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東日本大震災13年 「命守る」心に誓う 共感と教訓 能登へ

 2万2千人以上が犠牲となった戦後最大の自然災害、東日本大震災の発生から11日で13年となった。地震発生時刻の午後2時46分、各地で遺族らが手を合わせ黙とうした。インフラ整備などの復興は進んだが、東京電力福島第1原発事故の影響で今も約2万9千人が避難生活を送る。遺族らは能登半島地震に思いを寄せ「二度と災害で命を失ってはいけない」と教訓継承を強く誓った。

東日本大震災から13年となり、宮城県南三陸町の防災対策庁舎前で地震発生時刻に合わせて黙とうする人たち=11日午後2時46分
東日本大震災から13年となり、宮城県南三陸町の防災対策庁舎前で地震発生時刻に合わせて黙とうする人たち=11日午後2時46分

 児童・教職員計84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小では、2時46分に合わせ法要を開催。次女千聖(ちさと)さん=当時(11)=を亡くした紫桃(しとう)隆洋さん(59)は「千聖が生きていたら今ごろ何をしていただろうと考える。災害で亡くなる人がいなくなるよう、伝え続けたい」と決意を込めた。
 同県石巻市の「がんばろう!石巻」看板の前では、能登半島地震発生時刻の午後4時10分、能登の方向を向かって黙とうした。同市の教諭三浦勇佑さん(38)は「苦しんだ経験は同じ。少しでもその時の経験が能登に届いてほしい」と祈った。
 町職員ら43人が犠牲になり、保存か解体かで揺れた宮城県南三陸町の防災対策庁舎。今月、震災遺構として恒久保存される見通しが示された。職員だった父良人さん=当時(53)=を亡くした阿部太哉(ひろや)さん(39)は「ここは父の最期の場所であり、自分の一歩一歩の積み重ねを父に語りかけてきたかけがえのない場所」と建物を見上げた。
 同じく保存を巡り揺れ、2019年に解体された岩手県大槌町の旧役場庁舎跡地。町職員だった兄を亡くした倉堀康さん(40)は「ここが震災を知らない次世代に教訓を伝える場になってほしい」と語った。
 岩手県釜石市の追悼式典で、遺族代表の佐々木智之さん(41)は「能登の地震で『東日本大震災の教訓が生きた』と聞き、救われた気持ちになった」と話した。福島県主催の式典に出席した岸田文雄首相は「震災の教訓を風化させることなく、自然災害への対応に生かす」と述べた。

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