市の富士東高
これまでに発行した新聞

 部員は2年生と1年生計10人。放課後の部室には、毎日のように多くの部員が集まってくる。新聞づくりの活動時間以外でも情報のアンテナを張り、何げないおしゃべりが取材のネタにつながることもある。部員らは「仲間と一緒に街へ出て取材するのが楽しい」「自分で考えて動けることが新聞部の魅力」と口をそろえる。
 主な活動は年3回発行し全校生徒に配る「富士東高校新聞」の制作だ。企画会議では、1人当たり四つのアイデアを持ち寄り4、5時間かけて紙面の内容を議論する。構成の決め手は、読み手である高校生の興味を引くこと。アイドルやキャラクターを応援する「推し活」に取り組む先生へのインタビュー、コロナ禍でのマスク着用に関する校内アンケートなど、流行や時事問題を高校生の視点で記事にしている。ネタ探しにはインターネットやSNSのチェックも欠かさない。
 地元を知ってほしい思いから、硬派なネタにも意欲的だ。昨年の県高校新聞コンクールで優秀賞を獲得した第126号では、地元の田子の浦港における環境問題を取り上げた。複数の漁港関係者を取材したほか、問題を身近に感じてもらおうと、生徒によるルポも用意した。部長の福井理央さんは「普段の学校生活やインターネットでは知ることができないことを、自分から調べたり体験できたりするのが新聞づくりの面白さ」と語る。
 富士東高校新聞のほか、各部活動の大会結果を写真とともに伝える「写真版速報」や校内行事の様子を紹介する「東高タイムズ」も制作している。こうした新聞がクラスに掲示される瞬間は部活動の醍醐味[だいごみ]の一つ。福井さんは「クラスメートが自分の撮影した写真を見て喜んでくれると、新聞の力を感じる。形に残るのが紙媒体の良さ。読まれる紙面づくりに挑戦していきたい」と力を込める。
 (富士支局・沢口翔斗)

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