テーマ : 気象・災害

能登地震復興に1千億円追加支出 首相、若者世代も生活再建金

 岸田文雄首相は24日、能登半島地震の復興に向け、2023年度予算の予備費から1千億円規模を追加支出すると表明した。被災者の生活再建支援として最大600万円を支給する交付金について、若者・子育て世代に拡大すると説明。輪島塗など伝統産業支援では、臨時の作業場となる仮設工房を4月に全額国費で開設すると明らかにした。石川県輪島市での被災地視察後、記者団に述べた。

輪島港を視察する岸田首相(手前)=24日午後、石川県輪島市(代表撮影)
輪島港を視察する岸田首相(手前)=24日午後、石川県輪島市(代表撮影)

 予備費は近く閣議決定し、支援金の財源などに充てる。能登半島地震対応のための予備費支出は3回目で、計2600億円超となる。
 新たに交付金支給の対象となるのは、住宅半壊以上の被害を受け、資金の借り入れや返済が容易でない世帯。首相は具体例として①住民税非課税世帯②家計急変世帯③児童扶養手当受給世帯④離職・廃業した人がいる世帯-などを挙げた。
 首相は仮設住宅に関しプレハブ型の建設を加速すると強調。木造仮設型について「恒久的な住まいとして活用できる『ふるさと回帰型』の建設に向けた調整を開始する」と語った。海底隆起の被害を受けた輪島港支援では漁場の環境回復へ調査活動を開始するとした。漁に出られない漁業者に協力してもらい、生活を支えながら漁場回復を図る狙い。
 火災で大部分が焼失した輪島市の「輪島朝市」の復興に関し「都市再生機構(UR)による伴走型の支援を行い、まちづくりと観光を連携させ、災害に強く伝統産業を生かした街に再生する」と言明した。
 伝統産業を3本柱で支援すると主張。仮設工房の開設の他、施設や設備復旧のための最大15億円の補助金、道具や原材料の確保までカバーする伝統的工芸品産業支援補助金で支援するとした。
 首相は24日、石川県穴水町、輪島市を訪問。穴水町では避難所として利用されている公共施設を訪れ、被災者と意見を交わした。応急仮設住宅や輪島港、輪島朝市も視察した。首相の被災地入りは1月14日に続き2回目。

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