記者コラム「清流」 夢を追いかけること
「サッカー選手になってジュビロ磐田でプレーする」-。幼い頃はこんな夢物語を本気で思い描いていた。しかし現実はそう甘くはなく、いつしか考えることすら忘れていた。
牧之原市でバイクショップを経営する伊藤章人さんのレーシングチームが先日、国内最高峰のオートバイレース「鈴鹿8時間耐久ロードレース」への参戦を決めた。中学時代に見たレースの映像に胸を打たれて以来、幾度の挫折を乗り越えながら、挑戦を続けた末につかんだ切符だった。意気込みを聞く中、「ドキドキするよね」と見せた満面の笑みに何だかこちらも胸が熱くなった。
挑戦する権利はいくつ年を重ねても失われるものではない。夢は見るものではなくかなえるものとよく言われるが、その言葉の意味を実感した。
(榛原支局・足立健太郎)