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災害に備えストック【カンタンおいしい 健康レシピ⑨】

 災害を想定した食品の備蓄は、救援や炊き出しまでの間をつなぐために、最低でも3日分、できれば1週間分ぐらいを家庭で準備しておく必要があるとされています。

イラスト・カモシタハヤト
イラスト・カモシタハヤト

 特に災害直後はエネルギー摂取を優先することが推奨されており、乾パンや、お湯や水で戻して食べるご飯「アルファ化米」などの主食が大切です。これまでの災害でも、炭水化物の栄養素が中心のおにぎりやパンが避難所で支給されています。
 災害時には、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素も不足すると報告されています。中でもビタミンB1やB2は、炭水化物をエネルギーとして利用するために必要不可欠です。
 たんぱく質やビタミンB群の補給源として、魚類や肉類の缶詰、レトルト食品を備蓄しましょう。カルシウムやビタミン、食物繊維などの補給源として、高野豆腐、干しシイタケ、乾燥野菜などの乾物も常備しておくとよいです。
 これらの乾物や魚類は、レトルトのみそ汁に入れて食べられます。他にカットされたトマトの缶詰があれば野菜が摂取できますし、果物の缶詰やドライフルーツもビタミン、ミネラルを補給できるデザートになります。
 水やカセットコンロ、カセットボンベなどの調理器具も忘れないようにしましょう。お湯を沸かしたり、汁物など温かい食事を取ったりすることが可能になります。
 備蓄食が災害時だけの特別な食事にならないよう、定期的に利用し、自分の好みに合う缶詰や乾物を調理して食べ慣れておくことも大切です。こうした食品は賞味期限が長く設定されていますので、ローリングストック法(備蓄食品を定期的に消費し、消費した分を買い足す方法)を用いて家庭での対策をしておきましょう。
 (保井智香子・立命館大教授)

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