テーマ : 教育・子育て

高校生の留学支援拡充 「探究活動」重視の人材育成へ 静岡県教委など24年度新事業

 静岡県教委などは2024年度から、県内高校生の海外留学支援を拡充する。このほど、産学官連携組織「ふじのくにグローバル人材育成事業運営協議会」を発足させた。新型コロナウイルスによる行動制限が緩和された中で海外留学の意欲を高めてもらおうと、県教委が力を入れる「探究活動」を伴う留学プログラムを提供し、国際的な視野を持って地域課題の解決を担う人材育成を目指す。

ふじのくにグローバル人材育成事業運営協議会の設立会合で、留学経験を紹介する生徒(左端)=12月中旬、県庁
ふじのくにグローバル人材育成事業運営協議会の設立会合で、留学経験を紹介する生徒(左端)=12月中旬、県庁

 県教委をはじめ、県国際交流協会、県経営者協会、ふじのくに地域・大学コンソーシアムなどが同協議会を立ち上げた。県教委の秋野薫教育政策課長は、海外展開する県内企業の多さを例に挙げ「外国との関わりが当たり前の時代になっている。進学や就職を見据え、地域全体で人材育成を進めることが必要」と意義を語る。
 産学官それぞれの視点を踏まえ、留学プログラムを組み立てた。本県が独自に設けたふじのくに地域探究プログラムは7コース。「ものづくり・地域産業コース」「観光交流促進コース」などに分かれ、地域課題をテーマに問いを立て、留学を通じて解決策を探る。留学期間は最大で124日間。
 教育政策課によると、県内公立高で短期留学(3カ月未満)をした生徒は19年度に227人いたが、コロナ禍で急減。22年度は46人にとどまった。留学機運の再醸成を図るとともに、高校生のうちに留学を経験することで「大学進学後など、その後の留学に対する意欲にもつながる」(同課)との期待がある。
 募集人数は年間50人。4人までのチームでも応募できる。留学金と準備金の計21万~89万円を支給する。24年1月下旬ごろに募集を開始する予定。
 文部科学省が23年度に新設した「トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム」の拠点形成支援事業として、全国で本県事業を含む3件が採択され、助成を受ける。文科省の担当者は「各地域で持続可能な留学体制を築いてもらいたい」と話す。
 (政治部・大沼雄大)

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