掛川支局 高林和徳
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「結婚してください!!」茶畑の中心で愛を叫ぶ 菊川市がイベント、市制20年祝う声も【動画あり】
菊川市は27日、広大な茶畑に向かって絶叫するイベント「茶畑の中心で愛を叫ぶ」を同市本所の菊川中央公園で実施した。7~61歳の約20組80人が出場し、大切な人やまちへの思いを大声に乗せた。 今年で3回目。市制20周年と重なった今回は、記念事業の開幕イベントに位置付けた。「パパ、ママ、大好きだよ」「菊川市20周年おめでとう」など、家族や地域に愛情を伝えるメッセージが目立った。プロポーズの練習と前置きして「結婚してください」と絶叫する出場者もいた。 イベントに先立ち、地元の書道教室と常葉大菊川高ダンス部がパフォーマンスを披露して会場を盛り上げた。芝生広場では市内のブラジル人学校など各種団体がブ
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地元産の新茶がずらり 来場者でにぎわう 掛川・とうもんの里
掛川市山崎の農村文化発信施設「とうもんの里総合案内所」で27日、恒例のとうもん新茶まつりが始まった。地元産の新茶の試飲サービスや農産物販売を展開し、大勢の来場者でにぎわった。28日まで。 掛川と袋井の両市から各種の新茶が届いた。施設を運営するNPO法人とうもんの会のメンバーは、ホットプレートを使った製茶を実演した。山下みさお理事長は「天候不順で新茶がそろうか心配だったが、間に合って良かった。田園の風景を守っていきたい」と話した。 雨の影響で、茶娘衣装の着付けと茶摘み体験は28日に延期した。
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不要な製品プラ回収実験開始 掛川市のカインズ 再び製品原料に
不要になった衣装ケースやバケツなどの製品プラスチックを店頭回収する掛川市の実証実験が20日、同市上西郷のカインズ掛川店で始まった。9月末まで、駐車場に設置したコンテナで回収し、再び製品原料として流通させる資源循環モデルの構築を目指す。 ホームセンター大手カインズ(埼玉県本庄市)と廃棄物処理業の太洋サービス(浜松市中央区)、リサイクルプラスチック製造販売のプラニック(御前崎市)との共同事業。式典で久保田崇市長は「どのくらいの量が集まり、どのような製品に生まれ変わるのか。見定めながら取り組みを広めていきたい」と述べた。 衣装ケースをコンテナに入れる実演も行い、重量に応じてポイントをもらう回収
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希少山野草「クマガイソウ」菌で元気に 掛川の自生地で生育促進の試み
希少な山野草クマガイソウの自生地を一般公開している掛川市倉真地区で、植物の根に共生して養分の吸収を助ける菌根菌に着眼した生育促進の試みが始まった。地元保存会と日本菌根菌財団が連携して、自生地の土壌環境の改善を図る。保存会は「来年か再来年には株数を倍増させたい」と意気込んでいる。 保存会と財団のメンバーら11人が16日、見ごろを迎えた自生地に菌根菌をまいた。土壌の腐植を増やすため、枯れたスギの枝葉も敷いた。一部の群生ではあえて手を加えず、来季に生育状況を比較する。財団の石井孝昭理事長は「菌の多様性を高めて、クマガイソウとの共生関係を強めていく」と話した。 自生地は、新東名高速道路掛川パーキ
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掛川市 待機児童ゼロ 4年連続 ソフト対策が奏功
掛川市がまとめた2024年度当初の就園状況分析によると、国定義の待機児童数は4年連続でゼロだった。市独自の人件費補助制度の拡充や一部幼稚園が取り入れた早朝・延長保育など、市はソフト面の対策が奏功したとみている。 4月1日時点の取りまとめで、認可保育園などへの入園申し込みは前年比22人増の2829人。定員は25人増の3241人だった。国の定義では計上されない潜在的な待機児童数は24人増の94人で、このうち特定園希望などを理由にした在宅保育は46人だった。 市によると、保護者の働き方の多様化などを背景に、年度途中からの保育利用希望者は増加傾向。年間を通した対策の重要性が増しているという。 (掛川
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保育士一斉退職問題 「意思疎通が不足」 掛川市長、会見で指摘
掛川市千羽の千羽すぴか保育園で保育士の大半が一斉退職した問題で、掛川市の久保田崇市長は10日の定例記者会見で「園の経営者と職員、保護者とのコミュニケーションが不足していた」と指摘した。市は園が4月以降も基準を満たす保育士数を確保できているとした上で、引き続き運営状況を確認するとしている。 久保田市長は「民間の園が教育や経営でユニークな方針を打ち立てていくこと自体は否定すべきものでなく、素晴らしい」との認識を示した。一方で「準備期間を置かずに急にやろうとすると保育士や保護者が不安に思い、ついていけなくなるのは当然のこと」と述べ、段階を踏んだ意思疎通を求めた。 市こども希望課によると、問題を
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掛川市と3事業者 プラスチック再生で連携 店頭で回収
掛川市は10日、可燃ごみや粗大ごみとして扱ってきた衣装ケースや風呂いすなどの製品プラスチックを店頭回収する実証実験を行うと発表した。ホームセンター大手カインズ(埼玉県本庄市)、廃棄物処理業の太洋サービス(浜松市中央区)、プラスチック再生事業を手がけるプラニック(御前崎市)の3事業者と連携する。 期間は20日から9月30日まで。回収用のコンテナをカインズ掛川店(掛川市上西郷)の駐車場に設置する。太洋サービスが選別や破砕などを担い、プラニックが再生プラスチックに加工してメーカーなどに販売する。市は回収拠点への持ち込みを市民に周知する。 市は採算性や持続可能性などを検証し、課題を整理した上で循
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掛川・大須賀物産センター13日再開業 名称「おひさまテラス」に
運営会社の解散に伴って営業を終了した掛川市大渕の大須賀物産センター「サンサンファーム」が13日、「おひさまテラス」と名称を変えて再オープンする。野菜を直売するほか、海鮮丼や浜焼きなどの飲食物を提供し、沿岸地域振興拠点としての機能を拡充する。 施設は公設民営。市内の二輪車整備業LHIが運営を引き継ぐ。地場野菜だけでなく、弁当や鮮魚なども扱う新たな店舗展開で集客を目指す。市農林課によると、大須賀地区伝統の地砂糖「よこすかしろ」の製造も継続し、サトウキビ収穫イベントを定期開催する。 旧サンサンファームは1993年開設。運営会社は地元農家の高齢化や離農で商品調達が難しくなったことなどを理由に20
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掛川茶市場、新茶初取引は23日に
掛川茶市場取引運営委員会は8日、2024年度の新茶初取引を23日に掛川市千羽のJA掛川市本所で行うと決めた。前年より8日遅く、平年と比べても3日ほど遅い。午前7時半に式典を開き、終了後に取引を始める。
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楽しい思い出 つくって ねむの木学園(掛川) 始業式 本年度から英語授業も
女優の故宮城まり子さんが創設した国内初の肢体不自由児のための養護施設として知られる「ねむの木学園」(掛川市上垂木)で8日、始業式が行われた。約70人が出席し、全員で「アメージング・グレース」を合唱して新学期のスタートを切った。 学園を度々訪れている米グラミー賞受賞アーティストのスキップ・マーティンさんも同席した。梅津健一学校長は、マーティンさんを講師に迎えて月1回、音楽を通した英語の授業を展開することを明らかにした上で「大きな病気やけがをせず、元気に過ごしてほしい」とあいさつした。 社会福祉法人ねむの木福祉会の熊谷三樹雄理事長は「つらいことや悲しいことの記憶は薄れても、楽しい思い出は何十
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「茶祖」栄西禅師に業界発展願掛け 掛川・粟ケ岳山頂で供養祭
静岡県掛川市東山地区の茶生産者らでつくる茶祖栄西禅師顕彰会は5日、鎌倉時代に中国から茶の実を持ち帰って日本の喫茶文化の発展に貢献したとされる栄西禅師の報恩供養祭を市北東部の粟ケ岳山頂で執り行った。約110人が参列し、茶業の安泰と発展を祈願した。 新茶期に先立つ恒例行事で、今回で64回目。地元の観泉寺の住職が栄西禅師の銅座像前で読経と献茶を行い、参列者が焼香した。顕彰会長を務める杉山裕朗・東山茶業組合長は「ここ数日の気温上昇で茶園が色づき始めた。良質な新茶ができると期待している」と述べた。 同組合によると、3月上旬の冷え込みで生育は前年より1週間から10日ほど遅れているという。
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ごみ排出少ない自治体 掛川市が全国2位 2022年度調査
環境省が発表した2022年度の一般廃棄物処理実態調査(人口10万人以上50万人未満)で、掛川市はごみ排出量が少ない自治体として全国2位になった。2年連続で守ってきた日本一の座を日野市(東京都)に明け渡した。ごみ排出量は前年度より減少し、過去最少になった。 調査によると、掛川市の1人1日当たりのごみ排出量は614・5グラム。前年度より8・1グラム減少した。久保田崇市長は「3年連続日本一とならず大変残念だが、ごみ量が減っていることは市民が高いごみ減量意識を持ち続けている結果」とコメントした。 首位の日野市は600・5グラム、3位の小金井市(東京都)は619・6グラムだった。全国平均は880グ
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当時の職員に「重過失なし」 賠償審査委が答申 掛川・緑地誤売却問題
掛川市が行政財産の緑地を市内不動産業者に誤売却した問題で、市が設置した職員賠償責任等審査委員会は28日、売買契約に関わった当時の副市長と総務部長、管財課長について審査した結果を答申した。いずれも土地を行政財産と認識することは困難だったとして、故意に近い重大な注意欠如の状態とされる重過失には当たらないと結論づけた。 市は同日の市議会全員協議会で内容を報告し、答申を根拠に求償権を行使しない考えを示した。久保田崇市長は「このような事態が二度と発生しない体制づくりに取り組む」と述べた。 答申では、土地が県の指摘で行政財産と発覚した後の対応について、当時の副市長は各課長に経過報告を求めなかったこと
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掛川のハウス茶園で初摘み 31日の高天神社例大祭で献茶
掛川市上土方嶺向のビニールハウス茶園「高天神ハウス茶園」で25日、新茶の初摘みが行われた。生産者団体の土方良質茶研究会メンバーやJA遠州夢咲の職員ら約20人が丁寧に新芽を摘んだ。31日の高天神社例大祭で献茶する。 同会によると、今季の生育は順調だったが、摘採直前の寒暖差が激しかった上、強風によるハウス破損に伴う凍霜害で管理に苦労を強いられた。早川正宏会長(71)は「献茶で単価の安定と農作業の安全を祈願したい」と話した。 摘み取った茶は約4キロ。地元の大城茶手揉(も)み保存会が製茶して奉納する。茶園は高天神城跡北側の搦手(からめて)門の近くにある。
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掛川城、青と黄にライトアップ 「世界ダウン症の日」啓発
世界ダウン症の日(3月21日)に合わせて、掛川市は21日夜、掛川城天守を啓発のシンボルカラーの青と黄の2色で彩るライトアップを開始した。28日まで、日没後から午後10時まで実施する。 掛川城公園で開かれた点灯式には約40人が参加し、理解の広がりを願った。市手をつなぐ育成会の高木敏男会長は「社会の固定観念や先入観の壁を乗り越えるには、当事者の社会参画が大事。一緒に行動して良いまちにしていこう」と呼びかけた。久保田崇市長は「どんな境遇の人も活躍できる社会を目指す。応援していきたい」と述べた。
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掛川の保育園、保育士大半が退職へ 19人のうち15人 新規採用で運営継続
掛川市千羽の千羽すぴか保育園で、保育士の大半が3月末で一斉退職する見通しになったことが19日、関係者への取材で分かった。正規と非正規の保育士ら19人のうち15人が退職する意向を示しているとみられ、同園は新規採用で運営を継続する見込み。市は「安全で安心な保育環境が提供できているかどうかを注視していく」としている。 関係者によると、園の運営方針が現場の理解を得られなかったことや、管理職との意見の隔たりなどが理由。市は2月末に10人超の保育士が辞意を固めている状況を把握し、3月12日に指導監査を実施した。市幹部は「採用予定者が決まっていて、4月以降の態勢も基準を満たしていることを確認した。現段階
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天浜線定期入れ 掛西高生考案 大きいサイズに対応 20日から販売
掛川市の掛川西高2年生5人が、天竜浜名湖鉄道とオリジナルの定期入れを共同開発した。茶と青、黒の3色で牛革製。黒には同校の校章をあしらった。 大木雄稀さん(17)ら5人グループが、地域課題の解決を図る授業の一環で考案した。天浜線の定期券はJR各社の定期券や交通系ICカードなどと比べてサイズが大きく、「入学時に定期入れを買ったのに使えなかった」(大木さん)のが開発の原点。天竜浜名湖鉄道社員への聞き取りや打ち合わせを重ねて商品化を目指してきた。 天竜浜名湖鉄道によると、定期券の外周にはみ出たラミネートフィルムを切り取ってサイズを小さくした上で市販の定期入れを使う利用者もいるという。大木さんは「
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観光農園の可能性追求 キウイフルーツカントリージャパン(掛川市)/平野耕志代表【キーパーソン・最前線】
循環型農業の実践に軸足を置き、キャンプ場整備や修学旅行の受け入れなど事業の多角化を進める。1月には中南米11カ国の省庁職員らが視察に訪れ、自然循環の仕組みに強い関心を示した。持続可能な開発目標(SDGs)実現に向けた機運の高まりを追い風に、観光農園の可能性を追求している。 ―観光農園を取り巻く環境をどう見るか。 「全国的に経営体は減っている現状。自園への来園者は新型コロナウイルス禍で半数程度まで落ち込んだが、今は持ち直している。売り上げ自体はコロナ前より上がった。新事業として始めたカフェやキャンプ場の寄与もある。新しい取り組みを生み出し続けて発信していく姿勢が大事だ」 ―強みは。 「
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掛川で抹茶スイーツコンテスト 最優秀に夏目さん(大渕小6)の「和!ガトーショコラ」 地元菓子店が商品化
掛川市は16日、市内の小中学生を対象に募集した「かけがわ抹茶スイーツコンテスト」の最終審査を市役所で行い、大渕小6年の夏目咲陽さん(12)が考案した「和!ガトーショコラ」を最優秀賞に選んだ。コンテストに協力した地元菓子店のたこ満が5月中に商品化し、市内店舗で販売する。 前年に続いて2度目の開催。前回は入賞できなかったという夏目さんは、抹茶と地元産の干し芋をふんだんに使ったスイーツで再挑戦し、頂点に立った。「洋菓子の定番に和の食材を合わせた。干し芋の食感を強調できるよう工夫した」と述べ、受賞を喜んだ。 コンテストでは16組23人が計18点のレシピを提出し、書類審査を通過した5点を審査員6人
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藤井王将が揮毫「雲外蒼天(うんがいそうてん)」掛川市に 掛川城御殿三の間へ
掛川市は15日、掛川城の木造天守復元30周年を記念して将棋の藤井聡太王将(21)が市に贈った揮毫(きごう)をお披露目した。「雲外蒼天(うんがいそうてん)」の四字熟語で、額装して30日午前11時に掛川城御殿の三の間に飾る。 雲外蒼天は、雲を抜けた先には青空が広がっていることから、困難の先に明るい未来があるという意味。久保田崇市長は、徳川家康による今川氏攻めの際、掛川城の井戸から霧が噴き出して攻撃を阻んだとする伝説に触れ「掛川城の別名は『雲霧城』。ふさわしい文字を揮毫してもらった」と喜んだ。 約7カ月間にわたる掛川城の30周年記念事業は29日に開幕する。29~31日に幕開けのイベント「掛川城
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ともしび 掛川から祈る 能登被災地報告も【東日本大震災13年】
東日本大震災から13年の節目に合わせ、掛川市の有志が11日、犠牲者の追悼と早期復興を願う集い「キャンドルナイト」を同市内で実施した。能登半島地震の被災地でボランティア活動を行った市民団体メンバーも参加し、現地での活動の様子を報告した。 市民約20人がろうそくの火を見つめて祈りをささげた。能登半島地震の被災地支援のため6回にわたって現地を訪れている市民団体「ふっこう支援掛川」統括の斎藤一さん(65)が講話し「石川県の支援も続けるが、東北地方の支援も継続する」と強調した。参加者に活動への協力を求めたほか、東日本大震災と能登半島地震を踏まえた食料備蓄などの災害対策拡充を呼びかけた。 穴水町や輪
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藤井王将「楽しんで将棋続けて」 掛川で小中学生に指導対局
将棋の第73期王将戦で3連覇を果たし、祝賀行事に出席するため掛川市を訪問中の藤井聡太王将(21)が9日、同市の大日本報徳社で地元の小中学生を対象に指導対局を行った。多面指しで9人と対局し「一手一手をしっかり考えて指しているのが伝わってきてうれしく思った。楽しんで将棋を続けてほしい」と呼びかけた。 同市では王将戦第6局が行われる予定だったが、第4局で防衛が決まったため対局がなくなった。指導対局では掛川で対局があった場合の初手見学に申し込んで当選した9人が、藤井王将と阿久津主税八段(41)に挑んだ。 将棋歴1年の掛川中央小2年の栃木すみれさん(8)は「大駒を取られないようアドバイスしてくれた
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貯水機能付き給水管に補助 災害時の断水想定 掛川市、市議会答弁
掛川市は2024年度、災害時に一定の水を家庭で確保できる「貯水機能付き給水管」に対する補助制度を新設する。管の損傷で水不足が深刻化した能登半島地震を踏まえた対応。6日の市議会2月定例会一般質問で、本多弘典危機管理監が明らかにした。 貯水機能付き給水管は、管の一部が貯水タンクになっていて、断水時も容量分の水が使える利点がある。市危機管理課によると、20万円を上限に導入を補助する。備蓄用の水を購入して自宅に運ぶのは高齢者にとって負担が大きいなどとする市民の意見を反映した。 ペットボトル水を日常で消費しながら補充するローリングストックの啓発も強めて、自助による断水対策を推進する。井戸水とため池
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卒業記念の額縁に学校の木 掛川日坂小 思い出、学び“総仕上げ”
掛川市の日坂小6年生15人が5日、卒業記念のフォトフレームの制作に取り組んだ。学校林の伐採見学などを通した地元林業に関する学びの締めくくり。ヒノキを加工した木材を使い、6年間の思い出を飾る額縁を仕上げた。 同校は1学年1学級の小規模校。15人は市森林組合や近隣の三浦製材所などのサポートを受けながら、森林の役割と製材加工の流れを学び、かんな削りとフレームの組み立てに励んだ。入学以来変わらないクラスメートと一緒に写った複数の画像をA4判の用紙にレイアウトして、完成したばかりの額縁に収めた。 三浦製材所を経営する三浦健太さん(44)がPTA会長を務めている縁で制作が決まった。自身も卒業生という
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多世代交流拠点に改修 遊具やカフェ、休憩所設置 掛川の「たまりーな」
掛川市は1日、22世紀の丘公園(同市満水)の多目的施設「たまりーな」の改修整備を手がける事業者が決定したと発表した。工事は川島組(同市二瀬川)と乃村工芸社(東京都)の共同企業体(JV)、指定管理は静岡ビル保善(静岡市葵区)と乃村工芸社のJVが担う。温水プールと温浴施設を改修し、未就園児から小学校低学年までを主な対象にした屋内遊び場を整備する。 同市として初めて、設計と施工、管理運営を一括発注するDBO方式を採用する。高低差を生かした遊具を中心に据えた「アクティブゾーン」と積み木ブロックなどを配置する「クリエイティブゾーン」を設ける。誰でも利用できるカフェや売店、休憩スペースも設置し、多世代
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夜桜彩る掛川城下 ライトアップで幻想的に
掛川市の掛川城下を流れる逆川両岸で、桜並木が見頃を迎えている。夜間のライトアップで淡いピンク色の花が浮かび上がり、4月に木造天守復元30周年を迎える掛川城を幻想的に彩っている。 市産業労働政策課によると、すでに七分咲きで例年より1週間程度早く、3月初旬には満開になりそう。連日、カメラを手にした市民や行楽客でにぎわっている。 桜並木は早咲きの園芸品種「カケガワザクラ(掛川桜)」。逆川沿い約2キロに約300本が植えられている。下向きの花が手まり状にまとまって咲くのが特徴で、花の終期に近づくにつれてピンク色が濃くなる。 ライトアップは市などが掛川城近くの緑橋ー大手橋の約150メートル区間で3
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校生読書体験記コンクールで入賞した 佐野夢果さん(掛川市)
身体に障害がある作家市川沙央さんの芥川賞受賞作「ハンチバック」を読み、受けた衝撃を体験記にまとめた。自身も難病で幼少期からの車いす利用者。勉学に励む傍ら、県内外で講演やイベントを展開し、誰もが暮らしやすい社会の実現を目指している。掛川東高2年。17歳。 ―入賞をどう受け止めたか。 「驚いた。自身の内在的な負の感情を隠すことなく原稿用紙にぶつけた作文だった。本当に学校に提出していいのかという思いもあった。コンクールで多くの人に読んでもらえたことがうれしく、価値を感じる」 ―「ハンチバック」を題材に選んだきっかけは。 「市川沙央さんの芥川賞受賞のニュースに衝撃を受けた。すぐに本を手に入れ
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元AKB板野さん掛川市ふるさと納税PR 市長と対談、お茶トークも
AKB48の元メンバーでタレントの板野友美さんが24日、掛川市内で開会したトランポリン競技大会の会場を訪れ、久保田崇市長と対談した。同市のふるさと納税をPRしたほか、能登半島地震の被災地に向けた募金活動も行った。 板野さんがプロデュースする化粧品は市内の工場で製造され、同市のふるさと納税の返礼品になっている。板野さんは「全国を調べる中、水がきれいな掛川市を選んだ」と紹介した。特産の茶については「基本的に水を飲まず、起きてから寝るまでお茶しか飲んでいない。寒い日は温かいお茶を入れている」と話し、久保田市長は「ぜひお茶のPR大使になってほしい」と要望した。 モデルの和田奈々さん、元プロサッカ
