テーマ : 気象・災害

輪島指定避難所 備蓄なし半数超 防災計画規定も予算不足

 能登半島地震で甚大な被害があった石川県輪島市が、指定避難所の半数超の26カ所に、地域防災計画で確保が求められた食料など必要物資の備蓄をしていなかったことが18日、市などへの取材で分かった。地震で道路が寸断し、発災後の数日間、備蓄のない避難所では防寒具や食料が不足した。輪島市は予算不足などを理由としており、見直す方針を示している。

石川県輪島市の指定避難所となっている防災拠点施設。指定避難所の半数超の箇所で、食料など必要物資の備蓄をしていなかったことが分かった=7日
石川県輪島市の指定避難所となっている防災拠点施設。指定避難所の半数超の箇所で、食料など必要物資の備蓄をしていなかったことが分かった=7日

 同じく大きな被害を受けた珠洲市では配備されており、地域差が浮き彫りになり、各地で点検が迫られそうだ。
 輪島市は国の防災基本計画などに基づき、地域防災計画を作成。2013年に「指定避難所や近くに地域完結型の備蓄施設を確保」するよう努めるとの趣旨の文言を盛り込んだ。市は被災者が一定期間避難生活を送るための避難所を48カ所指定しているが、今年の元日時点で学校や道の駅など26カ所に備蓄施設はなく、食料や飲料水、簡易トイレなど避難生活に必要な物資がなかった。
 市によると、07年の地震の最大避難者数が約2600人だったことから、人口減を考慮して約1800人の3食分である5400食を指定避難所の公民館など22カ所と指定避難所ではない市の防災倉庫1カ所に配分するにとどまっていた。
 輪島市では今年1月4日時点で、指定避難所に約7300人が避難。能登半島北部へ向かう多くの道路が土砂崩れや地割れで寸断され、物資の輸送が困難な時期が続いた。地震発生間もない頃には、避難者が自宅から食料や毛布を持ち寄りしのいだ避難所もあった。
 一方、同じく奥能登地域に位置する珠洲市では、想定を上回る避難者数で物資が足りなくなったものの、全26カ所の指定避難所で備蓄があった。

いい茶0

気象・災害の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