テーマ : 気象・災害

能登半島地震 北方沖と連動か 内陸活断層 ずれ確認 志賀原発の北9キロ 日本地理学会チーム 調査

 石川県能登地方で起きたマグニチュード(M)7・6の能登半島地震の際、震源となったとみられる能登半島北方沖の活断層と共に、内陸の活断層も動いた可能性が高いことが、日本地理学会災害対応チームの調査で16日、分かった。震源に近い石川県志賀町で「富来川南岸断層」とみられる地表のずれやたわみが長さ3キロ以上続いているのが見つかった。

富来川南岸断層の活動によるものとみられる割れ目(矢印)=13日、石川県志賀町(鈴木康弘名古屋大教授提供)
富来川南岸断層の活動によるものとみられる割れ目(矢印)=13日、石川県志賀町(鈴木康弘名古屋大教授提供)
石川県・志賀原発と能登半島地震の震源
石川県・志賀原発と能登半島地震の震源
富来川南岸断層の活動によるものとみられる割れ目(矢印)=13日、石川県志賀町(鈴木康弘名古屋大教授提供)
石川県・志賀原発と能登半島地震の震源


 現地は北陸電力志賀原発の北約9キロ。北陸電はこの活断層の存在を否定していたが、2021年5月に原子力規制委員会に修正を申告。活動性が否定できないとして長さ9キロの活断層としているが、調査の上で再評価を迫られる可能性もある。
 チームの鈴木康弘名古屋大教授(変動地形学)は「今回のずれが何を意味するかを考えないといけない。地下を掘って断層がどんな地震を起こしてきたかを調べる必要がある」と指摘する。
 一般的に活断層が動くのは数千年に1回などと考えられている。だが、これとは別に他の活断層による大地震でも連動し、想定より活発に動く危険性が示されたという。
 富来川南岸断層によるとみられる地表のずれ、たわみが現れたのは志賀町内の複数の場所。断層の南側が隆起して東側にずれていた。見つかった上下、水平方向のずれは数十センチ程度だが、断層付近の民家が大きく損傷しており揺れは強かったようだ。気象庁は志賀町で震度7を観測している。
 地形の分析などから、1970年代には富来川南岸断層が推定されていた。今回もこれに沿ってずれが見つかった。
 これまで掘削調査はされておらず、過去にどんな地震を起こしたかも分かっていない。延長部分は海域に延びていて、志賀原発そばの海岸を隆起させたとの指摘もある。
 鈴木教授は「今回活動した断層はさらに沖合へ続く可能性がある。能登半島北方沖の断層の想定にも問題があったため、海底活断層図を見直す必要がある」としている。

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