テーマ : 気象・災害

不適切盛り土160カ所 静岡県内11月末時点 住民通報、新たに9件 

 静岡県内で、県盛り土規制条例などの法令に違反したり、防災設備の不備などが確認されたりした不適切盛り土が11月末時点で160カ所に上ることが20日までの県への取材で分かった。4月に公表した163カ所のうち、12カ所で是正工事が完了する一方、住民の通報などで新たに9カ所を把握した。県は緊急性の高い盛り土から地質調査や安定性の解析を進め、造成業者などに是正を求めていく。
 県盛土対策課によると、160カ所の不適切盛り土のうち、21カ所は地質調査や応急対策工事を進めている。このうち菊川市西方で無許可造成された盛り土については、行政指導に従わない施工主らに対し、同条例に基づく措置命令を出した。現在は施工主らが提出した是正計画書の審査を進めている。
 一方、新たに把握した9カ所を含む139カ所は定期的な巡回監視や行政指導を続けている。ほとんどが数年前から造成されていた盛り土で、直ちに崩落する危険性は低いとみられるが、担当者は「悪質業者には躊躇(ちゅうちょ)なく指導や命令を発出していく」と強調する。
 2021年7月に発生した熱海市伊豆山の大規模土石流をきっかけに県盛り土規制条例や盛り土規制法が施行され、不適切盛り土に対する県民の目も厳しくなっている。県の「盛り土110番」には、運用開始以来、延べ212件の情報が寄せられた。情報を基に行政指導を行い、土砂搬入が止まったケースもあるという。担当者は「関係法令を所管する他部局とも連携を密にして、不適切盛り土を根絶したい」と話した。
 (政治部・豊竹喬)

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