テーマ : 教育・子育て

学生の感性CNF商品に 静産大生と静岡県内企業が開発 デザインで付加価値

 静岡産業大経営学部3年の16人が、静岡県内企業2社が進める植物由来の次世代素材「セルロースナノファイバー(CNF)」を活用した商品開発に携わっている。企業の技術力と学生ならではの感性や視点を生かしたデザインの力を融合し、商品の高付加価値化を目指す。

ICBボードを使ったあんどん用パネルのデザインを検討する学生ら=磐田市の静岡産業大磐田キャンパス
ICBボードを使ったあんどん用パネルのデザインを検討する学生ら=磐田市の静岡産業大磐田キャンパス

 富士市の大昭和加工紙業(田中博邦社長)がCNFを添加した接着剤を用いて製品化した板紙「ICBボード」を活用する。同社は従来の板紙よりも強度が高く、より細かい加工が可能な特性などを生かし、プラスチックや木製の製品の代替素材として需要創出を図っている。
 清水町のアッパーズ(須田安里代表)は商品化を進めるあんどんで使うICBボード製サイドパネルのデザインの考案を学生に依頼した。レーザーで切り絵風にパネルを切り抜くことで、幻想的な光の演出を楽しめるようにするという。
 宿泊施設や飲食店へのリースを想定していることから「インバウンド(訪日旅行者)が喜ぶデザイン」などがテーマ。学生たちは茶畑越しの富士山や駿河湾の深海魚などのデザインを検討してきた。越高羽菜さん(21)は「CNFは環境に優しい素材でもある。素材の特徴を生かし、エコを訴えかけるようなデザインにもしたい」と意気込む。
 富士市のふじさんめっせで2月に開かれる産業展示会での公開を目指し、デザインを磨く。須田代表は「私たちからは出てこない独創的なアイデア、ぐっと目を引くデザインを考えてほしい」と期待する。
 あんどんと平行し、名刺入れやスマートフォンケースなどICBボートの実用領域の拡大も探っている。担当の熊王康宏教授(51)は「デザインは人々の暮らしを豊かにする。学生には最先端材料に触れる貴重な機会を学びに生かしてほしい」と話している。

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