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被災地病院、水不足深刻 中東遠医療センター DMAT 松島医師「想像以上に壮絶」 能登地震

 能登半島地震に本県の災害派遣医療チーム(DMAT)として加わった中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)救急科診療部長の松島暁医師(45)が10日、取材に応じ、過酷な環境で奔走する医療現場の様子を語った。断水の影響による圧倒的な水不足や道路の陥没に触れて「想像以上に壮絶。土砂崩れや亀裂が多く感覚がおかしくなるほどだった」と振り返った。

災害派遣で物資の輸送などを行った松島医師=掛川市菖蒲ケ池の中東遠総合医療センター
災害派遣で物資の輸送などを行った松島医師=掛川市菖蒲ケ池の中東遠総合医療センター
全国から集まったDMATのメンバー=石川県七尾市の公立能登総合病院(松島医師提供)
全国から集まったDMATのメンバー=石川県七尾市の公立能登総合病院(松島医師提供)
災害派遣で物資の輸送などを行った松島医師=掛川市菖蒲ケ池の中東遠総合医療センター
全国から集まったDMATのメンバー=石川県七尾市の公立能登総合病院(松島医師提供)

 松島医師は2~6日、薬剤師1人、看護師2人と共に現地で活動した。公立能登総合病院(石川県七尾市)を拠点に志賀町や輪島市の病院などに医療資機材や食料、水を輸送したほか、介護施設70カ所に電話し被害状況を聞き取った。
 現地の病院でとりわけ深刻だったのは水不足。貯水槽が破損し、従事者や患者の手洗い、透析などに必要な水が足りず、飲用水のペットボトルをかき集めてしのいでいたという。「感染症と密接に結びつく」と危機感を募らせ、水の確保とトイレ対策が災害への備えの重要なポイントになると指摘した。
 松島医師は自らハンドルを握って帰着まで5日間約1100キロメートルを運転し、道路の寸断による支援の遅れも目の当たりにした。「現地の医療従事者は全員疲れていたが、地域の人を守ろうという気持ちを感じた。使命感で回っていた」と話した。

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