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ボッチャ用具、使って 掛川工高生自作 特支に寄贈
掛川市の掛川工高は22日、生徒が自作したボッチャ競技の投球補助具「ランプ」を掛川特別支援学校に寄贈した。ランプはボールを投げられない人が使う傾斜したレール状の勾配具。支援学校で寄贈式を行い、同校生徒が競技を体験した。 掛川工高自動車部が試験走行で支援学校の駐車場を借りていることへの返礼。機械科3年の5人が2023年5月に着手し、競技関係者や補助具製作者からアドバイスを受けながら完成を目指してきた。 スロープの長さと角度を3段階で変えられるのが特徴。土台の金属加工では工作機械を駆使した。バスケットボールを使ったボウリング用のランプも製作した。本体の木材は掛川市森林組合が無償で提供した。
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【2024注目予算】掛川市 空き家対策補助 片付け促し流通図る
農機具小屋だったかつての面影はなかった。掛川市西之谷のパン工房「カフェアンジュ」。北海道室蘭市出身の店主浜田弘子さん(62)が2021年10月、空き家を改装して開業した。趣のある店構えと石窯で焼くこだわりのパンが評判を呼び、常連のくつろぎ空間になった。遠方から足を運ぶパン好きも多い。 「石窯を設置できることが空き家選びの譲れない条件だった。自然も豊かで理想的。うまく運命を引き寄せられた」。浜田さんの満足度は高い。石窯の燃料に使うまきは常連が好意で間伐材を提供するなど地域とのつながりが育まれ、空き家は3年の間に人が集う交流拠点へと変わった。 一方で、浜田さんのような成功事例は多くない。掛川
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掛川市、インフラ投資大幅増 一般会計556億円で過去最大 24年度予算案
掛川市は14日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は23年度当初比10・6%増の556億7千万円。津波対策の防潮堤整備や同報無線設備の更新などのインフラ関連経費が大幅に増え、過去最大規模になった。地域の少子高齢化が進む中、空き家対策や小中一貫校整備など持続可能なまちづくりを意識した施策を拡充する。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 11特別会計と水道など5企業会計を合わせた総額は6・0%増の899億2900万円。久保田崇市長は「人と環境の持続可能性につながる事業を重視した」と述べ、高齢化で死者数が増える多死社会への対応を加速させる考えを示した。 一般会計の歳入
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JR掛川駅に緑茶カフェ 3月15日オープン 「きみくら」が出店
掛川市は9日、JR掛川駅北口に誘致した緑茶カフェのオープンが3月15日に決まったと発表した。ジェイアール東海静岡開発との協働事業で、丸山製茶グループのきみくら(同市板沢)が出店する。 店名は「matcha KIMIKURA 掛川駅フラッグシップストア」。木造駅舎に隣接した2階建て店舗で、1階に抹茶商品や深蒸し茶、スイーツなどが注文できるカウンターを設置する。2階はイートインスペースで28席を設ける。店舗は掛川茶のPR拠点としても活用する。 市が「お茶のまちづくり拠点整備事業」として内装工事費など1千万円を補助した。久保田崇市長は「駅周辺で緑茶を楽しめる店がないことに課題感を持っていた。県
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黒田家代官屋敷で梅まつり開幕 期間限定の竹あかり展も
菊川市下平川の国指定重要文化財黒田家代官屋敷で4日、恒例の梅まつり(平川地区コミュニティ協議会主催)が始まった。約2000平方メートルの敷地内梅園で紅白の梅が見頃を迎えている。3月3日まで無料開放する。 開幕した4日は駐車場でイベント「長屋門フェスタ」が開かれ、大勢の市民でにぎわった。地元の芸能団体が音楽演奏や踊りを披露したほか、梅干しの種を口から飛ばす「たね飛ばし大会」もあり、会場は盛り上がりを見せた。 22~24日は、梅園内歩道に約400本の竹灯籠を設置する「竹あかり展」を開く。各日午後5~8時。 (掛川支局・高林和徳)
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「開運 立春朝搾り」出荷 掛川・土井酒造場、生産量は前年比35%増
掛川市小貫の土井酒造場は4日未明、立春に合わせて搾った縁起酒「開運 立春朝搾り」を瓶詰めし、四合瓶(720ミリリットル)2700本を出荷した。飲食店需要の高まりを受けて一升瓶600本も加えた。生産量は前年比35%増という。 午前0時ごろに社員が集まり、粛々と作業を進めた。搾り上がったばかりの純米吟醸生原酒を瓶詰めしてラベルを貼り、手際よく梱包(こんぽう)した。出荷の準備が整った明け方に神事が執り行われ、おはらいを受けた酒が加盟酒販店によって各地に運ばれた。 業界団体の日本名門酒会(東京)が全国の蔵元に呼びかけて開催する行事で、同酒造場の参加は3年目。5代目蔵元の土井弥市社長(50)は「
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アイドルフクロウ「ポポ」天国へ 掛川花鳥園、献花台を設置
掛川花鳥園(掛川市南西郷)の知名度を全国区に押し上げたアフリカオオコノハズクの「ポポ」が1月下旬、老衰で死んだ。20年にわたって愛されたポポをしのび、同園は献花台を設置した。設置後最初の週末になった3日は大勢のファンが訪れ、併設のスケッチブックに「天国でも元気でいてね」「いつまでも大好きです」などとメッセージをつづった。 大勢の来園者が訪れる献花台=掛川市南西郷の掛川花鳥園 同園によると、スタッフが1月23日朝、死んでいるのを確認した。17、18年とされる小型フクロウの寿命を超える20歳だった。同園が開園した2003年に仲間に加わって以降、一度も病気をしたことがないほど健
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不要な子ども礼服 地域で有効活用 無料でレンタル 家計負担軽減へ 掛川・城北地区まちづくり協
掛川市の城北地区まちづくり協議会が、入学式や卒業式などで使う小学生用フォーマル服の貸し出し事業を始めた。小中学生の保護者から着用機会がなくなった服を集め、セレモニーで必要な地区住民に無料でレンタルする。資源の有効活用に加え、貧困家庭をサポートする狙いもある。 事業は同協議会女性部が発案した。利用日の3~5日前に貸し出し、着用10日後までにクリーニングを済ませて返却する仕組み。地区の小中学校で2023年秋から、参観会などの機会を利用して保護者に賛同を求めてきた。すでに男女計約30着のフォーマル服とドレス、リボンなどが集まり、城北小校区の住民に利用を呼びかけている。 小学校の式典に限らず、
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掛川南部にサッカークラブ 地域ぐるみの支援必要【記者コラム風紋】
掛川市教委などは4月、地域の中学校にサッカー部が設置されていなかった市南部の大東・大須賀地区にサッカークラブを創設する。少子化の進展で生徒の文化・スポーツ活動の選択肢が先細る中、あえて空白地帯への新設に踏み切った背景には、地元の子どもたちからの強い要望があった。スポーツ機会の地域間格差解消の動きを歓迎したい。 クラブ新設は、市が掲げる部活動改革の一環。1年前の市総合教育会議で佐藤嘉晃教育長が「最終的に学校と切り離す」と明言し、2026年度までに中学の部活動を全廃して地域クラブに移行させる方針を示した。備品の引き継ぎや調達、保護者の送迎負担など課題は多いが、すでに市内では市教委公認のクラブが
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掛川の城下町、249チームが駅伝 懸命にたすきつなぐ
掛川市の掛川城周辺を駅伝チームが駆け抜ける市城下町駅伝競走大会(実行委員会主催)が28日、市中心部で開かれた。小中学生と一般・高校生の部に市内外の計249チームが出場し、懸命にたすきをつないだ。 新型コロナウイルスの行動制限解除を受けて、出場は前回大会より39チーム多い。コースは掛川城公園三の丸広場付近を発着点にした4区間で、小中学生が約7・7キロ、一般・高校生が約10・6キロ。選手は沿道の声援を受けながら寒風の中を力走し、好タイムを目指した。
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使用済みおむつは燃料に 掛川市ごみ減量会議 3月に提言書
ごみを燃やさずに資源化する仕組みを検討する掛川市の「おむつリサイクル・ごみ減量推進会議」は25日、市役所で最終会合を開き、使用済み紙おむつは同等製品に再生するよりも固形燃料化する方が実現可能性が高いなどとする検討結果を整理した。紙おむつや製品プラスチックなど4品目の方向性を取りまとめて、3月14日に久保田崇市長に提言書を提出する。 比較的ハードルが低い製品プラスチックについては、2025年度にモデル地区を設定して実証実験を行い、26年度に市内全域で導入するよう求める。ごみ分別の細分化に関しては、市民や事業者の理解促進と地域負担軽減の観点が重要との認識で一致した。 推進会議は地域団体の代表や有
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部活なくても「サッカーしようぜ」 掛川大東・大須賀に地域クラブ 中学生に競技継続の機会
掛川市教育委員会と市スポーツ協会、掛川サッカー協会は4月、市南部の大東・大須賀地区に新たな地域クラブとしてサッカークラブを創設する。市と市教委が進める部活動改革の一環。地元の中学校にサッカー部がなく競技継続を諦めざるを得なかった生徒の声に応えて、クラブ活動を楽しめる環境を整備する。 市教委は2026年夏までに市内全中学校の部活動を廃止し、地域団体が展開する地域クラブに移行させる方針を示している。サッカークラブの創設は地域移行の先行モデルとの位置付け。市教委によると、県総合体育大会など中体連の大会にも出場可能で、市スポーツ協会が管理・運営を担い、地元スポーツ少年団のコーチが指導に当たる。
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ビタミン色500本 甘い香り 掛川「ロウバイの里」で見頃
掛川市初馬の初馬会館南側の山林に整備された「ロウバイの里」で、花が見頃を迎えている。ろうのような光沢がある黄色い花が甘い香りを漂わせ、来場者を楽しませている。 約7000平方メートルの斜面に、高さ約2.5メートルのロウバイの木約500本が植栽されている。地元の住民グループ「花咲会」が2018年から、苗木の植え付けや園路の敷設を進めてきた。水仙やコスモスなどの栽培にも取り組み、四季折々の花で地区を彩る構想を描いている。 同グループによると、ロウバイの花は2月中旬まで楽しめそう。石川寿代表(76)は「これだけの数のロウバイは見事。多くの人に楽しんでほしい」と話す。 (掛川支局・高林和徳)
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中東遠総合医療センター 南海トラフ対策強化を 能登被災地派遣隊員 活動報告
能登半島地震の被災地支援に災害派遣医療チーム(DMAT)として加わった中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)の隊員が18日、同センターで活動報告した。道路が寸断された中で取り組んだ患者搬送などの任務を写真や動画で示し、南海トラフ地震を想定した対策の強化を呼びかけた。 同センターでは2日以降、計3隊を石川県に派遣している。第1隊として2~6日に現地で活動した救急科診療部長の松島暁医師(45)は、17日出発の第3隊の一員として再び現地入りした。輪島市の避難所からリモートで参加し「外科系よりも内科系の医師が活躍している段階。病院ではコロナ患者の診療もあった」と現地の状況を伝えた。 宮地正彦院長は
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梅まつり記念と合格祈願 御城印2種完成 黒田家代官屋敷(菊川)2月発売
菊川市下平川の黒田家代官屋敷の梅園で2月4日に始まる梅まつりを前に、住民有志でつくる御城印委員会が梅まつり記念と合格祈願の2種類の御城印を制作した。3月3日までの期間中、屋敷や市観光協会などで販売する。 黒田家代官屋敷は戦国時代の城館。国指定重要文化財で、現在も15代当主の黒田淳之助さん(86)と家族が暮らしている。制作した記念御城印には、黒田家の家紋「二つ藤巴紋」や18世紀前半の建築と推定される長屋門のデザインをあしらった。合格祈願の御城印には縁起物の梅のイラストも添えた。 いずれも1枚300円(税込み)。同委員会の柴山正之会長(64)は「来訪の記念になる。梅を見るだけでなく、代官屋敷
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着ぐるみ姿でレース ティラノ67頭が全力疾走 掛川で初開催【動画あり】
恐竜の着ぐるみで競走する「かけがわティラノフェス」が14日、掛川市の原野谷中東側の田んぼで開かれた。静岡県内外から67人が参加し、ティラノサウルス姿で全力疾走した。市内での恐竜レース開催は初めて。 中学生以上の成獣部門に50人、小学生以下の幼獣部門に17人がエントリーして、短距離走とダンスバトル、団体戦のポールリレーで競った。スタート地点に立った参加者は、発走の合図と同時にダッシュして懸命にゴールを目指した。ダンスでは首や短い手を激しく振って審査員にアピールし、来場者から笑いと歓声が上がった。 参加賞として地元の無農薬米を使ったおにぎりが振る舞われたほか、各種目と総合の部の上位入賞者には
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「派閥解散、選択肢に」 自民・宮沢氏が言及
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、政治資金収支報告書への不記載を認めている安倍派の宮沢博行衆院議員(比例東海)は10日、「安倍派はこれだけ世間を騒がせているのだから、自主解散を選択肢に入れないといけない」と述べ、派閥解散に言及した。 掛川、袋井の両市で開かれた経済団体の賀詞交歓会あいさつで触れた。宮沢氏は「新年にもやもや感が出ているのは昨年末からの政治と金を巡る問題。私もその一員で改めて陳謝する」とした上で「だからこそ改革する。9月には総裁選がある。新しいリーダーで世の中をすかっとさせることが必要」と述べた。 (掛川支局・高林和徳)
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掛川の歴史研究家 柴さん 家康の姫 生涯たどる 嫁ぎ先での功績 丹念調査
80歳を機に都内から掛川市に移住した歴史研究家柴桂子さん(86)=同市本郷=が、徳川家康の娘や養女の人生を追った著書「徳川家康三十二人の姫君の結婚―もう一つの大名統制」(みらいま)を出版した。それぞれの生い立ちや功績をたどり、政略結婚の背景をひもといた。 柴さんは日本近世史と女性史が専門。家康が迎えた養女の多さに着眼し、嫁ぎ先の大名家の家譜や軍記物などを丹念に調べて結婚後の養女の記録を掘り起こした。文献に登場する女性の多くは名前が判明せず、政略結婚と子どもを産むためだけの存在として扱われていることに強い違和感があったという。 著書で浮かび上がらせたのは、しっかりした意思を持ち幕藩体制の
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「夢叶う」横断幕プレゼント ヤクルト入団の鈴木選手、母校の掛川・西山口小で後輩に決意
プロ野球ドラフト会議でヤクルトから4位指名を受けた常葉大菊川高の鈴木叶選手の激励会が23日、掛川市の母校・西山口小で開かれた。鈴木選手は「早く1軍に上がって勇気と希望を与えたい」と決意を述べ、後輩や保護者ら約120人に全力プレーを約束した。 鈴木選手が小学生の頃に在籍した西山口野球少年団が主催し、鈴木選手に激励の言葉や花束を贈った。原田全宏総監督は、鈴木選手の強みとして視野の広さと判断の早さを挙げ「スター選手を目指して頑張れ」とエールを送った。少年団OBの久保田崇市長も「早く神宮球場で矢のような送球を見たい」と期待を寄せた。 少年団の現役選手がヤクルトの応援でおなじみの傘を使った余興を披
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捉えた超新星!新天体発見「3冠」達成 新星、彗星に続き自身初 掛川のアマ天文家西村さん
数々の新天体を発見し、コメットハンターとして知られるアマチュア天文家西村栄男さん(74)=掛川市宮脇1丁目=が19日までに、おとめ座領域の銀河に超新星を発見し、国際天文学連合(IAU)に発見者として認められた。2月と4月の新星、8月の彗星(すいせい)に続く発見で、西村さんにとって超新星は初めて。「1億3千万年前の爆発から宇宙を旅してきた光。巡り合わせたいとしさがある」と発見を喜んだ。 超新星は、星が寿命の最終段階に爆発して明るさが急激に増す現象。西村さんの超新星は「SN2023zvq」で、8日午前5時2分に同市五明の茶畑で撮影に成功した。明るさは13・3等級。帰宅後に過去の画像と照合して確
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初日の出は鳥居越し 迎春準備、海岸に設置 掛川観光協大東支部
掛川観光協会大東支部は18日、掛川市の国安海岸に鳥居を設置した。遠州灘の水平線から昇る初日の出を鳥居越しに拝むことができる。設置は来年1月8日まで。 強い風が吹く中、地元宮大工の飛鳥工務店の職人らがスギの丸太を砂浜に運び込み、高さ3.5メートル、幅3.4メートルの鳥居を組み上げた。調整や固定を入念に行い、しめ縄を飾り付けて仕上げた。設置後の神事には観光関係者らが参列し、穏やかな年越しを祈った。 2000年の初日の出から続く恒例行事で25回目。同支部によると、国安海岸の鳥居は写真映えするスポットとして人気が定着し、元日には例年、2000人以上が集まる。同支部の牧野勝彦会長(72)は「大勢の
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高校生ドローン防災隊 2期生へ引継ぎ 掛川市、8人に委嘱状
掛川市は17日、市内の高校から有志を募って2022年度に発足させた「高校生ドローン防災航空隊」の2期生8人に委嘱状を授与した。新隊員はそれぞれ「訓練に励んで防災に尽くしたい」「率先して動けるよう意識を高めていく」などと決意を述べ、1期生からベストを引き継いだ。 同隊は、災害時に被災場所や広域避難所周辺の状況を小型無人機ドローンで空撮し、災害対策本部に報告するのが主な任務。2期生は市内4校から選ばれた1年生で、8月から訓練を重ねて飛行許可申請に必要な10時間の操縦訓練を修了した。 掛川工業高の松井斗優悟さん(16)は「いざという時に市民を守る側になった。覚悟を持って頑張りたい」と話した。委
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掛川城で忍者、武将がすす払い おもてなし隊、ササの枝で丁寧に
掛川市の観光ボランティア「掛川城戦国おもてなし隊」が16日、掛川城天守ですす払いをした。忍者や武将の衣装に身を包み、白壁や軒下などの汚れを落として1年の厄を払った。年末の恒例行事で、14回目。 掛川城では3月末まで、しっくい壁や高欄などを修復する大規模な工事が行われた。清掃に臨んだメンバー8人は、修復後に大河ドラマ効果で大勢の観光客を集めた市のシンボルにササの枝を当て、クモの巣やほこりを丁寧に取り除いた。 掛川城は2024年、天守復元から30周年を迎える。市は年間を通じて多彩なイベントを展開する予定。おもてなし隊のお頭を務める小沢孝司さん(76)は「天守は市民の誇り。掛川城御殿も素晴らし
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静岡人インタビュー「この人」 「松ケ岡」の保全に10年間取り組む 小沢吉造さん(掛川市)
明治天皇の行在所(あんざいしょ=宿泊所)としても使われた掛川市指定文化財「松ケ岡(旧山崎家住宅)」で清掃とPR活動を続ける住民グループ「松ケ岡を愛する会」の代表。所有者が処分の意向を示した2012年、市に屋敷を買い取るよう仲間と共に声を上げた。同市肴町で美術商を営む。66歳。 ―活動に関わった経緯は。 「市が取得する際、市民も協力すると約束した。もともと手入れが行き届いていた屋敷で、汚してはいけないという思いが強かった。よそから大がかりにボランティアを募る方法も考えたが、松ケ岡と地域を離れさせるわけにはいかない。清掃は地元住民を中心にやっていく」 ―松ケ岡の魅力は。 「屋敷構えや紅葉
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子どもに本を 7年間で寄贈2134冊 掛川・新田さん「読書好き増えて」
掛川市の図書館に児童書の寄付を続けている新田多加さん(80)=同市宮脇=の寄贈図書が、累計で2千冊を超えた。中央図書館には、絵本や伝記、自然科学など多様な本が並ぶ。新田さんは「読書に親しむには小さな頃からの習慣が必要。未来につながる本を選んでほしい」と話し、読書好きを増やすための取り組みを続ける意向を示した。 2017年から毎年50万円分の図書カードを贈る活動の成果。寄付で図書館が購入した図書は、7年間で2134冊になった。いずれも子どもの興味や時勢を意識した良書。持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標に関する書籍もそろった。 新田さんは事務職員や学校司書として掛川西と磐田南、小笠の
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マイクラ高天神城、「スイッチ」でもプレー 掛川市が対応デバイス拡大へ 若年層にPR
3次元の仮想空間で構造物を組み立てる人気ゲームソフト「マインクラフト」で戦国期の高天神城を復元した掛川市が、新たなユーザーの掘り起こしに本腰を入れ始めた。10月の公開後のダウンロードは70件超。普及は道半ばとの認識で、2024年1月から順次、対応するデバイスの拡大を図る。ソフトがプログラミング学習で注目されている側面にも着眼し、学校への出前講座などを仕掛けて若年層にアピールする。 市が常葉大造形学部の学生らの協力を得て制作した往時の高天神城は、山城の特徴を的確に捉えた力作として人気。一方で、データをダウンロードして個人で作り込みを楽しめる「シングルプレイ」はパソコンが必須になる。多くの小中
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駅通り彩る光のオブジェ 掛川 1月19日まで
電飾を施したアート作品が掛川市の駅通りを彩る「掛川ひかりのオブジェ展」(実行委主催)が2日夜、開幕した。あんどんと鋼製展示台の2種類で計85作品が展示され、師走のまちをぬくもりのある光で照らし出した。 冬の風物詩として定着した恒例行事で、24回目の開催。市内外の児童生徒や市民有志らが制作した創造性豊かな作品が並んだ。常連の東京学芸大からも複数の出品があった。 点灯式に臨んだ実行委の山本和子代表は「人と人との関わりのありがたさを実感できるイベント。ここから掛川の元気を発信する」と話した。 展示は2024年1月19日まで。午後4時から午前0時まで点灯する。期間中、交流サイト(SNS)のイン
