テーマ : 教育・子育て

進む教員の自己研さん 不登校対応、特別支援教育… 選択制研修参加で充実

 静岡県総合教育センター(掛川市)が実施する選択制の教員研修の中で、不登校対応や障害のある児童生徒に向けた特別支援教育、ICT(情報通信技術)活用をテーマにした研修の人気が高まっている。学校教育における課題の複雑・多様化が進む中、教員は現場で必要となる資質や能力を身に付けようと励んでいる。

不登校の対応に向けて研修で模擬の事例検討会議に臨む教員=掛川市の県総合教育センター
不登校の対応に向けて研修で模擬の事例検討会議に臨む教員=掛川市の県総合教育センター

 「欠席や遅刻が増えてきた生徒にどのような支援ができるか」-。今夏、同センターで開かれた不登校対応の研修に集まった県内の小中高、特別支援学校の教員約30人が、校内の事例検討会議を想定した演習に臨んだ。
 専用シートを活用しながら、生徒の見立てとして家族や学校、地域それぞれに考えられる要因などを議論。学校での様子を踏まえながら長期、短期の目標を設定し、教員の役割分担を決めた「チーム支援」や外部機関との連携を考えた。
 具体的な支援には生徒の強みを生かすことを意識する。「友人との関係は良好なので、忘れ物を防ぐ方法として友人に声掛けをお願いする」「野球は好き。担任から部活動の顧問に生徒の特性を伝え、配慮してもらう」など、さまざまな視点で意見を出し合った。
 教員の参加動機はさまざまだ。「不登校に自信を持って対応したい」と参加した天竜高の谷口弥生教諭(37)は「生徒の強みに着目する大切さを学んだ。他の教員に声を掛け、主導的に会議を進める方法が分かった」と充実した表情を見せた。
 御殿場市立富士岡中の平野祥子養護教諭(36)は、5年間の育休を経て4月に復職し「ストレスを抱える子どもが多くなった」と実感している。研修を経て「チームで対応することが大事だと感じた。養護教諭として生徒の命を第一に考え、早速学校に持ち帰って先生たちと連携したい」と話した。
 県総合教育センター総務企画・ICT推進課の菅沼伸隆さんは「研修後に視野の広がりを実感し、学校で行動を起こす教員は多い。研修で児童生徒の伴走者として教育活動に役立つヒントを見つけてほしい」と願う。

 <メモ> 教員研修は、学校内の職員同士で研究を行う校内研修と、国や都道府県教委、市町村教委などの教育行政機関、教職大学院が行う校外研修がある。校外研修は教職経験や職能に応じた研修、教科指導や生徒指導に関する専門的な知識・技能を身に付ける研修などが用意されている。

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