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【能登半島】13秒差で二つ地震、エネルギーが倍のM7.6規模に 京大防災研チーム 複数の断層連動

 1月1日に震度7を観測した能登半島地震は、石川県珠洲市付近を震源とするマグニチュード(M)7・3相当の二つの地震がわずか13秒差で発生したことによって、エネルギーが約2倍のM7・6規模になった可能性があることが、京都大防災研究所のチームの解析で11日、分かった。チームは「複数の断層が連動し、二つの地震の中間に位置する珠洲市では、強い揺れが1分程度続いた可能性がある」としている。政府の地震調査委員会も断層が連動したとの見方を示しており、今後の地震対策では連動を念頭に置いた被害想定が必要になりそうだ。

13秒差で発生した地震のイメージ
13秒差で発生した地震のイメージ

 チームの浅野公之准教授(強震動地震学)らは、1月1日の発生時に各地で観測された地震波のデータから、能登半島周辺にある複数の断層がどのようにずれ動いたのか解析。1日午後4時10分9秒に、珠洲市から同県輪島市にかけての半島北部に延びる断層の破壊が始まり、その13秒後に珠洲市から北東の沖合に延びる断層の破壊が始まったと推定した。二つ目の断層破壊は、最初の破壊が終わる前に始まったとみられる。二つの地震の規模は、いずれもM7・3相当という。マグニチュードは0・2増えるとエネルギーが約2倍、1・0増えると約30倍になる。
 半島北部では、最初の破壊開始から約20秒後に、やや浅い所で約4~8メートルの大きな断層の滑りが生じたと考えられ、浅野氏は「輪島市で起きた隆起に関係したとみられる」と説明する。
 政府の地震調査委員会は地震の発生メカニズムについて、断層の上側の地盤が下側に乗り上げる「逆断層型」とし、半島北部を北東から南西に横断する150キロ程度の広範囲で活発な地震活動が続いていると分析。複数の断層が連動したとみている。
 浅野氏は「断層が連動するメカニズムは分かっておらず、頻度も少ない。複数の断層が近接する地域では、連動のケースを含めて被害想定や防災計画を作成するべきだ」と話した。

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