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赤いオートバイ180台ずらり 菊川にパニガーレ愛好家集結
イタリアのオートバイメーカー・ドゥカティ社のスポーツバイク「パニガーレ」のオーナーが集う交流イベント「パニガーレMTG2023」(実行委主催)が3日、菊川市本所の菊川文化会館アエルで開かれた。全国から約180台が集結し、駐車場に同社を象徴する赤色の車体が並んだ。 同市での開催は22年に続いて2回目。愛好家が自慢のオートバイで乗り付けて交流を深めた。会場にはキッチンカーやパーツ関連企業などのブースが並んだ。市内に主力工場を構え、同社を含むメーカー各社に燃料噴射システムを供給しているミクニも初めて出展した。 実行委は、集まった台数を精査してギネス世界記録の認定を申請する。斎藤翔希代表(25)
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地域防災の日 応急救護 岳洋中生が指南 菊川、住民向け講座
「地域防災の日」の3日、菊川市の各地で自主防災組織が主体となった訓練が行われた。ふじのくにジュニア防災士の認定を目指して防災学習に取り組む岳洋中3年生が校区内の各地区の訓練に参加し、学習の成果を実践した。 住民約160人が集まった岳洋地区の訓練では、生徒6人が応急救護の講座を企画し、住民に三角巾の活用法や毛布と2本の棒を使った簡易担架の作り方を説明した。実演を交えて三角巾の折り方を伝え、圧迫止血の方法や簡単にほどける結び方なども示した。 講座を主導した幸田瑠響さん(14)は「人口が多い地区だから、一番役に立つと思えるテーマにした。災害時は中学生も力になれる。学習の知識を生かして人の命を救いた
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師走の掛川、ぬくもりの光灯る 市民制作の電飾アート作品並ぶ
電飾を施したアート作品が掛川市の駅通りを彩る「掛川ひかりのオブジェ展」(実行委主催)が2日夜、開幕した。あんどんと鋼製展示台の2種類で計85作品が展示され、師走のまちをぬくもりのある光で照らし出した。 冬の風物詩として定着した恒例行事で、24回目の開催。市内外の児童生徒や市民有志らが制作した創造性豊かな作品が並んだ。常連の東京学芸大からも複数の出品があった。点灯式に臨んだ実行委の山本和子代表は「人と人との関わりのありがたさを実感できるイベント。ここから掛川の元気を発信する」と話した。 展示は2024年1月19日まで。午後4時から午前0時まで点灯する。期間中、交流サイト(SNS)のインスタ
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ペンギン 新プール完成祝う 掛川花鳥園
掛川市南西郷の掛川花鳥園は23日、リニューアルしたペンギン飼育エリアの一般公開を開始した。側面3カ所に設置したアクリル窓から水中を泳ぐ姿を観察できるのが特徴。プールで記念セレモニーを開き、ペンギンがくす玉を割って完成を祝った。 大勢の来場者が式典を見守り、くす玉が割れると大きな拍手が湧いた。餌やりのイベントでは親子連れが長い列を作った。担当者によると、好奇心旺盛で泳ぎ続けるペンギンがいる一方、警戒して水に入るのを嫌がる個体もいるという。 飼育エリアの総面積は約140平方メートルで、水中部分は約70平方メートル。改装前と比べて3倍の広さになった。ケープペンギン27羽を飼育する。最高齢は雌の
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菊川市20周年 推しのロゴは 12月8日まで投票受け付け
菊川市は12月8日まで、2025年に迎える市制施行20周年の記念ロゴマークのデザイン投票を受け付けている。全国から集まった180点の中から選定した4点を候補にした。最多得票の1点を採用する。 市民と市内在勤・在学者が対象で、投票は1人1回。1点を選び、市ホームページの専用フォームから投票する。市役所本庁舎など市内4カ所に設置された投票箱への投函(とうかん)、市営業戦略課宛ての投票用紙郵送も可能。 問い合わせは同課<電0537(35)0924>へ。 (掛川支局・高林和徳)
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「開運」初しぼり 完成告げる杉玉交換 掛川・土井酒造場
掛川市小貫の土井酒造場は18日、新酒の初しぼりを行った。蔵人が軒先の「杉玉」を交換し、新酒の完成を知らせた。2024年4月末まで、一升瓶換算で約20万本を生産する。 「開運」の銘柄で知られる土井酒造場は創業151年目。5代目蔵元の土井弥市社長(50)は、もろみから酒かすを分離して抽出された酒の味と香りを確認し「すっきりしていて飲みやすい。味の膨らみがしっかりした酒ができた」と話した。20日から瓶詰めを開始して順次、出荷する。 日本酒の海外需要は増加傾向。土井社長によると、円安ドル高で輸出環境に追い風が吹いている半面、原発処理水問題とウクライナ侵攻を背景に、主要輸出先の中国とロシアで需要が
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掛川文学賞、高校生が選定 遠未真幸さんの作品に決定
掛川市の市民選書委員の推薦図書5冊から高校生が1作品を選定する2023年度の「高校生が選ぶ掛川文学賞」の選考会議が市中央図書館で開かれ、市内4校を代表する高校生選考委員13人は遠未真幸さん著「おかげで、死ぬのが楽しみになった」(サンマーク出版)を選んだ。主人公の成長や読書から得られる気付きを重視した。 選考は予定時間を1時間以上も超過し、5冊の読後感や主題について意見を交わした。田宮和華さん(16)=掛川東高2年=は「今を楽しむべきとのメッセージが読み取れる」と理由を説明した。林直生さん(17)=掛川工高2年=は「最初に推した本とは違うが納得感はある。ほかの委員の考えに興味があった」と話し
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記者コラム「清流」 悠久の時を感じる場所
日本で最初に築造当時の姿に復元された五色塚古墳(神戸市)を見に行ったことがある。墳丘に立って周辺の住宅街と海峡を交互に眺めた。斜面は無数の葺石(ふきいし)で覆われ、堀の芝生も鮮やかだった。 復元工事を終えた掛川市の吉岡大塚古墳を見学して、古墳の魅力を再確認した。規模は五色塚古墳の3分の1にも満たないが、たたずまいに存在感があり、周囲の茶畑との対比も美しい。連続する人の営みに思いを巡らせた。想像をかき立てる力は五色塚古墳に引けを取らないと思う。 高天神城など中世以降の歴史資源に恵まれ、関連イベントが多い掛川市。古代の古墳の復元整備完了は、文化財を活用した観光振興の新機軸になる。1500年以
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2025年度に統合 原田小と原谷小 掛川市
掛川市教育委員会は14日夜、2025年4月に原田小(同市原里)を原谷小(同市本郷)に統合すると明らかにした。原野谷中(同市寺島)を加えた小中一貫校整備に先立ち、2小学校を再編する。少子化で複式学級が発生することを見越した対応。 小中一貫校整備に向けた検討委員会の初会合で示し、地域住民代表が了承した。市教委によると、児童数は原田小が55人、原谷小は220人。24年度にスクールバスの準備やカリキュラムの調整、原谷小の校舎改修などを進める。 原野谷中学区では、28年4月の開校を目指して、小中学校が同一校舎に入る施設一体型の小中一貫校整備に向けた準備が進む。市と市教委は、原野谷中校区を皮切りに市
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職人直伝ピカピカ泥団子 掛川・こども園 根気よく磨き上げ
掛川市下土方のきとうこども園で9日、5歳児48人が光る泥団子づくりに取り組んだ。県左官業組合中遠支部の職人13人が全面的に協力し、左官の技術が詰め込まれた光沢がある泥団子に仕上げた。 土壁に使われる材料を丸めた芯をクリーム状のしっくいでコーティングし、何色もの塗料を塗り重ねた。空き瓶の口を当てて円を描くように根気よくこすり続けて、大理石のような模様とつやを備えた泥団子を完成させた。 園児は、磨き込むほどに輝きを増す泥団子に興味津々。富井達浩支部長は「左官という仕事を知ってもらいたい思いはあるが、一番は子どもの笑顔のため。喜んでもらえてうれしい」と話した。 (掛川支局・高林和徳)
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掛川とブラジル「交流再び」訴え サンパウロ州在住日系人から移民の父・平野運平の出身地の掛川市に手紙
ブラジル移民の父と称される平野運平(1886~1919年)の出身地・掛川市に、サンパウロ州カフェランジアの「平野植民地」に暮らす日系人から手紙が届いた。「平野コロニーと掛川市の間に存在した親近感を取り戻したい」。世代交代が進んで地域の移民子孫が減少する中、ルーツをたどってつながりを深めようとする切実な思いがにじんでいる。 世代交代進み、切実 差出人は、平野植民地の互助組織「平野農村文化体育協会」のシゲマツ・シゲル会長とヤマシタ・カオル・ファビオ前会長。シゲマツ会長は「長年にわたり歴史的なつながりを維持してきたが、掛川市との関係は薄れてきた」とつづり、ヤマシタ前会長は「勇敢に開拓した先人から
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掛川駅待ち時間 お絵かきで一息 モニター登場 中電 展示ブース一新
中部電力は31日、JR掛川駅構内の展示ブースを一新した。モニターに手をかざして動かすと、軌跡に雲や茶葉などの絵柄が浮かぶ時刻表示板「掛川駅お絵かきクロック」が目玉。構内で電車を待つ駅利用者に息抜きの場を提供する。 新設したモニターは縦1・1メートル、横2・6メートル。手の動きに追随する絵柄は、雲や茶葉、モミジなど5種類を用意した。モミジのデザインは季節に応じて、雪の結晶や桜の花びらなどに切り替える。中電の担当者は「多くの人が時間調整で利用している場所。待ち時間を楽しみながら過ごせる」と話す。 PR用の55インチモニターも併設し、浜岡原子力発電所(御前崎市佐倉)の安全対策や地域貢献の取り組みな
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記者コラム「清流」 住民総出の移住者支援
移住促進の成否は受け入れる地域の覚悟に懸かっていると思う。とりわけ農山村部では、受け入れに先立つ地域ぐるみの合意形成が鍵になる。名古屋市から移住した親子が暮らす掛川市倉真地区で実感した。 10月上旬の地区祭典は印象的だった。4月に転校してきたばかりの2年生児童が山車の上で太鼓のばちを握り、祭りばやしをリードした。休憩時間には、一見怖そうな祭り青年が「うまいじゃん」「よく頑張ったな」と口々に声をかけた。得意げな気持ちを抑えてはにかんだ児童の表情が忘れられない。 親子が身を包んでいた法被は、住民がこぞって提供したお古だった。少し小さいことが分かると、あっという間に各サイズがそろったという。住
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旅するチョウ 今年も掛川各地へ アサギマダラ 飛来本格化
掛川市山間部の各地で、旅をするチョウとして知られるアサギマダラの飛来が本格化している。粟ケ岳西麓にある同市初馬の西山地区では、地区出身の中山敏治さん(71)=同市上西郷=が中心になって整備を続ける広場「西山桜の郷」に群舞し、住民を楽しませている。 中山さんは2021年秋、広場の約120平方メートルにアサギマダラが好むフジバカマを植栽した。今シーズンの初確認は、昨年より1週間早い10月5日。「暑いと日陰に隠れてしまう。気温が低い午前中が狙い目で、日に日に数が増えている」と話す。 同市倉真の交流施設「こんにゃく亭」や温泉旅館「真砂館」でも優雅に舞う姿が見られる。生態に詳しい地元カメラマン佐藤
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掛川「吉岡大塚古墳」復元完了へ 国指定史跡 観光、教育に活用
掛川市は10日、国指定史跡和田岡古墳群「吉岡大塚古墳」の復元工事がほぼ完了したと発表した。11月4日に開く式典で復元埴輪(はにわ)を配置して締めくくる。2017年の着工から7年がかりの工事で、総事業費は3億2千万円。国史跡の古墳の本格整備は県内で初めてという。 和田岡古墳群は5世紀前後に築かれた市西部の古墳の総称で、4基の前方後円墳と1基の円墳がある。吉岡大塚古墳はランドマーク的な存在。全長54・6メートル、後円部の直径41・3メートルで、後円部の大きさに比べて前方部が短い帆立て貝形の墳形が特徴になっている。 整備では、南側の一部に葺石(ふきいし)などを設置して築造時の姿を再現した。北
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掛川倉真小の山村留学第1号小島君 特訓した太鼓 祭りで披露
掛川市倉真地区の祭典が6日夜、始まり、名古屋市から山村留学している倉真小2年小島渓人君(8)も地域の子どもたちと共に山車の上で太鼓のばちを握った。「正座で足が痛くなったけど楽しかった」と声を弾ませ、山あいの素朴な祭りを楽しんだ。 地区では2021年から、地元まちづくり協議会が中心になって「くらみ里山留学」と銘打った山村留学の枠組みづくりを進めてきた。小島君は第1号。今春から通学する倉真小で友達を増やして地元野球チームでの練習や川遊びを楽しみ、夏休み以降は太鼓の特訓にも励んできた。 威勢よく太鼓の音を響かせ、祭り青年から「よく頑張った」「うまかったぞ」と声をかけられた小島君。「練習をしっか
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掛川市産ホップのビール完成 事業化へ第一歩 中部電力が市長に報告
中部電力静岡支店などが掛川市で栽培したホップを使ったビールが完成した。同支店の中野進地域共生グループ長ら3人が4日、掛川市役所に久保田崇市長を訪ねてPRし、プロジェクトの内容や今後の展望などを報告した。 同社は地域貢献活動の一環で、2022年春から市内の休耕農地を活用したホップ栽培を主導している。初めて醸造した今回のビールは、フルーティーで後味に新鮮な苦みがあるセゾンスタイル。330ミリリットル瓶200本分を醸造した。 中野グループ長は、収穫したホップの実などを久保田市長に示し「従事者が増えて産業として成り立つのがベスト。耕作放棄地解消にもつながる」と説明した。数量を増やして事業化を目指
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掛川・大坂地区「山車人形」一新 地元職人が自作 10月6日から祭典、お披露目
掛川市大坂地区の山車を彩る人形「大森彦七と千早姫」が一新された。大工や板金工ら手に職を持つ地元有志が、外注で300万円以上という製作費の試算を受けて奮起し、それぞれの技術を持ち寄って自作した。6~8日の地区の祭典でお披露目する。 人形を支える台「鍋蓋(なべぶた)」も既存の装飾彫刻を生かして修繕した。地区によると、鍋蓋の彫刻は100年以上、人形は60年以上の歴史があるとされ、住民の愛着が深い。一方で、深刻な老朽化で部品などが落下する危険性が高まっていた。 新調に携わった職人有志は主に30~40代の約20人。2年がかりで設計や製作に当たった。歌舞伎などの題材になっている大森彦七と千早姫の物語
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静岡人インタビュー「この人」 菊川市危機管理課専門監に就任した自衛隊OB 藤本啓一さん(菊川市)
静岡県危機対策課危機調整官を退任後、菊川市が防災体制強化に向けて新設したポストを任された。単身赴任中で、菊川市へは17回目の引っ越し。防衛大卒。宮城県利府町出身。60歳。 -菊川市の災害特性は。 「主に警戒が必要なのは地震と風水害。南海トラフ地震の被害想定では市内のほとんどが震度7の揺れに見舞われる。1級河川の菊川や牛淵川などへの備えも、赴任前から強く意識している。現行のマニュアルをしっかり検証したい」 -役割をどう捉えているか。 「災害対応を指揮する市長を補佐していく。県職員として対応に当たった昨秋の台風15号を振り返ると、静岡市で山間部の被害が相次ぎ、手の打ちようがなかった。情報
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「楽しんで目標かなえて」 陸上五輪出場、高瀬さん 掛川・佐束小で講話
陸上男子短距離で五輪2大会に連続出場した高瀬慧さん(34)=静岡市出身=がこのほど、掛川市の佐束小で講話した。全校児童143人を前に「継続することが大切。目標をかなえるイメージを持ち続けてほしい」と呼びかけた。 継続のポイントに「楽しむ」「目標を明確に」「出会いを大切に」の3点を挙げた。陸上を始めた小学生の時に五輪出場の夢を持ったと明かし「大きな夢に向かって小さな目標をたくさんつくることが大事。自分の成長が楽しめる」とアドバイスした。 5、6年生52人を対象に実技指導も行った。指導を受けた菅大騎君(11)は「小学生の頃は足があまり速くなかったという話が意外だった。自分も努力を重ねてプロ野
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掛川城 青色にライトアップ 手話言語の国際デーPR
手話言語の国際デー(9月23日)に合わせて、掛川市は22日夜、イメージカラーの青色で掛川城天守を照らすライトアップを開始した。28日まで、日没後から午後10時にかけて実施する。 市はライトアップを通して、手話言語を尊重して共生社会を推進する姿勢をアピールする。2017年に施行された市手話言語条例への再注目を促す狙いもある。 点灯式で久保田崇市長は、動画投稿サイトで市の魅力を発信する「かけがわ手話動画」の配信を10月にスタートする方針を手話で表明した。ろうあ者支援団体などで構成する手話言語条例推進委の松本久夫さんは「手話は言語だという理解を広めたい」と強調した。
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子ども主役「ちいねり」 伝統胸に山車威勢よく 掛川・横須賀
掛川市横須賀地区の伝統行事「ちいねり」が23日、同地区の三熊野神社周辺で始まった。中学生以下の子どもが主役の地区祭礼。24日まで、各町内で祢里(ねり)と呼ばれる山車を引き回し、おはやしを響かせる。 ちいねりは明治初期から続くとされる。山車の飾り付けなどの準備や笛太鼓の練習を含めて、祭典運営を地元の子どもが主体的に担うのが特徴。法被姿の子どもたちはくじで決まった巡行順に従い、威勢よく地区を練り歩いた。大人は補助役に徹して、懸命に山車を引く子どもたちを見守った。 各町の幹事会を統括する幹事長に就いた大須賀中3年の日置叶夢さん(14)は「先輩の思いと町の伝統を守っていく。安全に楽しく運営したい
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元AKB板野さん 掛川市長を訪問 化粧品をふるさと納税返礼品に「多くの人を笑顔に」
元AKB48の人気メンバーでタレントの板野友美さん(32)がプロデュースする化粧品が10月中旬、掛川市のふるさと納税の返礼品に加わる。関連化粧品の製造会社が市内に立地しているのが縁。板野さんは15日、市役所に久保田崇市長を訪ねて「化粧品をつくるには水が非常に大事。掛川の豊かな自然が工場選びの決め手になった」と話し、自身の化粧品ブランドをPRした。 板野さんが提供する返礼品は美容クリームやローションなど9品で、寄付金額は1万9千~13万7千円。ふるさとチョイスと楽天ふるさと納税の各サイトで受け付ける。板野さんは「肌がきれいだとモチベーションが上がり、幸せな気持ちになれる。多くの人に笑顔になっ
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キャタラー(掛川市)石田雅資社長 脱炭素に触媒技術活用【キーパーソン】
11年ぶりの社長交代で6月、トップに就いた。主力の自動車用排出ガス浄化触媒は新興国中心に伸びしろがあるとみて、技術の磨き上げを進める。電気自動車(EV)化が急速に進む環境変化を視野に、強みの触媒技術を応用できる新事業の模索にも余念がない。 ―自動車関連で現状をどう認識しているか。 「電動化の流れはあるが、短期的に見れば内燃機関の利用は続くだろう。欧米を中心に排出ガス規制は年々、厳しくなっていて、規制値をクリアできる研究開発は必須だ。原料価格が高騰する中、触媒に使う貴金属の使用量を抑えながら性能を満たすための研究にも力を入れていく。新興国では排出ガス触媒の市場自体がまだ伸びる。とりわけイン
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掛川城天守 眺望確保狙い 樹木の一部伐採へ 市議会市長答弁
掛川市は2023年度内に、掛川城周辺の樹木の一部を伐採する。24年の天守復元30周年を前に、城下からの眺望を確保する狙いがある。久保田崇市長が11日の市議会9月定例会一般質問で「掛川城の景観が維持できるよう計画、実施していく」と明らかにした。鈴木久裕氏(共に創る掛川)への答弁。 市維持管理課によると、眺望を妨げている掛川城南側の樹木を対象に、11月までに剪定(せんてい)と伐採に着手する。危険木も除去する。ほかの区域についても24年度に順次、作業を進める考えで、関連経費を24年度当初予算に盛り込む方向で準備する。 掛川城周辺の樹木管理は天守復元以来、枝払いや下草刈りにとどまり、大規模な伐採
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停電の建物で救護所開設 菊川市が初の夜間訓練、職員30人参加
菊川市は8日夜、夜間の大規模地震発生を想定した救護所開設訓練を同市半済の市総合保健福祉センタープラザけやきで実施した。夜間の訓練は初めて。福祉・子育て関連部局の職員約30人が参加し、ヘッドライトの明かりを頼りに対応に当たった。 震度7の地震が発生し、一帯が停電に見舞われたとの想定。自家発電と太陽光発電による電力供給がない部屋や廊下は、電気を消して臨んだ。参集した職員はグループに分かれて、外壁のひび割れやガス漏れの有無、通信環境などを確認した。薄暗いフロアで「誘導」や「処置・待機」、治療の優先順位を決める「トリアージ」など各ブースに必要な物品を点検し、一連の流れを確かめた。 転倒した家具に
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掛川市長 「密室にならない環境を」 医師逮捕で再発防止求める
中東遠総合医療センターの医師(43)が強制わいせつ罪で起訴されたことを受けて、掛川市の久保田崇市長は7日の定例記者会見で「医師と患者が診察室内で二人きりにならない環境づくりが必要」と述べ、再発防止策の実施を病院に強く求めていく考えを示した。 久保田市長は「事実関係を確認できていない」と前置きした上で「遅い時間帯にわいせつな行為があり、動画が撮影されていたとの情報がある。看護師が立ち会うなど密室にならないための物理的な防止措置は、互いの誤解を防ぐ意味でも必要だ」と述べた。捜査に全面協力する姿勢を示し、「市民の信頼を損ねたことを深くおわびしたい」と改めて陳謝した。 医師は10代女性に診察行為を装
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車いすでごみ拾い競技 佐野さん(掛川東高2)が企画「まちの課題、楽しみながら気付いて」
