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初の仮設住宅 輪島に18戸 珠洲も6日に40戸完成へ 能登半島地震

 能登半島地震の被災者向けの応急仮設住宅が31日、初めて完成した。被害が甚大な石川県輪島市に18戸が建設され、2月3日から18世帯58人が入居する。市には既に4千件を超える入居申請があり、避難生活が続く被災者からは完成に歓迎の声が上がる一方、取り組みが少しずつしか進まないことに不満も漏れた。

引き渡しに向け作業が続く被災者向けの応急仮設住宅=31日午前、石川県輪島市の「輪島キリコ会館」の多目的広場
引き渡しに向け作業が続く被災者向けの応急仮設住宅=31日午前、石川県輪島市の「輪島キリコ会館」の多目的広場

 県によると、場所は同市の観光施設「輪島キリコ会館」の多目的広場。平屋のプレハブで2~3人用の14戸と6~8人用の4戸が用意された。断水が続いているため、上水をためる受水槽と下水の浄化槽も設置。31日午後までに現地の作業が終わり、県や市が点検を済ませた。
 2月6日には珠洲市でも40戸が完成予定。県は応急的な住まいの需要は9千戸以上に上るとみて、各地で着工を急ぐ。
 輪島市で入居希望の隅屋良一さん(75)は下見にも行ったといい、「基礎もきちんとしてそうだし、仮の住まいとしては十分」と喜ぶ。45年以上続けた飲食店が被災した池田秀子さん(73)は「夫の体調が悪く避難所は迷惑をかけるので車で過ごしている。せめて足を伸ばして寝たい」と切望する。
 一方で避難者の男性(47)は「ありがたいが、遅すぎるし戸数も少ない。もうちょっと早くしてほしかった」と率直に語った。
 石川県では31日時点で1万4643人が避難生活を送っている。
 輪島市では学校施設も大きな被害を受けており、小川正教育長は31日、新たに仮設の小学校の建設を選択肢の一つとして検討していると明らかにした。

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