テーマ : 教育・子育て

導入歴20年超 加藤学園暁秀中・高(沼津市)【国際バカロレアとは? 静岡県内の認定校、全部取材しました②】

 静岡県内でいち早く国際的な大学入学資格が得られる「国際バカロレア(IB)」を導入した加藤学園暁秀中・高(沼津市)。仕組みや授業の様子を取材した。(取材は2024年1月) photo01
どんな仕組み
 中学・高校のバイリンガルコースでIBを導入している。学校教育法で定める学校(一条校)として国内で初めてIB認定校となった。基本的には日本の学習指導要領で定められた内容を、国際バカロレアの授業展開で扱っている。多くの授業を英語で行う「英語イマージョン教育」も特徴。
 MYP(Middle Years Programme・中1から高1)は2000年に認定校となった。国語、歴史、保健体育、一部数学と音楽の授業が日本語。その他は英語。全授業のうち45~55%は英語で行う。
 DP(Diploma Programme・高2と高3)は2002年に認定校となった。国語と保健体育の授業が日本語。その他は全て英語。全授業のうち75%は英語で実施。卒業生のほとんどはIBスコアを利用して大学に進学し、約半数が海外大学に進学する年もある。
どんな授業 photo01   DP(高2)の授業「知の理論」
 MYP(中3)の理科の授業では、飛行機の重力や空気抵抗をベクトルで表すプリントに取り組んだ。フィリピン出身の教師のコメントもパワーポイントの資料も全て英語だった。
 DP(高2)の「知の理論」(TOK)の授業では「現在の知識が歴史的にいかに発展してきたか」「知識の吸収に価値観がどう影響しているか」などのテーマについて事例を示しながら分析するために、小グループに分かれ英語で議論した。
どこがポイント
 IBでは教科により若干異なるものの主に知識、リサーチ・分析、コミュニケーション、振り返りなどを評価する。知識の定着だけでなく、どれだけ調べたか、効果的な表現ができているかも評価の対象となる。
 普通(IBでない)学校との違いについて、バイリンガルコースディレクターのウェンドフェルト延子さんは「評価の内容が異なるため、授業も異なるやり方で実施する」と説明する。「教師が一斉教授で知識を授けるのでなく、生徒が自ら調べたり意見を作り出したりする時間が長いのが特徴」と語る。
 同校は主に英語圏出身のIB経験者を採用し、授業の多くは外国出身教師が担当している。英語を使う授業では、教師の説明も生徒の発言も英語で行われていた。高1の生徒の持ち物の化学のテキスト(全945ページ、厚さ4・5センチ)も記述は全て英語。英語に浸る「英語イマージョン教育」が至る所で見られた。

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