掛川市の中心市街地で26日、車いすに乗ってごみを拾い、収集した量などを点数化して競うイベント「車いすスポGOMI」が行われた。企画したのは掛川東高2年佐野夢果さん(16)。難病で小学1年生の頃から車いすを利用する佐野さんは「不安で勇気が要る取り組みだったが、大勢の人が支えてくれた」と成功を喜んだ。 市民約70人が参加した。チームは4人一組で、車いすの1人が3人のサポートを受けながら制限時間内に指定エリアでごみを拾った。順位付けには、発見したバリアフリー箇所や障壁が目立つ場所の数も加味した。環境美化に加え、車いす利用者の目線でまち巡りを体験することでさまざまな気付きを得てもらう狙いを込めた。
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記者コラム「清流」 緑茶に感じるだしの味
菊川市の小学生の茶工場見学に同行した。試飲の時、児童の1人がつぶやいたひと言にはっとした。「だしみたいな味がする」。良質な茶を急須で丁寧に入れると、しっかりしたうまみを引き出せる。だしの滋味に例えた児童の発想力と繊細な舌に感服した。 以前、うま味調味料や発色剤を添加した茶について取材したことがある。県外で、うまみ成分のグルタミン酸ナトリウムが添加された安価な茶を買い求めた。顆粒(かりゅう)のコンソメスープのような味が舌に残り、強い衝撃を受けた。異質な喫茶体験だった。 県内では、緑茶への添加物使用は原則禁止されている。天然自然の茶からだしの味を感じ取れる子どもたちは茶どころの誇りだ。同時に
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18歳以下に買い物券 掛川市9月補正予算案 防潮堤整備 前倒しも
掛川市は22日、2023年度一般会計に2億8600万円を追加する9月補正予算案を発表した。18歳以下の子供を対象にした買い物券配布事業に1億1500万円を計上するほか、沿岸部に防潮堤を整備する海岸防災林整備推進事業に1億3400万円を加える。 買い物券配布事業は、子育て世帯や市内事業者の支援を狙い、18歳以下の約2万人に対して1人当たり5千円分を配る内容。掛川商工会議所と掛川みなみ商工会の会員店舗約540店で利用できる。財源には物価高騰対策を目的にした国の交付金を充てる。11月下旬の配布を予定している。 防潮堤事業費の増額は、菊川市から県道バイパス工事で発生した土砂6万立方メートルの提供につ
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海抜0⇄標高3776メートル 富士山頂往復マラニック支え20年 呼びかけ人の萩田さん(掛川)
掛川市各和の市民ランナー萩田博さん(75)の呼びかけで2003年に始まった富士山頂往復マラニックが、20回目の節目を迎えた。海抜0メートルの田子の浦港(富士市)から標高3776メートルの頂上を24時間以内に往復する大会。仲間15人で始まったイベントは600人以上が申し込むほどの規模になり「ゼロ富士」との愛称が定着した。萩田さんは「大会が育ち、全国にファンが増えた。頑張って続けていく」と感慨を深めている。 マラニックはマラソンとピクニックを組み合わせたスポーツ。ゼロ富士は新型コロナウイルス禍で登山ルートが全面閉鎖された20年を除き、毎年夏に開催してきた。23年大会は7月28、29の両日に開
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菊川市長支える 秘書体験 検定3級合格の堀之内小児童2人
菊川市の堀之内小5年生2人が21日、長谷川寛彦市長の一日秘書を務めた。市役所でスケジュールの管理と調整、来客対応などをこなし、裏方として市長を支える秘書業務を学んだ。 2人はいずれも秘書検定3級の資格を持つ沢崎那月乃さん(11)と戸塚千暖さん(10)。熱心にメモを取ってスケジュール管理に努め、担当課長が体調不良で来客対応に同席できなくなったハプニングにも対応した。長谷川市長に、同席者が課長から別の職員に変更になったとの内容を伝え、関連質問にも答えた。 舞台「徳川家康公と朝鮮通信使」の公演PRのために来庁した劇団静岡県史の関係者の表敬訪問では、事前に応接室のいすの数や空調の具合などを確認したほ
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ずぶぬれ 気持ちいい! 菊川で水鉄砲合戦 児童ら白熱
菊川市西方の菊川運動公園芝生広場で20日、夏休み恒例の水鉄砲合戦が行われ、未就園児から小学5年生までの子どもたち約120人が水遊びを満喫した。全身ずぶぬれになってコート内を駆け回り、大きな歓声を響かせた。 7人でチームを組み、ドッジボールの要領で相手のヘルメットに取り付けられた金魚すくい用のポイを狙う遊び。子どもたちは竹筒の水鉄砲を手に相手陣地に接近し、勢いよく水を発射した。保護者は給水した水鉄砲を用意してテンポよく子どもたちに手渡し、白熱の合戦をサポートした。 同市青少年健全育成市民会議六郷支部「おやじ倶楽部」の主催で、今回で18回目。伊藤彰彦部長(70)は「友達や家族と目いっぱい遊んだ経
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ロビーを改装、ステージ新設 掛川・二の丸美術館で記念コンサート
掛川市二の丸美術館(同市掛川)で19日夜、ロビーの改修完了を記念したコンサート「オープニングナイト」が開かれた。市民約40人が足を運び、趣を変えた夜の美術館でピアノの音色を堪能した。 新設のステージで、静岡県西部を中心に活動する磐田市出身のピアニスト袴田麻純さんがショパンの名曲などを演奏した。菊川市のご当地タレント赤堀愁さん(23)も落語を披露し、会場を盛り上げた。 同美術館は1998年開館。市は利用者の固定化や年齢層の偏りが目立ってきたことを踏まえて5月に改装に着手し、ミニシアターや交流スペースなどを配置した。コンサートやワークショップの会場として活用する。市民活動拠点の機能を加えるこ
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3個目の新彗星発見 掛川のアマチュア天文家 西村さん「感動で眠れない」
掛川市宮脇1丁目のアマチュア天文家西村栄男さん(74)が19日までに、新しい彗星(すいせい)を発見し、国際天文学連合(IAU)に報告した。発見は13日未明で、2021年7月以来通算3個目。6月に96歳の父が他界し、初盆を迎えた西村さんは「協力的だった天国の両親が手土産を持ってお盆に帰ってきてくれた」と感慨深く語った。 新彗星は、発見者の名前から「C/2023P1(西村彗星)」と命名された。西村さんの名を冠した彗星は、1994年に3人が同時に見つけた「C/1994N1(中村・西村・マックホルツ彗星)」、初の単独観測になる「C/2021O1(西村彗星)」に次いで2年ぶり。 西村さんによると、
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戦国期の高天神城、マイクラで再現 徳川・武田の攻防体験も 掛川市と常葉大、9月公開
戦国期に徳川氏と武田氏が激しい攻防を繰り広げた掛川市の高天神城を人気ゲーム「マインクラフト」で復元する試みが進んでいる。常葉大造形学部有志が市の依頼に応じて、「高天神を制する者は遠江を制する」とうたわれた難攻不落の堅城を仮想空間で再現する。9月に公開して歴史ファンの掘り起こしを狙う。 マインクラフトは、さまざまな素材のブロックを使って構造物を組み立てるゲームソフト。完成すれば、ユーザーが往時の城郭に手を加えて要塞(ようさい)化を進めたり、徳川方と武田方に分かれて攻城・籠城戦を楽しんだりできる。 制作には、現実空間をレーザー照射などで測量して位置情報を集めた県の3次元点群データを活用する
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「世界平和に」誓う 静岡県西部各地 戦没者に献花、追悼 台風で行事は中止【戦後78年 しずおか】
台風7号の影響で、県西部の各市は15日、終戦の日に合わせた戦没者追悼行事の開催を中止した。一部の市は市役所内に献花台を設置し、市民が手を合わせて戦争の悲惨さと平和の尊さをかみしめた。 掛川市は、中止になった追悼式の祭壇を会場から市役所1階に移設した。来庁者が献花できるよう、式典で使う予定だった白菊を祭壇脇に添えた。献花台設置は17日まで。小中学生による「平和を考える自由研究」の作文朗読は見送り、市ホームページへの全文掲載を検討している。袋井市も同様に、市役所内に献花台を設置した。 菊川市は18日まで、市役所ロビーに戦没者名簿を掲示する。同市の戦没者は菊川地区832人、小笠地区488人。「
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掛川の黒船団V 遠州灘砂の祭典ビーチバレー大会
掛川遠州灘砂の祭典ビーチバレー大会(掛川みなみ商工会主催)がこのほど、掛川市の大東ビーチスポーツ公園で開かれ、黒船団(掛川市)が優勝した。準優勝はゴールドバーグA(浜松市西区)だった。 県内の24チームが参加した。大会は1990年に始まり、新型コロナウイルス禍に伴う中止を経て4年ぶりの開催になった。
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茶況(8月3日)児童を茶業現場へ 教育ツアーを企画 菊川市、24年度本格運用
菊川市が茶業の現場に小学生を派遣する教育ツアーを練っている。担い手不足やリーフ茶離れなどの課題を直視し、地域の茶業振興に向けた方策を考えてもらう狙いがある。 本格導入に先立って1日に試行的に実施したツアーには地元小学生9人が参加した。製茶の歴史を伝える菊川赤レンガ倉庫を訪ねたほか、荒茶製造販売「美緑園」の工場見学にも臨んだ。蒸した茶葉の水分量を減らす工程の各段階で手に取り、鼻を近づけたり感触を確かめたりして荒茶製造の流れを学んだ。急須を使った茶の入れ方も教わった。 21日には千框(せんがまち)棚田で和紅茶づくりなどに取り組む。市茶業振興課によると、茶業者と児童が対話して課題解決を考える教
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こども記者 農業の現状取材 菊川の小学生7人 JA広報誌執筆へ
菊川市の小笠南、小笠北の両小学校の5年生7人が2日、JA遠州夢咲の広報を担う「こども記者」として活動を始めた。4日までの3日間、管内の農業の現場を取材して回り、地元農産物に理解を深めた上で記事をまとめる。 同市下平川の同JA本店で名刺と腕章、カメラを託されたこども記者は、職員から取材の手ほどきを受けた後、河原崎友二組合長へのインタビューに臨んだ。仕事のやりがいを尋ねて「職員を褒められることが一番うれしい」との回答を引き出した小笠北小の藤野敬人君(11)は「授業での発表はしっかりできるのに、人前で質問するのは難しい。農園を取材に行くのが楽しみ」と話した。 最終日まで温室メロンやイチジクなど
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土用の丑に「ほうろく灸」 頭痛、夏ばて防止を祈願 掛川・満勝寺
土用の丑(うし)の30日、掛川市中の満勝寺で恒例の祈とう行事「ほうろく灸(きゅう)」が営まれた。檀家(だんか)らが素焼きの皿を頭に載せ、灸を据えて頭痛封じと夏ばて防止を祈願した。 住職の読経が響く中、寺の護持会の会員が参拝者の頭上のもぐさに点火した。参拝者はもぐさが白い煙を上げて燃える約10分間、両手で皿を支えて熱さに耐えた。祈とうが済むと深く頭を下げて合掌し、晴れやかな表情を浮かべた。 護持会によると、ほうろく灸を営む寺は珍しく、市外からも大勢の信者が訪れる。永坂正範会長は「行事を大切に守っていく。気軽に足を運べる開かれた寺にしていきたい」と話した。
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掛川にバリ取り研究施設 スギノマシン 事業所内に開所
産業機械製造のスギノマシン(本社・富山県滑川市)は20日、バリ取りに特化した研究施設「デバラボ」を掛川市長谷の掛川事業所内に開所した。技術者やテスト設備を集約し、技術の磨き上げや商品開発を行う。産学連携拠点への発展も視野に入れる。 バリ取りは部品の加工時に発生する出っ張りを除去する工程。高速水噴流やロボットによるバリ取り、工作機械を使ったバリ制御加工など主な研究テーマに据えた。施設には関連設備のほか、課題解決に向けて顧客と打ち合わせする情報交換エリアも設けた。 同社によると、バリ取りは人手不足や危険作業回避の観点から自動化のニーズが高い一方で、バリの形状や発生場所が均一ではないため手作業
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高校生が考える掛川の課題は? 市議会出前講座 議員と意見交換
掛川市の掛川東高でこのほど、同市議会の出前講座が開かれた。選択科目の政治経済を履修する3年生26人が議会の役割や仕組みを学んだほか、市政の課題について市議8人と意見を交わした。 グループに分かれて、市街地の振興策や市内中学校の制服共通化、若者の市外流出などをテーマに話し合った。駅周辺の活性化に関心が高く、生徒からは「喫茶店やファミリーレストラン、自習室など若者が気軽に集まれる場所がない」と切実な声が上がった。 市議会による出前講座は初めての試み。山本裕三議長は「思っていた以上に生徒はまちづくりについて深く考えている。気付きが多く貴重な機会になった」と話した。 (掛川支局・高林和徳)
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葉の上ゆら~り満喫 掛川花鳥園でオオオニバス乗り 恒例イベント開始
掛川市南西郷の掛川花鳥園で15日、世界最大級の水生植物の葉に乗る恒例イベント「オオオニバスに乗ってみよう」が始まった。8月下旬までの土日と祝日、お盆期間の8月14~16日の限定開催。 オオオニバスは南米アマゾン川流域に生育するスイレンの仲間。大きな円形の葉の縁が反り返り、乗っても水が入ってこない形状になっている。会場の「インコのスイレンプール」に浮かぶ葉は直径約1・6メートル。大勢の子どもたちが葉に乗って浮遊感を楽しみ、カメラを構えた保護者に向かってポーズを決めた。 3歳以上で体重25キロまでの子どもが対象。体験料500円。園内「花の大温室」では8月31日まで、食虫植物を集めた展示会「い
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掛川駅の混雑注意 15~17日野外音楽イベント「ap bank fes」 観光協会が呼びかけ
掛川市のつま恋リゾート彩の郷で5年ぶりに開かれる野外音楽イベントap bank fes(15~17日)を控えて、掛川観光協会が掛川駅や周辺道路の混雑が予想されるとして早めの行動を呼びかけている。JR掛川駅は各日午後6時以降に入場規制を行う場合があるとしている。 同協会によると、前回2018年の開催時は近隣のエコパアリーナ(袋井市)での大型ライブと重なったため駅構内が大混雑し、シャトルバスやタクシー乗り場、トイレに長蛇の列ができるなどの影響があった。JR東海は駅での対応者を増員するほか、混雑時間帯に新幹線利用者は南口、在来線利用者は北口からの入場に限るなど対策を講じる。 イベントには1日当
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脱炭素へ施策報告 中部先進5市サミット 掛川
掛川と岐阜県多治見、愛知県安城、新城、長野県飯田の中部地方5市が集う「中部環境先進5市サミット」がこのほど、掛川市亀の甲の美感ホールで開かれた。5市の首長らが一堂に会し、脱炭素に向けた各市の環境施策を報告した。 環境NGOなどのネットワークが2001~10年に実施した「日本の環境首都コンテスト」で上位に入った5市が情報交換と交流を目的に始めた催しで、今回で12回目。掛川市の久保田崇市長は使用済み紙おむつのリサイクルに向けた取り組みを紹介し「早く軌道に乗せられるよう頑張っていく」と述べた。 飯田市の佐藤健市長は、電力需給が逼迫(ひっぱく)する時間帯に地域ぐるみで電力消費を抑える「地域版デマンド
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浜岡原発「再稼働容認」 近隣全3市で優勢 電気料値上がり影響か
掛川と菊川、牧之原の3市が実施した2023年度市民意識調査の結果が10日、出そろった。中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働の是非について、全3市で「安全が確認できれば稼働したほうがよい」とする回答が「廃炉・停止」を上回った。牧之原市で稼働容認の回答が伸長したほか、掛川と菊川の2市は調査開始以来、初めて容認派が優勢になった。各市とも、電気料金の値上がりに伴う家計圧迫が影響したとみている。 牧之原、菊川の両市に続いて、掛川市が同日発表した調査結果は、稼働を容認する回答が前年度比8・4ポイント上昇の41・3%と大幅に伸びた。廃炉・停止は3・5ポイント下降の32・6%。前年度は牧之原市で稼働
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中高生が協力して避難所訓練 横須賀高・大須賀中 設営や情報伝達
掛川市の横須賀高と大須賀中はこのほど、大規模地震を想定した合同の避難所運営訓練を横須賀高で行った。中学3年生約100人と高校1~3年生約140人が、組み立て式ベッドやトイレの設営、応急救護の研修などに励んだ。 近隣2校が連携して取り組む恒例行事。生徒は協力して体育館にテントなどを設営した。プライバシーを守るための間仕切りも設置し、手順や避難所のレイアウトを確認した。住民が避難してくる状況をイメージして、情報伝達や避難誘導の流れも学んだ。 間仕切りの設置に取り組んだ横須賀高2年中野隆一さん(17)は「運動部員として力仕事で貢献できる。初対面の中学生もいて、定期的な訓練でコミュニケーションを
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静岡人インタビュー「この人」 剣道最高段位の八段に合格した 杉森義昭さん(掛川市)
京都市で5月に行われた審査会に臨み、合格率1%未満の難関を突破した。2日間で全国の剣士1665人が挑戦し、合格者は14人。県内では2016年以来7年ぶり14人目の八段保持者になった。23年4月から県剣道連盟副会長を務める。68歳。 ―合格した感想は。 「八段は目標であり、夢だった。47歳から審査を受け続け、初めて1次審査を通過したのが58歳の時。ずっと相手の動きと対応のパターンを考えて実技に臨んできたが、今回は頭の中を巡らなかった。無心ですがすがしい気持ちだけがあった。どう動いたかも覚えていない」 ―競技を始めたきっかけは。 「友人の誘いで中学校の剣道部に入ったのが始まり。当時は強豪
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立て直しへ営業力強化 中期経営計画前倒し策定 千葉靖史/島田掛川信用金庫理事長【聞きたい】
6月16日付でトップに就き、新たな3カ年の中期経営計画をスタートさせた。合併に合わせた前計画(計画期間2019~23年度)を1年前倒しで更新した背景には、スピード感を増す社会情勢の変化への対応に加えて、最終赤字を計上した23年3月期決算を踏まえた立て直しがある。原点回帰を意識して営業力や人材投資を強化する。 ―有価証券の損切りで最終赤字を計上した。どのような判断があったか。 「欧米を中心に各国の政策金利が急激に上がって外国証券や投資信託が大きな影響を受けた。利上げが続く状況下で、含み損を抱え続けるのは経営的に問題。整理すべきと考えた。比較的預貸率が低い地域柄で、貸出金利息と有価証券の運用
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明治植栽「学びの大樹」折れる 掛川・西山口小 地域のシンボル、関係者ら衝撃
掛川市など静岡県西部を襲った4日夕の激しい風雨で、同市成滝の西山口小の校庭にあるセンダンの木の枝が折れた。植栽から120年以上、新入生を迎えて卒業生を送り出してきた地域のシンボル。「学びの大樹」として親しまれてきた老木の損傷に、関係者の衝撃は大きい。 同校によると、職員が4日夕の風雨の際、職員室の窓から枝が折れているのを見つけた。雨が収まるのを待って見に行くと、高い枝が添え木ごと折れていたという。5日朝には児童が教室の窓から心配そうに見守る姿が見られ、教頭が「大切なセンダンの木が折れた。心配ですが見守っていきましょう」とする校内放送を流した。 同校の鈴木恭子校長(59)は「根元から倒れた
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掛川城天守閣が黄色に 社会を明るくする運動PR 7日まで
社会を明るくする運動の強化月間(7月)に合わせて、掛川市掛川の掛川城天守閣で1日夜、更生保護のシンボルカラーの黄色で照らすライトアップが始まった。7日まで、日没から午後9時半まで点灯する。 地域ぐるみで青少年の非行・被害防止に取り組む姿勢をアピールすることを目的に、運動の地区推進委が初めて実施した。3日には広報車で市内を巡るPR活動やJR掛川駅などで啓発品を配る街頭キャンペーンを展開する。 ライトアップの点灯式で、地区保護司会の大石克己会長は「更生保護への理解と活動が大きな輪になり、広がり続けていくよう努力する」と述べた。
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記者コラム「清流」 光る地元のものづくり
ものづくりの現場は胸がときめく。ずっと気になっていたヤマハ掛川工場を見学する機会を得た。ピアノはハンマーで弦をたたくと音が出る。分かっていてもうまくイメージできていなかったが、実物でからくりを学んでふに落ちた。 掛川工場は同社の国内唯一のピアノ製造拠点だ。自動化が進んでいても、要所は全て手作業。音楽的素養があり耳が肥えた人しかなし得ない仕事に思えたが、聞けば地元採用が大半という。打弦機構の取り付けや鍵盤の高さ・深さの調節などは繊細で、従事している人は皆、高度な技術者であり職人に映った。 今はピアノの音を聴くと、打弦の動きを想像できる。子どもの頃に知っていれば、もっと楽器に親しんでいたかも
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「来季は39勝、PO進出」 バスケB1三遠が躍進誓う 掛川、菊川両市役所
バスケットボール男子Bリーグ1部の三遠ネオフェニックスの牛尾信介社長らが27日、掛川と菊川の両市役所を訪れ、2022~23年シーズンの結果を報告した。チーム成績は23勝37敗で全24チーム中16位。牛尾社長は「来季は39勝を目指す」と目標を示してプレーオフ進出を誓った。 掛川市役所では、ホーム戦の通算入場者数は10万人を超え、2月11日の琉球戦では5千人以上が観戦した実績を久保田崇市長に報告した。山内盛久選手は「成績は上がっているが選手は結果に満足していない。もっと多くの人に会場に足を運んでもらい、笑顔にできるよう頑張りたい」と力を込めた。牛尾社長らは菊川市役所も訪ねた。チームは両市で学校
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よみがえる高天神城 掛川市のアプリ人気 特設ホームページ、CGで再現
掛川市が戦国期の山城「高天神城」をPRするために制作したデジタルコンテンツの人気が高まっている。3月下旬のリリースから約2カ月半で、特設ウェブサイトの閲覧数は2万3千回、アプリのダウンロード数は1400回を超えた。大河ドラマ「どうする家康」では7月にも高天神城が登場する見込みで、市は追い風に期待を込める。 「今、よみがえる高天神城」と銘打った特設ウェブサイトでは、コンピューターグラフィックス(CG)で往時の城郭の様子を再現している。木が生い茂る現在の状態と対比できるように工夫を凝らし、地形を利用した要害の特徴の説明も加えた。アプリは拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の技術を利用して、現地で
