テーマ : 気象・災害

今冬の暖かさ「異常気象」 気象庁検討会、エルニーニョ影響

 専門家でつくる気象庁の異常気象分析検討会は4日、過去2番目に暖かかった今冬(昨年12月~今年2月)について、地球温暖化に加え、南米ペルー沖の海面水温が上がるエルニーニョ現象の影響で偏西風が北寄りを流れたことが要因とする分析結果をまとめた。会長の中村尚東大教授(気候力学)は「かなり異常な状態だったと言って差し支えない」と述べた。

2月、雪が少ない山形県最上町の赤倉温泉スキー場(同スキー場のフェイスブックから)
2月、雪が少ない山形県最上町の赤倉温泉スキー場(同スキー場のフェイスブックから)

 気象庁によると、平均気温は、平年値を1・27度上回り、1898年の統計開始から2番目に高かった。地点別でも、全国153地点のうち31地点が過去最高を記録した。
 検討会の分析では、偏西風「亜熱帯ジェット気流」が日本付近で北に蛇行する傾向にあり、暖かい空気に覆われやすかった。今冬のような高温の発生確率は、温暖化がなければ、非常に低かったという。一方で、偏西風は冬の間蛇行を繰り返したため、気温差が大きく、東日本と沖縄・奄美は変動の大きさが過去3番目だった。
 平均気温は昨年、春から秋の3季連続で過去最高を更新し、気象庁は今年の夏も気温が高くなると予測している。中村会長は「どの季節も温暖化の影響で、高温となる確率が高くなっているのは間違いない」と語った。

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