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テーマ : 牧之原市

浜岡原発「再稼働容認」 近隣全3市で優勢 電気料値上がり影響か

 掛川と菊川、牧之原の3市が実施した2023年度市民意識調査の結果が10日、出そろった。中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働の是非について、全3市で「安全が確認できれば稼働したほうがよい」とする回答が「廃炉・停止」を上回った。牧之原市で稼働容認の回答が伸長したほか、掛川と菊川の2市は調査開始以来、初めて容認派が優勢になった。各市とも、電気料金の値上がりに伴う家計圧迫が影響したとみている。


 牧之原、菊川の両市に続いて、掛川市が同日発表した調査結果は、稼働を容認する回答が前年度比8・4ポイント上昇の41・3%と大幅に伸びた。廃炉・停止は3・5ポイント下降の32・6%。前年度は牧之原市で稼働容認が廃炉・停止を上回り、菊川市は同率で拮抗(きっこう)、掛川市は慎重派が優勢とまだら模様だったが、今回は3市とも市民の約4割が稼働を容認し、3割前後が停止継続を望むなど傾向が似通った。
 久保田崇掛川市長は定例記者会見で、電気料金の高騰に加えて「東京電力福島第1原発事故から12年が経過し、若い人を中心に記憶が薄れたり、よく知らなかったりすることがある」と危機意識の希薄化を要因に挙げた。再稼働に当たって同意を得る範囲については「少なくとも4市には同意の権限があるべき」と述べた。杉本基久雄牧之原市長は「判断は関係市町で意見がかみ合わない。国がルールを示すべき」、長谷川寛彦菊川市長は「本市を含む4市の同意が重要になる」との考えを示している。
 3市は2011年の東日本大震災を受けて、11~14年度に市民意識調査の項目に浜岡原発関連を加えた。立地市の御前崎市は、原発関連の質問は市民意識調査にそぐわないとして項目に加えていない。
 (掛川支局・高林和徳)
「地域理解最優先」 中部電力  中部電力は3市の市民意識調査の結果を受け、「安全の確保と地域の理解を最優先に、原子力発電を重要な電源として活用することが不可欠。新規制基準への適合性確認を早期に得られるよう最大限努力するとともに、安全性について地域・社会に丁寧に説明していく」とコメントした。
詳細な海底地形図 原告側 提示求める 浜岡原発廃炉訴訟  中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)3~5号機の廃炉を求めて地域住民らが起こした訴訟の第36回口頭弁論が10日、静岡地裁浜松支部で開かれた。原告側は中電に対し、プレート間(南海トラフ)地震の最大津波高を22・7メートルとした想定について、詳細な海底地形図の提示を求めた。
 中電側が3月に提出した資料では、海底の隆起や沈下の量が分からないとした。取水塔位置における海水面低下の継続時間の根拠や、津波による消波ブロック流出の危険性がないとした模型実験の実施条件などの説明も求めた。
 中電側は「回答を検討する」と述べた。

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