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スノーボード三木選手「次の五輪は金」 地元掛川で活動報告会
スノーボード世界選手権女子パラレル大回転で優勝し、全日本スキー連盟の2022~23年シーズン最優秀選手賞を獲得した三木つばき選手(キャタラー)が10日夜、地元・掛川市の22世紀の丘公園たまりーなで活動報告会を開いた。練習環境の再構築など強化が必要なポイントを挙げ「26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪での金メダルにリーチをかけていく」と誓った。 世界選手権アルペン種目での優勝は、男女を通じて日本勢初の快挙。6月1日に20歳の誕生日を迎えた三木選手は「どういう目的を持ち、どう行動するかを常に考えたシーズンだった」と振り返り、写真や動画で戦歴を紹介した。関心がある環境問題については「雪上にい
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巨大家康公、水田に登場 菊川で田んぼアート 8月までやぐら観賞
水田をキャンバスに色が異なる稲で巨大絵を描き出す「田んぼアート」の公開が10日、菊川市下内田の水田で始まった。今年のモチーフは「徳川家康公」。家康が好んだとされる縁起物の「一富士、二鷹、三茄子(なすび)」も配した。高さ約7メートルのやぐらから観賞できる。 実行委員会と市観光協会が2008年から実施している恒例行事。市民らが5月14日、約1600平方メートルの水田に赤や黒などの稲穂が育つ8種類の古代米の苗を植え、成長を見守ってきた。やぐら観賞は8月15日までの土・日曜と祝日で、いずれも午前9時~午後4時。 期間中、稲の成長に合わせて趣を変える特大の肖像画が楽しめる。稲に水面が隠れて見頃を迎
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時の大切さ思い打ち鳴らす 掛川城御殿で「報刻の大太鼓」
時の記念日(6月10日)に合わせて、掛川市観光協会掛川支部は10日、同市掛川の掛川城御殿で「報刻の大太鼓」の打ち鳴らし式を行った。1957年から続く恒例行事。約60人が参加し、正午に合わせて大きな音を響かせた。 観光関係者や地元園児らがばちを手に、力いっぱい太鼓を打った。忍者や武将に扮(ふん)した観光ボランティア「掛川城戦国おもてなし隊」がサポートした。打ち鳴らしに先立ち、同支部の平野正俊会長が「時の大切さを再認識して、過去と今、未来を考える日にしたい」とあいさつした。 報刻の大太鼓は直径90センチ、長さ100センチ、胴回り333センチ。江戸時代後期の1855(安政2)年に掛川藩主の太田
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J1名古屋・森下選手からエール「大きな力に」 掛川JFC 東海大会へ
掛川市のサッカークラブ「掛川JFC」が、14年ぶりに日本クラブユースサッカー選手権U―15(15歳以下)東海大会への出場を決めた。掛川JFCは、今年日本代表に初めて選出されたJ1名古屋グランパスのDF森下龍矢選手(26)=同市出身=が小学生時代に所属したチーム。プロ入り後もクラブを訪れて一緒に練習する機会があり、イレブンは「森下先輩から大きな力をもらっている」と感謝する。 東海大会に出場する静岡県勢は、県大会の上位8チームとジュビロ磐田U―15、清水エスパルスJYの計10チーム。掛川JFCは県大会8位になり、念願の東海大会出場権を手にした。初出場した2009年5月以来2度目の挑戦になる。
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40歳から補聴器購入に補助 現役世代から認知症を予防 掛川市
掛川市が補聴器購入費の一部を補助する助成制度を新設した。早期の気付きと対応が聴力の低下防止や外出促進につながる効果に期待して、高齢者だけでなく40歳以上を対象に加えたのが特徴。焼津市や藤枝市などが65歳以上に向けて同様の取り組みを実施しているが、対象が40歳以上の制度は県内で初めてになる。 市長寿推進課によると、現役世代にも難聴予防を促して生活の質の維持や社会参加につなげるのが狙い。聞こえの確保と認知症予防は関係性があるとされ、聴力が落ちると認知機能が低下して言葉を忘れたり、会話が減って家庭や社会で孤立化したりするリスクがあるという。 当初は高齢者に絞った補助を想定していたが、耳鼻咽喉科
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高校生ドローン隊に被災エリア空撮任務 掛川で土砂災害対応訓練
掛川市は4日、水防訓練と土砂災害避難訓練を市内各地で実施した。梅雨前線と台風2号による記録的な大雨の爪痕が残る中、大勢の市民が参加して避難経路の確認などに取り組んだ。 同市倉真地区を重点地区として行った土砂災害避難訓練では、市民が講習会やワークショップを通して災害発生時の対応を学んだ。被災エリアの空撮が任務の「高校生ドローン防災航空隊」による訓練飛行も行った。隊員の掛川工高3年角皆海斗さん(17)は「いつ招集があっても出動できるよう準備している。隊員になって防災意識が高まった」と話した。 市によると、判明している市内の被害は道路や田畑を中心に崩土34件、冠水10件など。久保田崇市長は、被
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映える食品ロス削減弁当 学校祭で販売へ 山本さん(掛川東高3)開発
掛川東高3年の山本珠月[みつき]さん(17)が、食べられるのに廃棄される「食品ロス」の削減に着眼した弁当を開発した。総合探求の授業で食材や栄養に関する学びを深め、女子高校生を主なターゲットに設定して交流サイト(SNS)で映える弁当に仕上げた。6月9、10日の学校祭で販売する。 地元の居酒屋「喜縁旬菜ZIKAN」(掛川市塩町)が協力した。弁当は、キャベツを練り込んだハンバーグや、ピーマンとトマトのキッシュなど。野菜はへたや芯、種まで丸ごと使った。2022年12月から店に通い、オーナーの落合達也さん(32)の助言を受けながらイメージを練り上げ、試作を繰り返してきた。 将来は食品開発の仕事に携
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選手との交流 返礼品にいかが ブルーレヴズ社長 掛川市長に提案 子ども招待の財源に
ラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズの山谷拓志社長と伊東力選手が24日、掛川市役所に久保田崇市長を訪ねて今季8位の結果を報告した。山谷社長は市内の子どもたちをホーム戦に無料招待する財源を確保するため、ふるさと納税の返礼品に選手と交流する体験型メニューを加えるよう提案した。 山谷社長は「ラグビーの普及に向けて、選手やスタッフのイベント活用を考えてほしい。掛川市なら、選手と一緒にお茶摘みが体験できる権利をオリジナルの返礼品にするのはどうか」などとアイデアを披露した。久保田市長は「良い考え」と前向きな姿勢を示した。市内の潜在的なファンを観戦につなげるための努力も約束した。 今季の戦績について、
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香る梅「いっぱい採れた!」 掛川中央幼保園を地元企業が招待
掛川市和光の認定こども園「掛川中央幼保園」の園児が24日、近隣を流れる初馬川の土手沿いで梅狩りを楽しんだ。梅を管理する鉄筋施工の粂田鉄筋工業所(同市上西郷)が招待した。 4歳児48人がポリ袋を手に、ほんのりと赤く色づいた梅をもぎ採った。袋いっぱいに実を集めて「こんなにたくさん採れた」「少し桃の香りがする」などとはしゃいだ。同社の社員も協力し、園児を抱き上げて高い枝に付いた実の収穫を助けた。 収穫した梅は園児が家庭に持ち帰るほか、各クラスでジャムやジュースに加工して味わう。
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夜の茶摘み、幻想的 掛川に100人 サックス演奏も
掛川市の掛川茶振興協会は6日夜、恒例の「月夜の茶摘み会」を同市五明の茶園で開いた。あいにくの曇天で満月は望めなかったが、参加者はランタンと竹灯籠の明かりに照らされた茶園で丁寧に茶の新芽を摘み取った。 公募に応じた県内外の約100人が、さわやかな茶葉の香りに包まれながら夜の収穫を楽しんだ。今季は摘採のタイミングが合った「おくひかり」の有機栽培茶園355平方メートルが会場。浜松市を拠点に活動するサックス奏者依田隆さん(袋井市出身)が仮設ステージで演奏し、非日常の空間を演出した。 「満月の夜に摘んだ茶はおいしい」とのうわさを元に、2009年に始まったイベント。呈茶と茶菓子のサービスもあった。摘
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レンコン植え付け丁寧に 泥まみれで楽しむ 掛川・和田岡小
掛川市和田岡地区の農家グループ「蓮華(れんげ)の郷」は1日、地元の和田岡小3年生26人と一緒にハス園で種レンコンの植え付けを行った。児童は泥まみれになりながら作業を楽しんだ。 同グループが耕作放棄地の活用を兼ねて始めた取り組みで、今回で7年目。児童は生産者から植え付ける向きや育て方などの説明を受けた後、種レンコンを手に慎重に泥に入った。大はしゃぎで泥遊びに興じる児童も目立ち、生産者は「転んでもレンコンの芽は折らないで」と声をかけて笑いを誘った。 同グループは地区のレンコン農家5人で構成する。ハス園は約1500平方メートルで、秋には児童と共に収穫を楽しむ。鈴木孝夫代表(71)は「泥んこにな
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大人気ハシビロコウ 写真集に 掛川花鳥園来園7年 「ふたば」成長の軌跡
掛川花鳥園(掛川市南西郷)で飼育されているハシビロコウ「ふたば」の写真集がこのほど、辰巳出版から発売された。ふたばは全国に多くのファンを持つ同園のアイドル。2016年の来園から7年がたち、成長して風格をまとった姿を収めている。 ハシビロコウは絶滅の恐れがある大型の鳥で、獲物をじっと待つ習性から「動かない鳥」として知られている。ふたばは体高約120センチ、体重約5キロの雌でタンザニア出身。写真集では、来園当初と比べてくちばしの斑点や瞳の色が薄くなり、大人になった様子がうかがえる。普段の生活ぶりを捉えた写真も多く収録した。 同園は9月、開園20周年を迎える。担当者は「ふたばは一番人気がある鳥
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24年からの新制服発表 掛川市内全9中学校で統一 小中生がウェブ投票
掛川市教委は27日、2024年度に市内の全9中学校で統一する新制服のデザインを発表した。小学4年生~中学3年生を対象にしたウェブ投票で決まり、スラックスは4票の僅差で無地グレーがチェック柄を上回った。スカートは掛川茶の緑と市の花・キキョウの紫を取り入れたチェック柄が支持され、2番手以下の候補に2倍以上の差をつけた。 4月10~22日の投票期間に、対象の児童・生徒6530人のうち4152人がタブレット端末で投票した。投票率は63・58%。スラックスは2候補のうち、無地グレーが2322票、チェック柄が2318票を獲得した。「どちらもよい」とした回答は全候補に各1票が入る仕組み。 市教委は児童
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掛川市 30年かけ小中一貫化 原野谷中校区から着手 市教委が再編計画案
掛川市と市教委が進める小中学校再編事業で、市教委は21日、市内9中学校区単位で小中一貫化に向けた再編に着手する順番を明示した。30年間の全体工程を3期に区分し、原野谷中校区を皮切りに2023年度中に始動する。一連の再編が完結するのは52年度と見込んでいる。 市教委の担当者が市議会全員協議会で説明した。計画案によると、第1期は原野谷のほか、城東と東の計3中学校区が対象。学校施設の老朽化や児童・生徒数の増減、災害危険性などを総合的に勘案して順位付けした。再編事業と並行して、市内全域で児童数が100人未満の小規模な小学校の統合を進める。 計画案は、現行の中学校区が再編の基本的な枠組み。地元との協議
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掛川市 待機児童ゼロ 3年連続 保育士支援 充実
掛川市は12日までに、2023年度当初の国定義の待機児童がゼロだったと発表した。市は23年度、保育士宿舎借り上げ支援やキャリアアップ研修などの新事業に取り組み、保育環境整備を進める。待機児童ゼロは3年連続。 市によると、認可保育園などへの入園申し込みは前年とほぼ同水準の2808人。定員は幼保4園を統合して整備された「きとうこども園」の開園などに伴い、121人増の3222人になった。 国の定義で計上されない潜在的な待機児童数は70人だった。内訳は、幼稚園・預かり保育利用など施設入所が26人、特定園への入園希望などを要因とした在宅保育が44人。 市によると、育児休暇後の復帰のタイミングから
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希少な山野草「クマガイソウ」 自生地を一般公開 掛川・倉真地区
園芸価値が高い希少な山野草「クマガイソウ」の自生地を一般公開する試みが、掛川市倉真地区の山林で始まった。発足したばかりの地元保存会メンバーが周辺環境の整備や看板設置に取り組んだ。全国的にはクマガイソウの盗掘被害は深刻。あえて情報発信に踏み切った背景には「山野草が好きな人に珍しい花を見てもらいたい」との素朴な思いがある。 自生地は新東名高速道路掛川パーキングエリア南側の山林で、「おいの久保池」近くの斜面。石仏が並ぶ「百観音」周辺を巡る散策コース上にある。2カ所を一般公開の対象にして案内板を設置し、群生する地点ごとに1~24の番号札を立てた。案内板にはクマガイソウの紹介に加えて「マナーを守って
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中学の新制服 どれにする? 掛川市、市教委が候補披露 小中学生 ウェブ投票へ スラックス2種類とスカート3種類
掛川市と同市教委は11日、2024年度に市内の全9中学校で統一する新制服のデザイン候補を披露した。スラックス2種類とスカート3種類。市内の小学4年生~中学3年生を対象にしたウェブ投票でそれぞれのデザインを決める。 スラックスは無地グレーとチェック柄。スカートはチェックの色や折り目の数が異なるデザインを用意した。ブレザーは男女共通デザインで、スカートとスラックスは選択できる。 候補は小中学生の意見を踏まえて絞り込んだ。統一化は生徒の多様性への配慮に加えて、大量生産によるコスト削減で保護者の負担を軽減する狙いがある。 実物を見た上で投票に臨みたいとの要望に応えて、市は15日に掛川市役所本
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茶況(4月6日)栄西禅師を供養 掛川・粟ケ岳 茶業の発展祈願
掛川市東山地区の茶農家らでつくる茶祖栄西禅師顕彰会が、日本に茶を伝えたとされる栄西禅師の報恩供養祭を市北東部の粟ケ岳山頂で行った。約130人が栄西禅師の銅像に、茶業の発展を祈願した。 新型コロナウイルス禍に伴う規模縮小を経て4年ぶりの本格開催。会長を務める東山茶業組合の杉山裕朗組合長は「良質な茶づくりと後継者育成を心がけて、おいしい茶を消費者に届けたい」と誓った。 同組合によると、新茶シーズンを前に園相は良好。天候に恵まれて3月以降は一度も防霜ファンが回っていないという。「今までにないほどの良質な茶が摘める」(杉山組合長)と期待感が大きい。 (掛川支局・高林和徳)
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中東遠医療センター(掛川) がん診療拠点病院に 圏域2カ所目
掛川市・袋井市病院企業団が運営する中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)が国から「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けた。宮地正彦院長と久保田崇掛川市長、大場規之袋井市長が4日、同センターで会見して報告し、さらなる診療体制の強化に向けて決意を述べた。 指定は4月1日から4年間。静岡県内で11カ所目、中東遠医療圏では磐田市立総合病院に次いで2カ所目。圏域ではがん患者の約3割が浜松市など他医療圏に流出している状況で、同センターは2017年度にプロジェクトを開始して診療機能強化と実績の積み上げを図っていた。 同センターは26年度に高度放射線治療機器2台の導入を予定している。宮地院長は「取
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ソフトバンクから専門人材 掛川市、尾村氏を登用
掛川市はデジタル技術を変革につなげるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に向けて、ソフトバンクの尾村義隆氏(57)を常勤の企画政策課参事に登用した。市役所で3日、辞令交付式を行い、久保田崇市長が尾村氏に辞令書を手渡した。 地方創生に積極的な自治体に対して国が専門人材を派遣する「地方創生人材支援制度」を活用した。派遣の受け入れは1日付。尾村氏は同社ビジネスパートナー営業部長などを務めた。市ではDX推進計画アクションプランの立案と進捗(しんちょく)管理、人材育成などを担うほか、デジタルを活用した業務改善や新規事業の提案と支援にも取り組む。 任期は2024年3月末までの1年間。辞令を
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記者コラム「清流」 子どもに最良の学校を
当たり前に存在していたものがなくなるのは寂しい。歴史が積み重なった学校ならなおさらだろう。学校は地域の活力の象徴だ。一方で、少子化の進行で現状維持が難しい実情も理解できる。 掛川市が小中学校統合を検討している原野谷地区で、市教委が住民に議論の経過を説明する会合に足を運んだ。住民の発言が早期再編を望む前向きな意見ばかりで驚いた。「子どもの学びを最優先に、良い学校をつくってほしい」との思いで一致していた。 地区では2017年から協議を重ねて合意を形成し、新しい学校に希望を見いだしている。未来志向の意見は、既設校が消える寂しさややるせなさを乗り越えた上での覚悟だろう。市当局は住民の心情をくみ取
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掛川市 ごみ減量加速へ 排出量少ない自治体 2年連続全国トップ 「推進会議」を設立 資源循環の仕組み構築図る
環境省が発表した2021年度の一般廃棄物処理実態調査(人口10万人以上50万人未満の部)で、掛川市が1人当たりのごみ排出量が少ない自治体として2年連続の全国トップになった。市はごみ減量の取り組みを加速するため、4月中に有識者と市民団体、先進的な企業の担当者らで構成する「おむつリサイクル・ごみ減量推進会議」を設立し、資源循環に向けた仕組みの構築を図る。 使用済み紙おむつと生ごみ、製品プラスチック、剪定(せんてい)枝・落ち葉などに照準を合わせ、ごみを燃やさずに資源化する方策の研究やコストの可視化などに取り組む。23年度内を目標に新たな分別処理方法や市民への動機づけ手法を確立するほか、企業と連携し
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中学球児 園児と“野球交流” チームスポーツ 楽しさ伝え 菊川東、菊川西、岳洋中 投球やバッティング
菊川東と菊川西、岳洋の菊川市内3中学校の野球部が30日、同市本所の菊川中央こども園で園児を対象にした野球教室を開いた。地域貢献と野球人口の拡大が狙い。 3中学の野球部員23人と指導者が3~5歳児約50人に投球やバッティングを手ほどきした。部員は「いい球だった」「ナイスバッティング」などと声をかけながら交流を深めた。園児が部員を捕まえるとボールがもらえる鬼ごっこや的当てゲームなども楽しんだ。 初めての企画で、野球指導歴が長い菊川東中の山崎公男校長が主導した。今後は活動を地元小学校などに拡大する予定。同校野球部の中野蒼真主将(14)=2年=は「チームで協力するのが野球の楽しさ。興味を持つ子どもた
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静岡人インタビュー「この人」 B&G全国指導者会ゴールド指導員褒賞を受けた 久保徹さん(掛川市)
掛川市で市民対象のボート教室に参加したのを機にインストラクターを志し、1992年に認定された。市B&G海洋センターで約30年にわたって小中学生にボートやカヌーなど海洋スポーツの魅力を伝え、2021年末に引退した。元ヤマハ発動機社員。65歳。 ―受賞の感想は。 「非常にありがたいこと。子どもの成長を感じられたことが大きなやりがいだった。意識的に交流を楽しもうと決めて遠征にも同行してきた。カヌーに興味を持ち続けて、進学先の大学で大会に出場した教え子がいた。指導員をやりたいと志願してくれた人も複数いる。たまらなくうれしかった」 ―心がけた指導法は。 「子どもたちに目標を決めてもらい、できた
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竹灯籠で幻想空間演出 菊川・千框棚田であぜ道アート
農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定された菊川市倉沢の千框(せんがまち)棚田で25日夜、田んぼに竹灯籠などを並べる「あぜ道アート」が行われた。ろうそくの明かりが水面に揺れ、一夜限りの幻想空間を演出した。 棚田保全に取り組むNPO法人せんがまち棚田倶楽部や静岡大棚田研究会など実行委のメンバーが竹灯籠とペットボトルランタンを配置し、ろうそく1200本に火をともした。雨でぬれた棚田がぬくもりのある光で浮かび上がり、棚田オーナーら招待客を魅了した。 新型コロナウイルス禍による中止を経て2年ぶりの開催。同NPO法人の堀延弘事務局長は「棚田の400年の歴史を感じるイベント。未来へつなげていきたい」と
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児童が神楽披露 無病息災願う 掛川・高天神社で例大祭 地場産品も販売
掛川市上土方嶺向の高天神社で26日、例大祭が執り行われた。地元児童が神楽を奉納したほか、地場産品を販売する青空市や観光PRブースが開設され、来場者でにぎわった。 神楽を披露した児童は土方小4年生を中心とした女子児童10人。鈴と扇子を手に、笛と太鼓の音に合わせて舞い、家内安全や無病息災を祈願した。火縄銃の射撃演武や餅まきなど一部の行事は悪天候のため中止になった。 高天神社は高天神城跡にあり、城を守護する神社として建てられた。高天神城は戦国時代、徳川軍と武田軍が激しい攻防を繰り広げたことで知られている。
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和ランプづくりに挑戦 掛川でにぎわい創出イベント
掛川市文化財団は25日、同市掛川の市二の丸美術館周辺でにぎわい創出イベント「カケガワミュージアムマーケット」を開いた。雑貨や飲食のブースが出店したほか、ものづくり体験のワークショップも展開した。 ワークショップは、近隣の大日本報徳社仰徳記念館が主会場。和ランプづくりでは、参加者が樹脂板を和紙で挟んだ台紙にちぎった紙片を貼り付けた。星や模様で彩った台紙を筒状にして、照明台に設置して仕上げた。 同美術館の敷地内には、天然石アクセサリーや食器、コーヒーなどを提供する店が並んだ。ロビーで開催中の大河ドラマ「どうする家康」パネル展もにぎわった。 (掛川支局・高林和徳)
