テーマ : 気象・災害

【能登地震】災害ボランティアの宿泊拠点着工へ 静岡県協会 半島北部への派遣、石川・穴水町から推進

 静岡県ボランティア協会は、能登半島地震被災地の石川県穴水町にプレハブなどで設置予定の災害ボランティア約40人が宿泊できる活動拠点について、2月下旬にも、のと鉄道穴水駅近くの診療所跡地約660平方メートルに着工する方向で準備を進めている。同半島北部の被災地では宿泊可能な施設の不足から災害ボランティアの受け入れが進んでいないため、現状の改善を図ろうと同町などと交渉しながら準備を急いでいる。

災害ボランティア活動拠点の予定地を視察する県ボランティア協会などの関係者=11日、石川県穴水町(同協会提供)
災害ボランティア活動拠点の予定地を視察する県ボランティア協会などの関係者=11日、石川県穴水町(同協会提供)


 同半島北部は依然として断水地域が多く、石川県は一般募集の災害ボランティアについては金沢市を拠点に日帰りで往復する方式などを取っている。片道3時間ほどかかり、現地での活動は4時間程度に限られるなど不便を強いられている。
 同協会は、被害が大きかった珠洲市や輪島市に近い穴水町に宿泊可能な拠点を設置し、他県からの災害ボランティアも受け入れるほか、避難所や仮設住宅で足湯サービスを行うボランティアを今後静岡県内で募集する。被災者との接し方も含めて研修を実施し、拠点の完成後は週1回程度、ワゴン車でボランティア派遣を始める。被災者の生活再建に向けた困りごとや悩みを傾聴し、同町に伝えて解決を後押しする。
 拠点は日本財団の助成金や同協会が県民から募っている「能登半島地震ボランティア活動支援金」などを活用し、認定NPO法人レスキューストックヤード(名古屋市)と協力して開設、運営していく。同協会の小野田全宏理事長は10~12日にも同町を訪問。拠点予定地を視察し、町関係者らと打ち合わせをした。拠点を設置予定の穴水駅前には町の避難所の一つとなっている「さわやか交流館プルート」があり、同館などでは水道供給も徐々に復旧。ボランティアが活動できる環境も徐々に整備され始めているという。
 小野田理事長は「被災者は厳しい環境の中でじっと耐えている状況。ボランティアが寄り添うことで被災者が抱えているストレスを緩和できたら」と話した。
 (社会部・瀬畠義孝)

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