テーマ : 気象・災害

地震臨時情報の普及啓発に全力 森気象庁長官が就任会見

 17日付で気象庁長官に就任した森隆志氏(60)が同日、同庁で記者会見に臨んだ。南海トラフ巨大地震発生の可能性が高まっていると評価された場合に発表される「臨時情報」について「全力で普及啓発に努める」との考えを示した。

就任の抱負を述べる森隆志長官=17日午後、気象庁
就任の抱負を述べる森隆志長官=17日午後、気象庁

 具体的には、オンライン講演会の開催▽漫画冊子の配布やSNSによる情報発信▽ホームページでの解説の充実▽気象台を通じた自治体への説明▽地域の避難訓練や防災研修会を通じた住民への説明―などに取り組んでいくとした。
 臨時情報は気象庁が2019年5月に運用を始めて以降、発表事例はない。内閣府の昨年7~10月のインターネット調査では、被害想定地域の住民約1万6千人のうち臨時情報を「知っている」と答えたのは28・7%と周知が進んでおらず、森氏は「調査結果を重く受け止める」と述べた。
 長官交代は10日付の予定だったが、能登半島地震の対応を理由に発令が延期されていた。森氏は「(能登半島では)活発な地震活動が続いている。きめ細やかに防災気象情報を提供し、自治体や被災者に寄り添った支援をする必要がある。気象庁の先頭に立って取り組む」と決意を語った。
 森氏は1988年に気象庁入庁。大気海洋部長や気象防災監を歴任した。
 (東京支社・山下奈津美)

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