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地域に“慈善”広め40年 県明るい社会づくり推進協議会遠州地区連絡協 病院など車いす寄付し解散
掛川や袋井など6市町で慈善活動に取り組む県明るい社会づくり推進協議会遠州地区連絡協議会が16日、解散した。各市町で活動を担う組織の整備が進んだため。同協議会は同日、残った活動資金を活用して中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)に車いす8台を寄付した。 同協議会は約40年前に発足し、中東遠地域の全域で活動してきた。同協議会から派生する形で各地区に支部が設立され、それぞれが地元で清掃活動や福祉支援、交通安全啓発などを手がけるようになったことから、広域をカバーする役割を終えたと判断した。 同センターで開かれた車いすの贈呈式で、同協議会の加藤一司理事長が「各地で独自の活動が行われるようになった」と
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高天神城 AR、VRで再現 掛川市、アプリとウェブ 24日公開 クイズや歴史紹介も
掛川市は戦国時代に徳川軍と武田軍が激しい攻防を繰り広げた高天神城を先端技術で再現するデジタルコンテンツを制作し、15日に現地で観光ボランティアを対象にした説明会を開いた。拡張現実(AR)と仮想現実(VR)で往時の姿を紹介する。24日にアプリとウェブサイトを公開する。 高天神城は1581年の廃城から440年以上が経過し、遺構の風化が進んでいる。アプリは本丸や堂の尾曲輪(くるわ)など城郭内9カ所に設置したマーカーをスマートフォンで読み込むと、当時の地形や構造物が表示される仕組み。横堀では高低差を利用して攻め手を迎え撃つ様子をアニメーションで紹介する。 城郭歩きとレクリエーションの機能も重視し
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「西郷の局」姿でパチリ 掛川出身、家康の側室 市内舞台に撮影プラン
徳川家康の側室で2代将軍秀忠の生母・西郷の局に着眼した地域振興を目指し、掛川市内の写真スタジオとネイルサロンが記念撮影プランを考案した。西郷の局は同市上西郷が出生地。西郷の局に扮(ふん)したモデルの写真は話題を集め、掛川観光協会と第三セクター「かけがわ街づくり」がポスターに採用した。市内各所に張り出し、徳川家ゆかりの街をアピールする。 西郷の局は通称「於愛(おあい)の方」。プランは大河ドラマ「どうする家康」の放送開始を控えた昨夏、市内でネイルサロンGrowを営む武藤由紀さん(51)が写真家で福田カメラ専務の福田隆之さん(50)に「面白いことをやりたい」と持ちかけたことをきっかけに実現した。
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記者コラム「清流」 受け止めきれない数字
規模感を表すのに最も使われるのが数字。分かりやすく説得力があるが、物事を均質化された無機質なかたまりに変えてしまう恐ろしさがあると常々感じている。指標に人数が用いられたデータに触れる時は特に身構える。 トルコ・シリア大地震では5万人以上の死者が確認されている。数字を積み上げたそれぞれの人生を想像する。一人一人に名前があり、家族に祝福されながら生まれた赤ちゃんも、人望を集めたお年寄りもいるだろう。どこかで自分と擦れ違ったことがある人が含まれるかもしれない。 学生時代、トルコのアンタキヤからシリアのアレッポへ陸路で国境を越えた経験がある。延々と続くオリーブ畑やスーク(市場)の人いきれをたびた
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西山口小の千葉教諭が最優秀 教育研究論文の表彰 掛川市教委
掛川市教育委員会はこのほど、2022年度の教育研究論文表彰式を市教委で開いた。最優秀賞には、特別支援教育の専門性向上を図るための組織体制づくりに注力した千葉典子教諭(西山口小)の論文が選ばれた。 佐藤嘉晃教育長が千葉教諭ら入賞者4人と1グループに表彰状を手渡した。千葉教諭の研究題目は「『誰一人取り残さない教育』を目指して」。教員へのアンケートなどを通じて特別支援教育を拡充させる手だてを探り、現場の意識向上につなげた取り組みが高い評価を得た。 佐藤教育長は「市の教育の課題をしっかり捉えている。同僚や後輩と共有して、目の前の子どもたちのために実践を充実させてほしい」と話した。
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掛川市 小中再編の学園化構想【遠州7市町23年度予算案④】
新型コロナウイルス禍で停滞していた掛川市の小中学校再編事業が2023年度、本格始動する。市内9中学校のうち先陣を切るのは郊外の原野谷中校区になる見込みで、成否は他中学校区の再編の行方を大きく左右する。市にとって、各中学校区を一つの学園に見立てた「学園化構想」を軌道に乗せる正念場の年になる。 原野谷中校区の原田地域生涯学習センターで2月下旬に開かれた「原野谷地域を考える会」の会合。市教委幹部が地元区長らに「原野谷中校区を最初の再編校にしたい」と明言し、住民代表を含む検討委を設置する考えを示した。異例の提案もあった。「区長やまちづくり協議会長が充て職で委員になると、年度替わりで議論が途切れる。
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しだれ梅見頃 掛川・龍尾神社、花の間から掛川城天守閣も
龍尾神社(掛川市下西郷)の梅園でしだれ梅が見頃を迎えた。28日時点で七分咲き。咲き誇る紅白の花と膨らんで色づいたつぼみが同時に楽しめる。新型コロナウイルス禍で休止していた売店も再開し、大勢の行楽客でにぎわっている。 7千平方メートルの敷地内に約300本が並び、甘い香りを漂わせている。園路は高台に続く石段で高低差があるため、花を見上げるだけでなく上から眺めたり、目線の高さを合わせたりして観賞できるのが特徴。花の間から掛川城天守閣も望める。 3月上旬まで楽しめそう。開園は午前9時~午後4時。入園料600円(小学生以下無料)。
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新星発見 「大興奮」の30個目 掛川のアマ天文家・西村さん
掛川市宮脇のアマチュア天文家西村栄男さん(73)が24日までに、いて座の領域に新星を発見し、国際天文学連合(IAU)に発見者として認められた。16歳から星空観察を続けてきた西村さんにとって、新星発見は通算30個目。「ものすごく興奮した」と節目を喜んだ。 新星は「Sgr V6596」。20日午前4時18分に撮影に成功した。発見時の明るさは、肉眼では見えない10・8等級。水戸市の桜井幸夫さん、オーストラリア人アンドリュー・ピアースさんの2人もほぼ同時に同じ星を確認し、発見者になった。 西村さんによると、発見当日は曇り空。午前2時ごろに空を見上げた際は雲が多く、仮眠後の午前3時半ごろにフィール
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古い、暗い…元は男子トイレ 女子生徒自ら更衣室改修へ 掛川の高校、企業も協力
掛川工高(掛川市葵町)の女子生徒有志が、老朽化が進んだ自校の更衣室の改修に乗り出す。「待っていても変わらない。自分たちの手で何とかする」。長年にわたって悪評の的だった更衣室の再生に取り組み、校舎の環境改善と設備施工の技術習得を両立させる構えだ。 校舎は築58年。1、2年生が体育着や実習着に着替えるため日常的に使う女子更衣室は約25平方メートルで、元は男子トイレだった。日当たりが悪く薄暗い上、タイルの黒ずみやにおいが染みつき、不満が募っていたという。 改修に名乗りを上げた生徒は学年や学科を超えた11人。環境設備科2年今村美羽さん(17)は「古さもにおいも気になる。ずっと我慢してきた。明るく
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トルコ・シリア大地震 掛川の中学生「助けたい」 広がる支援の輪
掛川市内の中学校で、トルコ・シリア大地震の被災者を支援するための募金活動が広がっている。校内や近隣の農産品直売所で寄付を募った原野谷中に続き、21日には北中と東中でも登校時間に合わせた募金が始まった。生徒の動きに呼応し、市も庁舎に募金箱を設置した。 北中では、1~3年の32人が各学年の昇降口に立ち、生徒に寄付を呼びかけた。主導するのは防災や福祉活動に携わる生徒会ユネスコ委員会。委員長を務める2年近松優月さん(14)は「報道に触れるたび、どんどん被害が大きくなっている。東日本大震災ではトルコが助けてくれた。今度は私たちの番だ」と話した。 同校生徒会はこれまで、熱海市土石流災害の復旧やウクラ
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掛川市23年度予算案 人、環境に重点配分 一般会計 2年連続500億円超
掛川市は14日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は22年度当初比1・2%減の503億2千万円。認定こども園整備事業の完了で前年度を下回ったが、2年連続で500億円を超え、過去3番目の予算規模になった。人づくりと環境分野に重点配分し、持続可能性に着眼した施策を推進する。 久保田崇市長は「地区集会で人手不足に関する多くの意見を聞いた。あらゆる物事の持続可能性が問われている」と説明した。11特別会計と水道など5企業会計を合わせた総額は1・8%減の848億2千万円。 一般会計の歳入は市税が2・0%増の211億5900万円。経済の持ち直しで、法人市民税は20・8%増の16億9400万円
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資生堂掛川工場に省エネ大賞長官賞 徹底した実践、評価
資生堂はこのほど、省エネルギーセンターが主催する2022年度の「省エネ大賞」省エネ事例部門で同社掛川工場(掛川市長谷)が資源エネルギー庁長官賞を受賞したと発表した。受賞は国内主要化粧品メーカーで初めて。 長官賞は、最高賞の経済産業大臣賞に次ぐ賞。エネルギー使用の最適化と需給の可視化に取り組むなど徹底した省エネの実践が高い評価を得た。生産現場の意識改革にも注力し、21年は19年比9・5%に相当する1585トンの二酸化炭素(CO2)排出削減を達成した。 同社の長谷川修嗣掛川工場長が13日、市役所に久保田崇市長を訪ねて受賞を報告した。「幸福を実感できる社会を実現するため、地球環境負荷の低減をリ
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掛川への移住 2021年度69人、15年度以降最多 20~30代過半
掛川市は10日、2021年度の市内への移住者数が前年度比25人増の69人だったと発表した。現行手法による調査が始まった15年度以降で最多。市は、新幹線駅や高速道路のインターチェンジがあって交通アクセスが良く、温暖な気候に恵まれた立地条件が寄与したとみている。 21年度に移住した69人のうち、20~30代は39人(前年度比18人増)と全体の過半を占めた。子育て世代の増加に伴い、20歳未満の移住者も22人と前年度を13人上回った。移住者からは「まちづくりに参画できているという実感が得られやすい」などの声が寄せられているという。 19年度に140件あった移住相談件数は20年度38件、21年度6
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300点咲き誇る 静岡県花の展覧会 掛川花鳥園で11日まで
静岡県花の展覧会(県花き園芸組合連合会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が10日、掛川市南西郷の掛川花鳥園で始まった。11日まで、色とりどりの菊やバラ、カーネーションなどを展示している。 県内の生産農家が約300点を出品した。花の種類や枝物、鉢物など8部門で審査会も行われ、県農林技術研究所の職員や市場関係者らが花の形や茎とのバランスなどを入念にチェックした。
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人間ドック新棟整備へ 中東遠総合医療センター 放射線治療体制も増強
中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)は8日、新棟を建設して人間ドック・健診センターを配置する方針を示した。予防医療を強化して病気の早期発見と治療につなげるのが狙い。1日当たり100人の受診者受け入れを想定し、2025年度までに整備する。新たな放射線治療機器も導入する。 新棟は4階建てで延べ床面積約3500平方メートル。事業費は概算で50億~60億円と見込む。将来的ながん患者の増加と需要拡大を見据えて、放射線治療機器は2台体制にすることも検討する。 既存棟は28年度までに改修と拡張を施して救急医療を拡充する。新棟建設で空いたスペースを救命救急センター病棟として活用し、20床程度を確保す
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菊川の黒田家代官屋敷 梅見頃へ 3月5日まで「まつり」
菊川市下平川の国指定重要文化財黒田家代官屋敷で5日、恒例の梅まつり(平川地区コミュニティ協議会主催)が始まった。3月5日まで、寒紅梅や白加賀など13種160本が並ぶ敷地内の梅園を無料開放する。 大半の梅はまだつぼみが膨らみ始めている状態。同協議会によると、見頃は今月中旬になりそう。初日はステージイベント「長屋門フェスタ」が開かれ、地元の芸能団体が歌や踊りを披露した。 期間中、土人形の工芸品「焼きびな」を展示するほか、23と24の両日には梅園内歩道に竹灯籠を設置する「竹あかり展」を開く。
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電動カートに発電機搭載 掛川高生、ハイブリッド車製作 走行中も給電 航続距離2倍
掛川工業高機械科の3年生7人が、電動カートと発電機を組み合わせたハイブリッドカートを製作した。走行中も発電しながら給電できる機構を搭載し、航続距離を2倍以上に伸ばした。同校で2日、発表会を開き、電動カートを提供したヤマハモーターパワープロダクツ(掛川市)の幹部に成果を披露した。 1年間の課題研究の集大成。ゴルフ場などで使われる電動カートの後部にガソリン発電機を積んで改造を施した。充電プラグの位置や安全性への配慮に工夫を重ねた。同社の技術者が電動カートや発電機の構造などを指導して研究を支えた。 試験走行では、航続距離が改造前の2・16倍になり、目標の2倍を上回った。リーダーを務めた長津望人
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十丁十豆(じゅっちょうとまめ) 橋山食品(掛川市) シリーズ健康増進の需要に対応【静岡ものづくり最前線】
厳選した国産大豆を使い、濃厚な素材本来の風味を堪能できる自社商品を開発した。主にスーパーマーケット向けに大豆加工食品を納品してきたが、健康志向の高まりを販路多様化の好機と捉えた。自社商品のシリーズ化を進めて、個人消費者向け事業への本格参入を目指している。 仕入れ時期によって変化する大豆の個性に着眼し「十人十色」をもじって名付けた。豆腐の豆乳濃度は13%以上。舌の上にまろやかな甘みとこくが広がる。油揚げやがんもどき、豆乳など派生商品もそろえ、フィルムや容器のコストは最低限に抑えた。 開発の背景には、治療よりも予防を重視して健康増進を図ろうとする消費者意識の広がりがある。6代目橋山豪人さん(
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校歌作者から誕生秘話 菊川・小笠南小 元気よく合唱も
菊川市の小笠南小で1日、同校の校歌を作詞作曲した元教諭福嶋勲さん(93)=同市東横地=から話を聞く特別授業が開かれた。5年生25人が当時の学校の様子を学び、歌に込められた思いをかみしめた。 福嶋さんは1969年に同校に赴任し、71年に校歌を完成させた。「修学旅行先で合唱を求められても歌えなかった。つらい思いをした」と動機を話し、作詞する上で心がけたポイントなどを説明した。「南の山はみどりもえ」の歌い出しは、近くの山に群生していたウバメガシから着想を得たという。 児童は福嶋さんの指揮で合唱し、音楽室に明るく生き生きとした歌声を響かせた。
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特支学校が作品展 静銀掛川支店で実現 教諭の民間派遣が縁
掛川特別支援学校高等部の生徒が製作した木工や陶芸、革小物などの作品展が28日まで、掛川市中央の静岡銀行掛川支店で開かれている。温かみのある24点が並び、来店者を楽しませている。 作品展は同校の大塚敦子教諭(32)が2022年4~9月、県教委の民間研修で静銀に派遣されていたのが縁で実現した。大塚教諭は、地方創生部でイベント企画や商談会運営に携わった経験を振り返り「学校が地域とつながりを深めるには、情報発信が必要。研修のおかげで一歩を踏み出せた」と話した。 同校は18日、掛川花鳥園や南郷地域生涯学習センターなど市内6カ所で地域販売会を開く。静銀は掛川市と周辺の計8店舗にパンフレットを設置して
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歴史香る 眠れる蔵でみそ造り 掛川・文化財「松ケ岡」
半世紀以上にわたって休眠状態だった掛川市指定文化財「松ケ岡(旧山崎家住宅)」の蔵を再生して、市民主導でみその熟成に活用するプロジェクトが本格始動した。「松ケ岡の歴史的価値と同様に、みそ造りの食文化も一緒に守って子どもたちに伝承していきたい」。関係者の思いは強く、蔵出しのみそを松ケ岡の名物に育てる構想を描いている。 旗振り役は自然農法に取り組んでいる市民団体「かけがわ健康生活ネットワーク」。市文化・スポーツ振興課と連携してプロジェクトを進める。1月下旬には、みそ蔵の片付けと清掃を行って熟成場所を確保し、市民参加の体験会で仕込んだみそ約70キロを搬入した。 同団体によると、松ケ岡のみそ蔵は昭
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記者コラム「清流」 来年も再来年も誘致を
藤井聡太王将に羽生善治九段が挑む夢の対決になった将棋の王将戦。掛川対局前日、両雄が小中学生の大会を視察した。頻繁に立ち止まって盤面を見詰める羽生九段。藤井王将は終始ゆっくりと歩き、場の雰囲気を味わっているように見えた。 2人は「楽しみながら続けてほしい」とエールを送った。子どもたちにとって忘れられない大会になっただろう。緊張と羨望(せんぼう)、興奮が交じった出場者の表情が印象に残っている。 市内開催は14年連続。期間中、スーパースター2人が市内に滞在し、異次元の対局を繰り広げていると考えただけで胸が熱くなった。誘致合戦が激化する中、市長は「永世開催地を目指す」と息巻く。何としても死守して
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「おいしくなあれ」 混ぜ混ぜみそ造り 掛川・智光こども園
掛川市仁藤町の智光こども園で30日、園児がみそ造りに取り組んだ。4歳児52人が丁寧に仕込み、完成する半年後を待ちわびた。 園児は軟らかく煮た大豆を袋に入れ、両手で形がなくなるまでつぶした。「おいしくなあれ」と声を掛けながら米こうじと塩を混ぜ、大豆と合わせてたるに詰めた。 3回目を迎えた取り組み。同園は新型コロナウイルス禍で外出機会が減ったことを受けて園内行事を拡充し、地産地消の食育を進めている。熟成が進んだら給食のみそ汁にして全園児で味わう。
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寒風に負けずたすきつなぐ 掛川で城下町駅伝、210チームが力走
掛川市の掛川城周辺を舞台に市内外のチームが健脚を競う市城下町駅伝競走大会(実行委主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が29日、市中心部で開かれた。新型コロナウイルス流行に伴う中止を経て3年ぶりの開催。小学生から一般まで210チームが出走し、たすきをつないだ。 掛川城三の丸広場を発着点にした4区間のコースで、小中学生は7・7キロ、高校生以上は10・6キロ。選手は号砲と同時に一斉にスタートし、商店街を駆け抜けた。大勢の市民が沿道から大きな声援を送り、力走を後押しした。 結果は次の通り。 小学生男子 ①チーム細江②富士常葉JC―A③浜北ACC▽同女子 ①掛川陸上みかん②チーム細江③浜北ACD▽中
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茶況(1月26日)縁起担いだ茶、受験生に 掛川・五明茶業組合
掛川市の五明茶業組合はこのほど、縁起を担いだティーバッグ商品「願い星」「叶(かな)い星」のセットを地元の受験生に配った。堀井聡理事(43)が北中を訪れ、3年生174人に手渡した。 五明地区の茶園は星空観察に適した場所として知られている。叶い星は一番茶のシーズン入り直後の摘採で、願い星は八十八夜の時期に収穫した。梅の水引で飾り付けた包装で、合格祈願のほかにも快気祝いなど贈答用で人気があるという。 寄贈は3回目。堀井理事は「大きな志を持ち、次のステージに向かって羽ばたいてほしい」と話した。 1セット378円(税込み)。問い合わせは同組合<電0537(28)0552>へ。
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掛川市の部活動地域移行 23年度に具体検討着手 教育長「最終的に学校と切り離す」
中学校の部活動を地域団体に委ねる地域移行で、掛川市と同市教委は25日、2023年度に地域クラブ連絡協議会と種目検討部会を設立し、全体の枠組みや設置クラブ数など具体的な検討に着手する考えを明らかにした。市は26年度までに移行する方針を示している。佐藤嘉晃教育長は「実質、部活動を廃止する。最終的に学校と切り離す」と述べた。 同日の市総合教育会議で説明した。教育委員からは、保護者の送迎負担や指導者確保に対する懸念の声が上がった。久保田崇市長は「直接的な指導者だけでなく、大勢の人の力が必要。地域のみんながやれる範囲で関わっていく仕組みを作りたい」と協力を求めた。 市が掲げる部活動改革「かけがわ地
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掛川市職員の不祥事続発 知恵出し合い防止策を【風紋】
掛川市では2022年、市職員の不祥事が相次いだ。乗用車を運転して制限速度を58キロ超過したとして、1月に職員が道交法違反容疑で逮捕された。以降も信頼を損ねる事態が続き、11月までに盗撮とストーカー行為で職員2人が摘発された。自治体の印象に及ぼす悪影響は大きく、根絶に向けた市の本気度が試されている。 いずれの事案も個人の倫理観の欠如が主因だが、市のガバナンス(組織統治)は再考の余地がある。浜松区検が11月、当時の男性主事をストーカー規制法違反罪で浜松簡裁に略式起訴した事案では、市は略式命令が出た当日まで職員が捜査対象になっていることを覚知していなかった。当事者からメールで連絡が入り、状況を把
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松下園(掛川市)/松下芳春代表 茶のファン拡大へ挑戦【キーパーソン】
