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テーマ : 牧之原市

「廃園」提言盛り込まず 検証委員会、年度内にも報告書 牧之原バス置き去り【届かぬ声 子どもの現場は今】

 牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされて死亡した事件で、原因や再発防止策を検討する検証委員会は29日夜、同市内で非公開の第6回会合を開いた。関係者によると、最終報告に廃園や運営法人の交代など同園に向けた提言を盛り込むかどうかが議論されたが、記載しない方向でまとまった。検証委は年度内にも報告書を取りまとめ、市に答申する方針。
 川崎幼稚園の廃園か運営法人の交代は千奈ちゃんの遺族が実現に向けて署名活動を行っている。同日はこれまでの会合を踏まえて当局が作成した報告書の原案を基に、委員が最終的な意見の集約を行った。
 報告書は事件当日の状況や安全管理上の問題点を明らかにした上で再発防止に向けて提言する構成。事件後に同園が行った記者会見や県と市の特別監査では、送迎バスに関わる運転手や乗務員らの役割が不明確で園児の登降園管理も徹底されていなかったことや、21年7月に福岡県中間市の保育園で起きた同様のバス置き去り事件を踏まえた国の通知が業務見直しに生かされなかったことなどが明らかになった。検証委はこうした問題点を軸に再発防止策と提言をまとめる方針。当初は報告書の完成目標を23年9月としていたが、園の安全管理体制など確認事項が想定より多く出たため、先送りとなっていた。
 県警は22年12月、業務上過失致死容疑で園関係者4人を書類送検し、うち当日バスを運転していた前園長(74)と千奈ちゃんの当時のクラス担任(48)が23年11月下旬、同罪で在宅起訴された。

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