あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 牧之原市

繰り返される置き去り「疑問」 07年・北九州園児死亡の父 防ぐには「人の目が一番」

 2007年に福岡県北九州市で保育園の送迎車内に置き去りにされ、熱射病で亡くなった園児=当時(2)=の父親(45)が4日までに静岡新聞社の取材に応じ、9月に牧之原市で起きた同様の置き去り事件について「疑問しかない。バスの乗り降りで点呼を確実にすれば防げたはず」と憤った。
 園児は07年7月27日、他の園児と保育園近くの公園に行った帰りに送迎用のワゴン車に乗せられたが、職員の不注意で約4時間置き去りにされて死亡した。保育園はその後、廃園した。
 父親は「点呼をやっている園は多いと思う。やっていないのは一部の園」とし、「そういう園に預けてしまったという親としての自責の念がどんどんつらくなってくる」と苦しい胸中を明かした。牧之原市の事件で亡くなった園児=当時(3)=の両親については「遺族としては『何で忘れるんだ、何でうちの子だけなんだ』という思いが絶対にある。だから痛みがすごく分かる」と気遣った。
 牧之原市の事件を受け、国は送迎バスへの安全装置の設置義務化に踏み切った。バスに閉じ込められた場合を想定し、園児がクラクションを鳴らす訓練も各地で行われている。
 こうした動きに対し、父親は改めて訴える。「機械に頼り切ってもだめ。人の目が一番だと思う。大人が基本をちゃんと守っていれば絶対に置き去りは起きない」

▶ 追っかけ通知メールを受信する

牧之原市の記事一覧

他の追っかけを読む