手探りで無農薬の茶づくりを始めたのは40年以上前。有機茶園を拡大する一方、カフェの開設や茶本来のうまみを引き出す茶器の開発など多彩な挑戦を続けてきた。2022年に発売した発泡性緑茶リキュールをベースに、アルコールを含まない新飲料の試作も進めている。 ―緑茶リキュールの開発の狙いは。 「お茶好きを増やすためには、茶の多様な可能性を示して広がりを生む取り組みが大事になる。リキュールは茶を高級品として味わってもらうための提案の一つ。海外では富士山や日本の茶園風景を連想してもらえる飲料に育てていく。ノンアルコールの需要も出てきた。完成させて、23年のドイツの展示会に出品したい。現行のリキュールの
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「ならここの里」 掛川市が民間へ譲渡方針
掛川市は20日、第三セクター「森の都ならここ」が指定管理者として運営するキャンプ場・温泉施設「ならここの里」を民間に譲渡する方針を明らかにした。土地は市が譲渡先事業者に貸し付け、バンガローや温泉施設などの建物は有償で譲渡する。 料金改定に条例改正が要るなど公共施設特有の制約を外し、民間のノウハウを生かして価値の最大化を狙う。施設の継続性への懸念や地域連携の希薄化など地元から上がった不安の声を踏まえて、市が土地所有を続けることで関与を維持する。 今後、条件を定めて公募を実施する。9月に譲渡先事業者を決定し、2024年4月に新事業者による経営に移行する予定。 20日の市議会全員協議会で説明
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人材育成へ人事課新設 掛川市が組織編成案 市民サービス安定提供
掛川市は20日の市議会全員協議会で、2023年度の組織編成案を説明した。安定的な市民サービスの提供に向けて、優秀な人材の獲得と育成、働き方改革の推進などを主導する「人事課」を新設する。 課が1増0減、室が6増5減、係が15増8減になる。小中一貫教育と学校配置の適正化を進めるため、教育政策課に「学校再編室」を新たに設ける。地域創生戦略室とDX推進室を統合し、企画政策課に「経営戦略室」を設置する。 持続可能な開発目標(SDGs)推進を念頭に「ダイバーシティ戦略室」「障がい福祉室」なども新設する。脱炭素社会の実現に向けた道筋を明確化するため、再生可能エネルギー政策室は「カーボンニュートラル推進
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新年度から給食費値上げ 掛川市方針 物価高騰で改定
掛川市は20日、2023年度から学校給食費を12%値上げする方針を示した。物価高騰が主な理由。給食費の改定と同時に就学援助費の算定基準を見直し、低所得者層への支援枠を拡充する。 保護者負担額の増加は消費税率が引き上げられた14年度以来、9年ぶり。1食当たりの給食費は幼稚園が253円(27円増)、小学校296円(32円増)、中学校353円(38円増)。年間で約4千~7千円の負担増になる。 経済的な理由で学用品費や給食費などの支払いが困難な家庭をサポートする就学援助費は、基準額の算定を世帯収入額から世帯所得額に変更する。対象になる児童・生徒数は約100人増えると試算している。
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「平和を考える自由研究」市長賞に榛葉君と中西さん 掛川市
掛川市はこのほど、市内小中学生から募った「平和を考える自由研究」の受賞者を発表した。最高賞の市長賞は小学生の部が榛葉旬祐君(上内田小6年)、中学生の部は中西菜実さん(大浜中3年)が受賞し、いずれも作文だった。受賞作品は29日まで、大東図書館(同市大坂)で展示している。 市長賞を除く受賞者は次の通り。 【小学生の部】教育長賞 鈴木愛菜(桜木6)▽優秀賞 小野睦季(西郷6)山崎壱新(東山口6)▽優良賞 安富咲奈(西山口4)松下隼己(東山口6)大石珠実(同) 【中学生の部】教育長賞 松下未来(大浜3)▽優秀賞 村松恵(西3)▽優良賞 中嶋健太(大浜3)甲斐愛美(同)
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5万円とマスク おせっかいの会 菊川市社協に寄付
菊川市の元気サロン「おせっかいの会」は18日、市社会福祉協議会に現金5万円とマスク6千枚を寄付した。落合岐良代表ら4人が同市半済の市社協を訪れ「福祉に役立ててほしい」と届けた。 同会は遊休農地や家庭菜園で野菜を育てて市民に安価で譲り、収益を「野菜福祉募金」として寄付する取り組みを続けている。落合代表は「耕作放棄地を貸してくれる人も野菜を求めてくれる人も皆、会員と思っている。活動を長く続けていきたい」と話した。
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地域経済の飛躍を祈願 菊川市商工会が賀詞交歓会
菊川市商工会は18日、新春賀詞交歓会を同市本所の菊川文化会館アエルで開いた。会員事業所や行政の関係者ら約120人が出席し、地域経済の発展に期待を込めた。 清水厚会長は、長引く新型コロナウイルス禍や物価高に加えて、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化することに強い警戒感を示した。「経済の動向が大きく変わった。商工会も大きく変わらなければいけない」と述べ、会員の課題解決に注力する考えを示した。
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中東遠介護事業者 BCP策定学ぶ 掛川東病院セミナー
掛川東病院(掛川市杉谷南)は17日夜、中東遠地域の介護事業者を対象にした事業継続計画(BCP)セミナーを同病院で開いた。ビジネス向け連絡ツールを提供するチャットワーク(本社・大阪市)との共催事業。 オンライン受講を含めて約40人が聴講し、各施設が手がける事業の特徴や規模の可視化などBCP策定の手順を学んだ。同病院の宮地紘樹院長は「BCPを実践する上で、速やかに情報共有できるかが課題になる。ICT(情報通信技術)を活用して地域連携を進めていきたい」と述べた。
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王将戦のおやつに脚光 掛川の老舗「火の羊羹」 藤井、羽生両氏が注文
藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖=と羽生善治九段(52)がタイトル戦で初対決した将棋の第72期王将戦第1局を機に、掛川市中町商店街の老舗和菓子店「伊藤菓子舗」が脚光を浴びている。令和の天才と棋界のレジェンドがいずれも、掛川市での対局初日のおやつに同店の「火の羊羹(ようかん)」を注文したため。店には問い合わせが相次ぎ、歴史的一戦の余韻は冷めない。 火の羊羹は、火伏せの神として信仰を集める霊地・秋葉山に続く秋葉街道にちなんだネーミング。強い火加減で入念に練り上げた逸品で、藤井王将は8日午前、羽生九段は同日午後のおやつに火の羊羹を選んだ。いずれも「ゆず蜂蜜」「掛川茶」「本煉(ほんねり
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掛川市の小中学校再編計画 「原野谷学園から検討」 市と市教委
掛川市と市教委は11日、小中学校再編計画を2023年度中に策定し、中学校単位で再編に着手する順番を明示する方針を明らかにした。1校目の新校建設に向けた検討委員会を年内に設立する。同日の定例記者会見で、久保田崇市長と佐藤嘉晃教育長は「順当に行けば1校目は(原野谷中校区の)原野谷学園になる」との認識を示した。 市などは市内9中学校区で、校区を一つの学園と見立てて小中一貫教育を推進する学園化構想を進めている。17年度、先行的に城東、原野谷の両中学校区に検討委員会を設置して研究を始めた。原野谷中校区の住民代表は22年12月、小中施設一体型の学校整備を早期に実現するよう求める要望書を市に提出している
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王将戦2983人申し込み 掛川・第1局2日目大盤解説 市長「永世開催地へ努力」
将棋の藤井聡太王将と羽生善治九段が掛川市内で対局した第72期王将戦第1局で、掛川市は11日、藤井王将の先勝が決まった2日目の大盤解説会にサテライト会場1カ所を合わせて2983人の申し込みがあったと明らかにした。定員(計330人)の約9倍。市は「対局がシティープロモーションに大きく寄与した」としている。 メイン会場の大日本報徳社では定員を80人から130人に増やして対応したほか、主に抽選に外れた人に案内する第2サテライト会場も用意した。将棋界の両雄が対決するシリーズとして注目を集め、申込者の過半が県外客だったという。対局を記念して発売した掛川城の限定御城印は、3千枚が完売した。 市内での王
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藤井VS羽生 将棋王将戦初対決へ抱負 8〜9日、掛川で第1局
将棋の第72期王将戦7番勝負第1局(日本将棋連盟など主催、静岡新聞社・静岡放送後援)の記者会見と前夜祭が7日、掛川市内で開かれた。藤井聡太王将(20)=竜王・王位・叡王・棋聖=に羽生善治九段(52)が挑む。抜群の知名度を持つ将棋界の両雄がそれぞれ、対局に向けて健闘を誓った。 第1局は8、9の両日、同市の掛川城二の丸茶室で指される。藤井王将と羽生九段がタイトル戦で対決するのは初めて。初防衛を目指す藤井王将は「注目してもらえるシリーズになる。期待に応えられる内容の将棋にできればと思っている」と話した。 羽生九段にとっては通算獲得タイトル100期が懸かった挑戦。「舞台にふさわしい中身の濃い将棋
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小学生がサッカーで熱戦 静岡県内外36チームが参加 掛川
静岡県内外の小学生サッカーチームが競う「U―11さなるチャレンジカップ」(さなるスポーツ少年団サッカー部主催)が7日、掛川市のつま恋リゾート彩の郷で開幕した。8日まで、計36チームが8人制で予選リーグと順位決定トーナメントを戦う。 次代を担う選手の育成と交流が目的。選手は懸命にボールを追い、ゴールを狙った。素早いパス回しや豪快なシュートなど好プレーが出るたび、チームメートや保護者から大きな拍手と歓声が沸き上がった。
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掛川市、ふるさと納税伸長 22年度10億円突破か メロンに高い関心
掛川市のふるさと納税の寄付総額が伸びている。2022年度は初めて10億円を突破する見込み。市は返礼品の拡充や市外富裕層にターゲットを絞った交流サイト(SNS)広告でのPRに取り組み、寄付の上積みを図っている。 市によると、返礼品の1番人気は掛川茶。例年上位にランクインするメロンが2位と続いた。メロンは22年12月発売の写真週刊誌で人気グループTRFの「DJ KOO」さんが推していることが伝わり、高い関心を集めている。 大河ドラマ「どうする家康」の放送に伴う観光振興を狙い、掛川城や掛川花鳥園など市内観光地6施設を周遊できる「掛川まる得パスポート」や、市特産の葛布(くずふ)織りなど体験型返礼
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鬼払い福招く「たたき棒」 掛川・普門寺
掛川市西大渕の古刹(こさつ)普門寺で3日、新春恒例の奇祭「たたき棒祭」が行われた。大勢の地元住民や檀家(だんか)が丸太を藤の根の棒でたたき、厄よけと無病息災を祈願した。 棒の先端が裂けるまでたたき続けることで心の中の鬼を追い払い、福を招く儀式。参列者は「悪星退散(あくしょうたいさん)」「善星皆来(ぜんしょうかいらい)」「コロナ終息」の文字が刻まれた丸太の両脇に並び、太鼓の音に合わせて一心に棒を振り下ろした。 たたき棒に先立ち、境内の観音堂で護摩祈祷(きとう)を行った。高木光基住職は「まさに奇祭。新型コロナウイルスが収束して世の中が切り替わる良い1年になってほしい」と話した。
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藤井聡太王将×羽生善治九段 1月8日、掛川で将棋王将戦 「まちの顔」隠れているけど…おもてなし全力
掛川市が舞台になる将棋の第72期王将戦の開幕が来年1月8日に迫った。藤井聡太王将に羽生善治九段が挑む注目度の高さから大勢の来訪者が見込まれるが、市を象徴する掛川城天守閣は修復工事でシートに覆われたまま。「まちの顔」が見えない中、市などでつくる「将棋によるまちづくり実行委員会」は関連イベントの拡充を図り、大一番に備えている。 1年前、挑戦者として同市を訪れた藤井王将が「天守が近くに見えて落ち着いた雰囲気」と評した対局場の掛川城二の丸茶室。仰ぎ見た天守閣は6月、大規模修復工事に入った。周囲に足場が組まれ、姿を隠している。 掛川城が望めない中で将棋界のスター2人を迎える王将戦第1局。市は12月
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病理解剖協力者 遺族、職員が追悼 掛川・中東遠医療センター
掛川市菖蒲ケ池の中東遠総合医療センターは23日、病理解剖の協力者を追悼する剖検慰霊祭を同センターで行った。遺族や病院職員が献花し、感謝と哀悼の意をささげた。 2021年8月から22年7月までの協力者は6人。慰霊の言葉を述べた宮地正彦院長は、新型コロナウイルス感染症への対応に触れ「関係機関と連携して医療提供体制を維持していく。今後も全ての人に質の高い医療を提供し、信頼される病院を目指す」と霊前に誓った。
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ラグビー観戦楽しんで 袋井・エコパでクリスマスイベント 東大と京大、白熱の定期戦
静岡県と関西の両ラグビーフットボール協会は24日、ラグビー観戦の魅力を発信するイベント「クリスマスはラグビーで楽しもう」(富士スパイラル工業特別協賛、静岡新聞社・静岡放送など協賛)を袋井市のエコパスタジアムで行った。メインは京都大と東京大の定期戦。県内外から大勢のファンが訪れ、熱い声援を送った。 両チームは点を取り合う白熱した試合を展開した。強烈なタックルやスクラムでの駆け引きなど好プレーが出るたび、スタンドは歓声と拍手で沸いた。2試合を行い、1軍主体のA戦は京大が43―34で勝ち、B戦は東大が37―32で雪辱した。 補助競技場では女子7人制ラグビーの大会を行った。袋井市が拠点のアザレア
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アフガンで活動中殺害 「和也の思い」形に残した14年 農業や教育の発展支援「菜の花基金」解散へ
アフガニスタンで2008年8月、掛川市出身の非政府組織(NGO)ペシャワール会スタッフ伊藤和也さん=当時(31)=が武装集団に殺害された事件で、両親が遺志を継いで設立した「伊藤和也アフガン菜の花基金」が12月末、解散する。同市内の自宅で19日、取材に応じた両親は「和也の思いを形に残せた。全国の支援の広がりに、言葉では言い表せないほどの感謝がある」と14年間の活動を振り返った。 父正之さん(75)は「この先、夫婦に何かあった時のことを考えると継続は難しい。どこかで区切りを付ける必要があった」と理由を説明した。気持ちを整理するきっかけには、ペシャワール会の現地代表だった中村哲医師の死去や和也さ
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記者コラム「清流」 かけがえのない宝もの
市民総ぐるみで教育を考える掛川市の「かけがわ教育の日」。子どもたちから「我が家の宝もの」をテーマに募った短文作品の表彰が目玉事業だったが、違和感がぬぐえない。各家庭が大切にしているモノやコト、場所に優劣を付ける必要があったのか。 親子で軌跡を振り返りながら導いた“宝もの”は、極めてプライベートな情報だ。応募の5643点は、優秀も佳作も関係なく全て尊い。市教委によると、対象や文章力ではなく共感性で評価したというが、納得できなかった。 作品集に収録された全作品から温かな情景が浮かぶ。短文募集が家族の絆を確かめ合う機会になったのは間違いない。ただ、第三者が順位付けする仕
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医療センターに車いす6台寄贈 掛川の村岡財団
青少年健全育成と高齢者福祉支援に取り組む掛川市の村岡財団は14日、中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)に車いす6台を寄贈した。村岡義夫理事長が「患者や高齢者に喜んでいただけたら本望」と届けた。 2013年に始めた取り組みで、贈った車いすは通算9回で計56台になった。同センターの宮地正彦院長は「車いすは入院や通院のサポートで非常に大事な道具。患者を助けることに役立てていく」と述べ、村岡理事長に感謝状を手渡した。
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コロナとインフル 18日から同時検査 小笠掛川急患診療所
掛川と菊川、御前崎の3市で運営する小笠掛川急患診療所(掛川市杉谷南)は18日、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時検査を開始する。日曜と祝日、年末年始(30日~2023年1月3日)に限った対応。 可動式の検査ボックスを設置して検査する。午前9時半~10時半と午後2時半~3時半に各10枠を設ける。 検査、受診には事前予約が必要。問い合わせは同診療所<電0537(61)1299>へ。
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警察犬所有者に嘱託書を交付 掛川署
掛川署は12日、警察犬所有者・訓練者の行政書士榛葉諭司さん(66)=掛川市印内=に嘱託書を交付した。任期は2023年1月1日から1年間。 6年目を迎えるベアトリス・フォン・キューナー・ヘルト号(6歳)に加えて、初めてフェスタ・ツム・アントワープ・チャールストン号(2歳)が嘱託を受けた。 いずれもシェパードの雌で、足跡追及で警察活動に協力する。 ベアトリス号は嗅覚に優れ、フェスタ号は集中力や俊敏性が特徴。 榛葉さんは「いつでも協力できるよう自身の体調管理にも万全を期していく」と話した。
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不適切保育「あってはならない」 掛川で臨時園長会
裾野市の私立保育園での園児虐待事件を受け、掛川市とかけがわ乳幼児教育未来学会は13日、臨時園長会を同市御所原の徳育保健センターで開いた。市内の保育園と幼稚園、こども園など51園の園長ら約60人が出席し、不適切な保育の防止に向けて意見交換した。 園の形態や規模に応じて9グループに分かれ、討論した。参加者は事件に関して「いまだに信じられず、つらい」などと強いショックを示した。「保育士の入れ替えがあれば異変に気付くはず。職員体制を整えることが風通しを良くして抑止力にもつながる」との指摘もあった。 「カッターナイフを見せて脅す」など確認された16の虐待事例について「あってはならないこと」との認識
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EVの特徴学び事故対応を研修 菊川市消防本部
菊川市消防本部はこのほど、電気自動車(EV)の構造と事故時の対応を学ぶ研修会を同市東横地の市消防署で開いた。救助隊員ら約40人が参加し、浜松日産自動車の担当者からEVの特徴や注意点の説明を受けた。 次世代自動車の普及を踏まえ、初めて実施した。大規模災害時にEVを非常用電源として活用する方法に加えて、交通事故に伴う救助活動での注意事項に関心が集まった。 藤堂雄斗副士長(29)は「どうしたら電力を遮断できるのか、どこを触ってはいけないのかを確認した。新しい車種や技術が生まれている。万全を期して救助活動に当たりたい」と話した。
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掛川の栗焼酎「自ら」発売 蔵元変更、甘くまろやかな味わいに 市民有志プロジェクト
掛川市の市民有志でつくる「かけがわ栗焼酎プロジェクト」が8日、同市特産の栗を使った焼酎「自ら(みずから・おのずから)」の販売を開始した。2009年から続く取り組み。今季は蔵元を変更して蒸留方法を切り替え、甘くまろやかな味わいに仕上げた。 日本酒銘柄「杉錦」で知られる杉井酒造(藤枝市)に依頼し、常圧蒸留で素材の風味を引き出した。プロジェクトを主導する山崎善久リーダー(59)は「栗のうまみが全て出た酒。掛川市のブランドに育てたい」と話した。 720ミリリットル2400円、300ミリリットル1200円(いずれも税込み)。計1200本を販売する。JR掛川駅構内の地場産品販売店「これっしか処」と同
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藤井王将と羽生九段の対局 大盤解説に申し込みが殺到 定員80人に1355件、9日締め切り 第72期王将戦7番第1局
藤井聡太王将に羽生善治九段が挑む将棋の第72期王将戦7番勝負で、掛川市の久保田崇市長は8日、同市で開かれる第1局2日目の大盤解説会の申し込みが定員80人に対して1355件(1件の応募で2人まで)に上ったと明らかにした。締め切りは9日で、応募者がさらに増える見込み。締め切り後の抽選になる。 第1局は2023年1月8、9の両日、掛川城公園内の二の丸茶室で行われ、近隣の大日本報徳社で大盤解説会が開かれる。市によると、初めて王将戦の会場になった第59期(2009年度)以降、大盤解説会が抽選になるのは藤井王将が挑戦者として臨んだ前回71期に次いで2回目。前回は定員80人に対して応募633人だった。
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ひかりのオブジェ73点 駅通り彩る 掛川、1月20日まで
掛川市の中心市街地を光の造形で彩る「掛川ひかりのオブジェ展」(実行委主催)が2023年1月20日まで開かれている。掛川駅から掛川城に延びる大通りに沿って、電飾を施したアート作品が並んだ。 23回目を迎えた冬の風物詩。地元商店街や市内外の児童、生徒らが計73点を出品した。実行委の山本和子代表は「コロナ禍でも開催を続けてきた。駅通りに光のオブジェがともることで、掛川のまちに活力を発信できる」と強調した。午後4時から午前0時まで点灯する。
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ベッコウトンボ保護 掛川西高に文科大臣賞 桶ケ谷沼(磐田)の保全尽力高い評価
環境省の絶滅危惧種に指定されている希少種「ベッコウトンボ」の保護活動に貢献したとして、掛川西高(掛川市城西)が全国野生生物保護活動発表大会で文部科学大臣賞を受賞した。産卵確認や外来植物除去など環境保全の取り組みが高い評価を得た。 同校の自然科学部とアウトドア部が2020年度から、生息地の桶ケ谷沼(磐田市岩井)で地元NPO法人「桶ケ谷沼を考える会」と連携して保護活動に取り組んでいる。自然科学部は、環境に含まれる生物由来のDNAを調べる環境DNA分析の手法で生息域の調査に尽力した。 桶ケ谷沼のベッコウトンボは保護用コンテナでの羽化が大半とみられている。自然科学部の2年佐々木太一さん(17)は
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⚽森保監督ゆかり 掛川・倉真の住民も熱く 紹介の写真展も サッカーW杯カタール大会
