テーマ : 気象・災害

能登被災地で保健所のマネジメント支援へ 「DHEAT」静岡県が初の派遣

 静岡県は11日から、能登半島地震で孤立集落が多数発生した石川県輪島市門前地区に保健所のマネジメント機能を支援する「災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT、ディーヒート)」を派遣する。静岡県でDHEATを編成するのは過去の災害を通じて初めて。
 同地区には全国から保健師やさまざまな医療、福祉のチームが支援に入り、避難所や在宅避難者の健康管理などを進めてきた。一方で、多くの支援チームからの情報を集約して対応の優先度を決めるなど全体を指揮する保健所が、マンパワー不足などで十分に機能できていない現状がある。
 DHEATは、東日本大震災で支援と受援のミスマッチが発生した教訓から総合調整を担うチームとして2018年に厚生労働省が制度化。研修を受けた行政医師や保健師らが支援に入る。県内では政令市を含めて33人が受講済みだが、実災害での派遣はまだない。
 今回は2月末まで計3陣が活動する予定。第1陣は県感染症管理センターの後藤幹生センター長ら4人。後藤センター長によると、感染症だけでなく栄養不良による健康課題も深刻になっている。すでに保健師らによる全戸訪問で状況は把握しているが、避難生活が長期化し、再訪問なども必要になり得る。後藤センター長は「緊急性や追加応援など対応の判断が求められる。被災者が少しでも早く日常を取り戻せるよう尽くしたい」と語った。

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