テーマ : 気象・災害

能登地震、9割が倒壊死 高齢化と古い木造家屋が要因

 能登半島地震で石川県が27日までに氏名を公表した死者129人のうち、9割近くの111人が家屋倒壊で死亡したことが判明した。多くは圧死や窒息死とみられる。被害の大きい地域は、高齢化率が高くて古い木造家屋が多く、資金難などで耐震工事が進まなかった背景が浮かんだ。一方で津波による死者は珠洲市の2人。海岸付近などの地盤が隆起して防波堤の役割を果たし、津波の被害が軽減された結果、倒壊死の割合が相対的に高くなった可能性がある。

能登半島地震での氏名公表死者の死亡原因
能登半島地震での氏名公表死者の死亡原因

 県内の住宅被害は一部破損から全壊まで4万3千棟超に上った。県幹部は「倒壊したのは旧耐震基準で建てられた住宅が多いようだ。耐震化を進めるためどのような施策が打てるのか、国や市町と一緒に考えていく必要がある」としている。
 地震では計236人の死亡が確認された。県は、遺族の了解を得た死者の氏名や原因などを公表している。8人が土砂災害、2人は火災が原因で死亡したとし、別の2人は災害関連死だった。4人は原因が明らかにされなかった。
 年齢別では、60代以上が101人と全体の8割近く。自宅の所在地は珠洲市や輪島市が大部分を占めた。2022年時点の65歳以上の高齢化率は輪島市が47・9%、珠洲市が52・8%で、金沢市の27・5%の2倍近かった。専門家の中には、能登半島地震では阪神大震災に比べ、強い揺れの継続時間が場所によっては数十秒と長く続き、家から外に出るのが難しかったとの指摘もある。

いい茶0

気象・災害の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