テーマ : 気象・災害

32都道府県が防災強化 能登地震教訓 24年度予算案 静岡県「孤立対策」ドローン配備

 全都道府県の約7割に当たる静岡など32都道府県が、能登半島地震を受けた防災対策事業を2024年度当初予算案に盛り込んだことが20日、分かった。多数の家屋倒壊を受けた耐震改修の促進や、不足したトイレの確保などが目立つ。南海トラフ巨大地震や首都直下地震など今後も大災害が想定され、被災者が同じ問題で苦しまないよう教訓を生かし、対応を強化する。

能登半島地震を踏まえた都道府県の事業例
能登半島地震を踏まえた都道府県の事業例

 共同通信が「能登地震を踏まえた防災関連の新規事業や既存事業の拡充があるか」と質問。32都道府県が事業内容を答えた。
 能登地震では道路の寸断や土砂災害で孤立集落の発生が相次ぎ、住宅2万棟超が全半壊した。静岡は孤立集落対策として空から物資を運ぶ災害対策用ドローン4機を新たに配備する。木造住宅耐震化プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)-0」の予算も拡充した。
 茨城は、以前から実施している住宅の耐震診断・改修補助事業の予算増額を決めた。1月以降、住民の問い合わせが多数寄せられたためだ。長野は、耐震化を決断できない世帯があるのは「経済的負担が一番の理由だ」として、補助額の上限を100万円から150万円に引き上げる。
 今回の地震では、断水でトイレやシャワーの利用が困難になり、衛生環境が悪化した。大阪はトイレトレーラーを導入するほか、水洗タイプの組み立て式トイレの備蓄を進める。現在の備蓄品は非水洗タイプで「水洗の方が衛生的で快適」と判断した。神奈川は、水を繰り返し使える循環式シャワーを6台導入する。
 携帯電話の基地局など通信インフラの被害に備え、通信手段も確保する必要がある。東京は離島を含む管内市区町村にモバイル衛星通信機器計77台を配備し、通常の回線が途絶えた場合にも災害対応に支障がないようにする。沖縄は米宇宙企業スペースXが手がける衛星インターネットサービス「スターリンク」を導入する。
 残る15県のうち宮崎は、2月編成の23年度補正予算に、非常用発電機やトイレセットなどの備蓄強化を盛り込んだと答えた。

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