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避難所「深刻な人手不足」 続く余震、すり減る心身 静岡から石川・被災地入りの元消防隊員ら尽力

 静岡県内の元消防隊員らが参加するNPO法人「日本DMAT支援機構」(事務局・富士宮市)が1日の能登半島地震の発生直後から被災地入りし、地元消防や災害対策本部と連携して救助や避難所運営に尽力している。8日で1週間が経過し、現地で活動するメンバーは「余震が続く中での救助活動は細心の注意を要し、避難所は人手不足に加えて倒壊の不安と隣り合わせで皆疲労が蓄積している」と訴える。

給水作業を手伝う山本さん(左)=6日午後、石川県輪島市
給水作業を手伝う山本さん(左)=6日午後、石川県輪島市

 同NPOは主に県内の元消防隊員や元自衛隊員ら災害現場の経験を備える13人で構成し、災害派遣医療チーム(DMAT)や救急消防援助隊の活動を現地で支援する。熱海土石流災害などでの出動経験を踏まえ、1日夜に第1陣6人がチェーンソーなど救助用器具を携えて石川県へ出発。2日から珠洲市で地元消防と連携して要救助者を捜索した。第2陣は3日に出発して救助支援に加わった後、現地の要請で避難所支援に移った。
 山本真副理事長(51)=静岡市葵区=は6日から第3陣として現地に入った。大規模火災が発生した輪島市の朝市に近く、避難者を緊急で受け入れてきた同市ふれあい健康センターで運営管理に取り組む。少なくとも400人以上の避難者をセンター職員ら十数人が支えているのが現状という。物資は届くものの食料の整理や炊き出しの人手が足りず、避難者の大半を占める高齢者の身の回りの世話をするため、避難している児童生徒の手を借りるなど、厳しい状況が続く。
 名前など避難者の情報は把握できておらず、8日も名簿作りや感染症対策の消毒作業に追われた。山本さんは「センター職員を含めスタッフは交代で仮眠を取ってしのいでいる。避難生活の終わりは見えず、避難者もスタッフも心身をすり減らしている」と語る。
 現地で活動中の同NPOメンバーは自営や会社勤務など兼業者が多いため、近日中に撤収して後方支援に切り替える。清将豊副理事長(29)=富士宮市=「ノウハウを持った民間人の組織として、既存の組織では届かない部分を支援できれば。今後も被災者に寄り添い活動を続けていく」と話した。

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