サッカー日本代表を指揮する森保一監督(54)とゆかりがある掛川市山間部の倉真(くらみ)地区で、サッカー熱が急速に高まっている。ワールドカップ(W杯)カタール大会で逆転劇を演じたスペイン戦(日本時間2日)から一夜明けた3日には、地区の交流施設「こんにゃく亭」で森保監督を紹介する写真展が始まった。地区住民が会場でサッカー談議を繰り広げている。 森保監督は倉真地区に実家があった母万知子さん(76)の里帰り出産で、市内の産婦人科医院で生まれた。家は移ったが、監督就任後もたびたび、先祖の墓参りのために地区を訪れているという。 「三笘選手の折り返しがすごかった」「7分間のロスタイムが途方もなく長く感
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冠水観測システムを導入 掛川市、台風15号踏まえ
掛川市は9月の台風15号で道路冠水が相次いだ事態を踏まえて、冠水状況を観測するシステムを市内7カ所に導入する。1日の市議会11月定例会一般質問で、戸塚美樹危機管理監が「河川の水位情報と同様に監視できるように準備を進める」と述べ、2022年度内に整備する考えを示した。高橋篤仁氏(創世会)への答弁。 市維持管理課によると、過去に冠水した市道のうち、避難経路になる可能性が高い地点に設置する。水位上昇のデータをインターネット上で確認できる仕組みも取り入れる。冠水の予兆を察知して、危険度が高まる前に通行を規制するなど早期の防災対応が可能になるとしている。平井良宏消防長は、消防団の分団消防センター30
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交通死亡事故受け現場診断 掛川署
掛川署はこのほど、掛川市南部で9月から10月にかけて発生した交通死亡事故2件の現場診断を行った。地元区長や行政の担当者が再発防止策について意見を交わした。 同市西大渕では、国道150号を横断中の男性(77)と乗用車が衝突し、男性が死亡する事故が発生した。現場診断に立ち会った鈴木正弘区長(67)は「車が注意するのは当然だが、歩行者も明るい服装で反射材を付けるなど自衛策が必要」と話し、同署に啓発の強化を求めた。同署管内では1月以降、5件の死亡事故が発生し、このうち3件が歩行者事故。前年1~12月の死亡事故は3件だった。
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110周年の節目祝う 菊川・小笠高校 記念式典に同窓会役員ら
小笠高の創立110周年記念式典が25日、菊川市本所の菊川文化会館アエルで開かれ、全校生徒や教職員、同窓会役員ら約700人が節目を祝った。 実行委員長の永井正同窓会長は、二宮尊徳の報徳思想に基づいた校訓「至誠実行」に触れ「110周年を機に改めて校訓の意味を考えてほしい。頑張る生徒をこれからも応援していく」と述べた。生徒会長の2年松本璃子さんは「小笠高生としての誇りを持ち、学校全体を明るく元気にしていく」と誓った。 劇団静岡県史による記念公演も行われ、出席者は演劇「二宮金次郎物語」を鑑賞した。同校の前身は1912年創立の小笠農学校。1995年に現校名に変更になった。
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音楽鑑賞中の地震に備える 掛川で避難訓練コンサート
掛川市大坂の市文化会館シオーネでこのほど、音楽鑑賞中の地震発生に備える「避難訓練コンサート」が開かれた。スタッフの対応力向上と避難経路の検証などが主な狙い。 大浜、城東の市内2中学校の吹奏楽部と大東吹奏楽団の3団体が出演した。地震発生は1曲目の合同演奏の終盤。緊急地震速報のアラーム音が鳴ると、約200人の聴衆と出演者は座席の間などにしゃがみ込み、手荷物で頭を守った。停電後に非常照明が点灯すると、職員の誘導に従って屋外に避難した。 訓練後は通常のコンサートを堪能した。講評した市消防本部の職員は、拡声器などを使わないと職員の指示が届きにくい点を指摘し、来場者には入場時の非常口と避難経路の確認
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怒らない指導に挑戦を かけがわ教育の日 益子直美さんが講演
掛川市と市教育委員会などは19日、市の教育を考える「かけがわ教育の日」の記念行事を同市御所原の市生涯学習センターで開き、元バレーボール女子日本代表の益子直美さんが講演した。「豊かなスポーツライフを実現するために」と題して、選手の成長を重視したスポーツ指導の重要性を強調した。 益子さんは、2015年から取り組んでいる「監督が怒ってはいけない大会」を紹介した上で、勝利至上主義に陥りがちな指導法に警鐘を鳴らした。「選手を褒めることは、努力の過程を見てきた監督しかできないこと。怒りを使わなくても勝利と育成の両方が手に入る指導法があるはずだ。挑戦してほしい」と述べ、価値観の見直しを求めた。 教育関
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DX推進 人材育成へ 掛川で知事、西部首長サミット
川勝平太知事と県西部8市町の首長が意見交換する西部地域サミットが17日、掛川市内で開かれた。持続的な地域の発展に向けて、デジタル技術を変革につなげるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と新技術に精通した人材の育成が不可欠との認識で一致し、連携を深める方針を共有した。 開催地の久保田崇掛川市長は、市のDX推進の取り組みを説明した上で「どこの市町でも、庁内に『デジタルは担当部署に任せればいい』という雰囲気がある」と指摘し、研修の広域連携を提案した。大場規之袋井市長も同調し「共通課題が多く、デジタル人材を共有することが人材不足の解決につながる」と専門人材のシェアリングを呼びかけた。
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掛川の園児 チューリップの球根 1200球植え付け
掛川市家代の認定こども園「桜木こどもの森」の3~5歳児75人が15日、近隣の遊休農地でチューリップの球根の植え付け作業に取り組んだ=写真=。地元農家でつくる環境保全グループ「桜木西美農里ネット」が協力した。 約500平方メートルに1200球を植え付けたほか、菜の花とレンゲソウの種もまいた。来春の開花期には、花摘みを楽しむ。グループで事務局を務める村松武さん(67)は「子どもたちが登降園のたびに植物の成長を観察できる。地域全体が明るくなる」と話した。植え付けは8月のヒマワリとコスモスに次いで2回目。今後も季節に合わせた作付けを進めて、地域を景観植物で彩る構想を描いている。
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石原良純さん「空は身近な大自然」 掛川で講演
東遠地域労働者福祉協議会は15日夜、掛川市御所原の市生涯学習センターで2022年度の文化講演会を開き、俳優で気象予報士の石原良純さんが「空を見よう!」と題して話した。年間を通して多様な表情を見せる空の魅力を解説し「ストレスを感じた時はぜひ、空を見上げてほしい」と呼びかけた。 石原さんは、気象学を学び始めた当時を振り返り「おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさがあった」と表現した。頭上に広がる空を「どんな海よりも大きく、どんな山よりも高い大自然」と位置付け、癒やし効果を説明した。亡くなった父の石原慎太郎さんや俳優渡哲也さんらとのエピソードの数々も紹介して、約500人の来場者を沸かせた。
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掛川工高が60周年式典 持続的発展へ決意
掛川工業高の創立60周年記念式典が17日、掛川市御所原の市生涯学習センターで行われた。生徒や卒業生、歴代校長ら約600人が出席して節目を祝い、持続的発展に向けて決意を新たにした。 実行委員長の山崎次広同窓会長は、同校の歩みを振り返り「地域産業界の期待に応えるのが責務。ものづくりを通した人づくりを発展させて、外部に発信すべきだ」と述べた。鈴木学校長は「国際社会に通用する人材育成を目指して努力を重ねていく」と強調した。 記念講演には、東京パラリンピック自転車女子ロード種目2冠の杉浦佳子選手(掛川市出身)が登壇した。「自分の限界を超えていこう!」と題して、苦境に負けない前向きな思考法を紹介した
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二宮尊徳の報徳思想伝える 掛川の3団体が冊子発刊、市内で販売
掛川商工会議所と大日本報徳社、これっしか処の掛川市内3団体が、二宮尊徳の報徳思想を分かりやすく解説した冊子「こころが元気になる17の言葉」を発刊した。教えの中から抽出したポイントを「ほうとく17条」と銘打って整理した。 振り仮名を付けた易しい文章で各条文をまとめて、パステル調のイラストを配置した。同商議所の担当者は「企業理念や個人の心のよりどころになる言葉が詰まっている。報徳の教えを学ぶ入り口として手に取ってほしい」と話す。 A5判34ページで1冊500円(税込み)。同商議所と大日本報徳社、これっしか処、高久書店の市内4カ所で販売している。
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税に関する絵はがきコンクール 平野さん最優秀 掛川法人会
掛川法人会が掛川と菊川、御前崎の3市の小学6年生を対象に実施した「税に関する絵はがきコンクール」で、最優秀賞の掛川税務署長賞に掛川市立城北小の平野杏莉さんの作品が選ばれた。 3市の28校から989点の応募があった。優秀作品は20日まで、掛川市生涯学習センター(同市御所原)で展示している。 最優秀賞を除く主な入賞者は次の通り。 掛川法人会長賞 松尾姫奈(御前崎)▽掛川法人会女性部会長賞 渡辺仁奈(菊川六郷)▽磐田財務事務所長賞 牧野杏莉(掛川西山口)▽掛川市長賞 安斎心海(同)▽菊川市長賞 石川音彩(菊川横地)▽御前崎市長賞 栗林和賀子(御前崎白羽)▽東海税理士会掛川支部長賞 渡部美嘉(
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茶況(11月10日)御林茶業組合など「キング」 掛川「天葉プレミアム」審査
掛川茶振興協会(会長・久保田崇掛川市長)は10日、最高級深蒸し掛川茶「天葉(あまね)プレミアム」の中から最も評価が高い茶葉「キングオブ天葉」を選定し、市役所で生産者を表彰した。 受賞したのはやぶきたが御林茶業組合(杉本樹彦組合長)、つゆひかりは山東茶業組合(伊藤智章組合長)、さえみどりは山喜製茶組合(青野明之組合長)。各代表が久保田市長から表彰状を受けた。 天葉プレミアムは、生産技術の向上や消費拡大を狙った最高品質の掛川茶ブランド。審査会で選ばれた茶葉を優良掛川茶品評会で優勝した茶師が火入れ仕上げ加工する。JR掛川駅構内「これっしか処」、JA掛川市茶直売所「お茶処いっぷく」(同市弥生町)
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家康ゆかりの3城、PR強化 掛川市、特設サイトを開設
掛川市は2023年放送の大河ドラマに合わせて、徳川家康にゆかりのある掛川、高天神、横須賀の市内3城のPRを強化する。拡張現実(AR)や仮想現実(VR)の技術を使って戦国時代の高天神城を復元するほか、特設サイトで歴史的背景を紹介する。 掛川城は、こもる今川氏真を家康が攻め立てた「掛川城攻め」の舞台。高天神城は徳川氏と武田氏が激しい攻防を繰り返したことで知られている。横須賀城は家康が築いた高天神城攻略の拠点。市は合戦を紹介するパンフレットを作成し、市民や観光客に発信する。 講演会や高天神城と周辺のとりでを周遊するサイクルイベントなども開催する。市内3城の知名度向上を図り、旅行情報「じゃらん」
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「来るたび元気もらう」 ジャズピアニスト小曽根さん、掛川・ねむの木学園で演奏
世界で活躍するジャズピアニスト小曽根真さんが7日、掛川市上垂木のねむの木学園を訪れ、利用者に演奏を届けた。「ここに来るたびに元気と生きる力をもらっている」と語り掛け、再訪を約束した。 小曽根さんは学園創設者の故宮城まり子さんと共通の知人を介して知り合ったのが縁で、たびたび同学園を訪れている。「ただいま」とあいさつしながら音楽仲間2人と共に入場し、即興曲やオリジナル曲を演奏した。利用者は手拍子を交えて鑑賞し、歌とダンスで返礼した。 小曽根さんは7月に兵庫県内で開かれたコンサートの帰路も単独で同学園に立ち寄り、利用者に「次は友人と一緒に演奏を披露する」と約束していた。
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救急隊の応援態勢強化へ 12月、東遠3市消防が協定
掛川と菊川、御前崎の東遠3市の消防本部は12月、市境をまたいだ救急隊の応援態勢体制の強化などを盛り込んだ協定を締結する。近隣消防との連携・協力の取り組みを発展させて、圏域の消防力向上を図る。 掛川市消防本部が9日、同市議会全員協議会で説明した。協定は、複数の救急要請で保有する救急車が全て出動した際、近隣消防が応援出動する内容。 消防車や救助工作車が車検などで出動できない場合には、情報を共有して応援態勢を構築する。訓練や講習会などは対象者を圏域内に拡大して合同開催することも盛り込む。 将来的な消防広域化を見据えた対応。東遠地域では2011年に消防救急広域化検討会を設置したが、効果が薄いと
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災害復旧費追加 予算専決処分を承認 掛川市議会
掛川市議会は8日、臨時会を開き、9月の台風15号に伴う災害復旧費として9億3千万円を追加した一般会計補正予算の専決処分を原案通り承認した。 市内各地で発生した農林道被害の復旧事業費、断水が問題化した大和田と泉の2地区の簡易水道事業支援費などが含まれる。
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DX推進支援や空き店舗対策 市に要望 掛川の商工2団体
掛川市の掛川商工会議所と掛川みなみ商工会は7日、デジタル技術を変革につなげるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の助成制度創設や空き店舗対策などを求める要望書を市に提出した。同商議所の藤田哲男会頭と同商工会の平松季哲会長が届けた。 9月の台風15号に伴う被害を踏まえて、風水害対策の強化や建設業界支援を求めた。市教委が検討している市内中学校の制服統一化については、生産・販売体制の調整を要望し、具体的な取り組みとして早期のデザイン・仕様の決定や指定品と推奨品のリスト化を挙げた。 市南部地域の振興に関しては、同商工会の事務所統合に伴って新たな活用策が検討されている大須賀支所会館を地域活
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天浜線桜木駅 副駅名「ヤマハピアノのふるさと」看板除幕 掛川
天竜浜名湖鉄道が桜木駅(掛川市富部)の愛称に関する命名権契約をヤマハと締結し、7日に駅名看板の除幕式を行った。副駅名は「ヤマハピアノのふるさと」。看板デザインに、駅名に含まれる桜の花と音符、ピアノの鍵盤を配置した。2025年3月末まで採用する。 最寄りに立地するヤマハ掛川工場は、同社の国内唯一のピアノ製造拠点。式典で市川知規工場長は、グランドピアノの製造工程の見学に年間1万2千人が訪れていることを紹介し「責務を果たし、地域と共に歩み続けていく」と強調した。天浜線の松井宜正社長は「産業観光のモデル地にしたい」と話した。 命名権契約で副駅名を取り入れた駅は9駅目になった。
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ウクライナから掛川避難の2人 市長と面会「観光で来たかった」 複雑な胸中を明かす
掛川市に暮らすウクライナ人の会社員トリティアコブ・マクシムさん(32)を頼り、同国から避難した母タチアナさん(53)と幼なじみのウンニチェンコ・ドミトリーさん(32)が6日、掛川市役所に久保田崇市長を訪ね、市の支援に謝意を示した。過去に2度の来日経験があり、再訪を願っていたというタチアナさんは「避難者としてではなく、観光で来たかった」と複雑な胸中を明かした。 タチアナさんはロシアが一方的に併合を宣言したウクライナ南部ヘルソン州からスロバキアを経由して10月下旬、来日した。物資の不足など現地の窮状を伝えた上で「戦争はすぐに終わると思っていた。息子夫婦や孫に会えて安心だが、早くウクライナに戻り
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静岡人インタビュー「この人」 自転車「塩の道」ルート実走調査を主導した 佐藤雄一さん(掛川市)
静岡県サイクルツーリズム協議会事務局長。自転車人口の増加とニーズの多様化を受けて、ガイド付き自転車旅の普及に注力する。各地の道や景観、食に精通したローカルサイクリストに着眼し、社会参画を促す構想も練っている。コンサルティング業「コンセプト」社長。60歳。 ―県内の特徴をどうみるか。 「日本有数のバラエティーに富んだゲレンデだ。サイクリストが求めるのは、面白い道と美しい景観、おいしい食の3要素。県内は東部と中部、西部でそれぞれ地形や風土が異なり、食材も豊富。初心者からベテランまで楽しめる道がある」 ―サイクルツーリズムの現状をどう捉えているか。 「ロードバイクの台頭とともに、長距離を走
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「乗り越える力が大事」 東京五輪ソフト「金」山崎さん(掛川出身) 原田小児童に講演
東京五輪ソフトボール日本代表金メダリストの山崎早紀さん(30)=掛川市出身=が1日、同市の原田小で講演した。全校児童約50人に夢を追い続ける大切さを伝え「壁にぶつかっても乗り越える力が大事」と強調した。 ソフトボールを始めたきっかけや東京五輪での思い出などを振り返った。児童全員に金メダルに触れてもらい「失敗の経験はとても重要。努力を心から楽しんで、一歩ずつ階段を上ってほしい」と呼びかけた。 一流アスリートを学校に派遣する県教委の「オリンピック・パラリンピックレガシー教育推進事業」の一環。児童は山崎さんとともにキャッチボールやバッティング練習を楽しみ、交流を深めた。
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地場産業PR 掛川みなみ商工会 11月19~27日に大人の職業体験ツアー
掛川市の掛川みなみ商工会は11月19~27日、地域企業の職人を訪ねる「大人の職業体験ツアー」を開く。老舗のしょうゆ醸造所や布団店などを訪ねる。地場産業の魅力の再発見を促し、地域の振興につなげる狙いがある。 和洋菓子職人を訪ねる「スイーツ職人」、しょうゆと豆腐の製造工程を学ぶ「大豆職人」など5コース16ツアーを用意する。28日に行った先行体験会には、行政や商工会関係者ら13人が参加し、対象事業所を回った。200年以上の歴史を持つ栄醤油醸造(同市横須賀)では、もろみをかき回す作業やしょうゆ搾りに臨んだ。 参加者からは「毎日使う調味料なのに、製造過程を見るのは初めて」「これからも伝統を守ってほ
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男女共同参画と予算編成で要望書 菊川市議会、市長に提出
菊川市議会は27日、男女共同参画と2023年度当初予算編成に関する2種類の提言書を長谷川寛彦市長に提出した。政策討論会で議論を重ねた男女共同参画については「性別役割分担の無意識な思い込みを取り払うことが必要」として、戦略的な広報を求めた。 女性が働きやすい職場環境の整備に向けて、市内事業所への働き掛けも要望した。市が実施している子育て世代対象のアンケートに触れ、意見や要望を直接聞く場を設定するよう検討を促した。 予算編成に関しては、市総合計画に沿った5分野で要望をまとめた。風水害対策では、地域防災計画と水防計画の一体性が必要とした上で、配備体制の充実や資機材の確保など安心安全につながる施
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掛川市消防本部 高性能ドローンを導入 荒天や夜間も飛行可能
掛川市消防本部は27日までに、高性能な小型無人機ドローンを導入した。自動航行システムを備え、荒天時や夜間、地形が険しい場所での運用も可能になる。同日、掛川市掛川の中央消防署で試験運用を行い、職員が操作手順を確認した。 自動航行のドローン導入は県西部初。風速15メートルにも耐えられる仕様で、サーチライトや赤外線カメラも搭載している。撮影した映像を立体画像として再現できるほか、距離の測定も可能。災害時の状況把握や山間部での捜索活動で有効性が発揮できるとしている。 機体は約350万円。市が若手職員から事業提案を募った予算枠「未来チャレンジ枠」で導入が実現した。操縦に必要な研修を終えた消防職員は
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島田掛川信金と2社 脱炭素推進で協定 掛川
島田掛川信用金庫は27日、三井住友海上火災保険(東京)と三井物産子会社のe―dash(同)の2社と脱炭素推進に関する協定を締結した。両社のノウハウを活用して取引先企業の脱炭素経営をサポートする。 普及啓発と取り組み支援のほか、脱炭素推進に関連する情報を企業に提供する。効果的な推進に向けて、定期的に協議の場を設けることも協定書に盛り込んだ。取引先を対象にしたセミナーなども手がける計画。三井住友海上火災保険との調印式では、伊藤勝英理事長が同社の谷口健一静岡支店長と協定を交わした。伊藤理事長は「脱炭素は持続可能な開発目標(SDGs)達成に欠かせない重要なテーマ。支援態勢を強化できる」と話した。
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事任八幡宮の宝物を初公開 掛川・二の丸美術館、12月4日まで
掛川市掛川の市二の丸美術館で12月4日まで、事任(ことのまま)八幡宮(同市八坂)の歴史と文化を紹介する特別展「事任八幡宮と日坂宿」(静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。同神社所蔵の宝物や古文書を初公開した。 同神社に伝わる資料約2千点のうち、近世以降の約40点を展示している。目玉は御朱印帳の表紙デザインにも使われている羅陵王之絵(らりょうおうのえ)。木製の神馬「風難除祈祷神馬(ふうなんよけきとうしんめ)」や朱印箱なども並ぶ。同美術館所蔵の浮世絵や旅道具などを合わせて展示した。 同神社は、言葉のままに願いがかなうパワースポットとして人気を集めている。同美術館は「初公開の資料から、神社
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佐藤教育長が私案「土曜の教育活動を推進」 掛川市総合教育会議
掛川市総合教育会議は26日、2022年度の初会合を市教委で開き、社会情勢の変化を踏まえた教育現場の対応について意見を交わした。佐藤嘉晃教育長は私案と前置きした上で「民間や地域の力を借りて土曜日の教育活動を推進したい」と提起した。 佐藤教育長は、平日に働いている保護者への配慮から土曜に授業参観などを行う動きがあることを紹介した。その上で「参観はオンラインで対応できる。そのことよりも、子どもが学習活動を広げられるようにしていきたい」と述べ、地域との連携で学びを深める環境づくりを検討する考えを示した。 市と市教委は、中学校区を一つの学園と見立てて小中一貫教育に取り組む「学園化構想」を検討中。家
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記者コラム「清流」 地域に根ざした温泉施設
台風15号の影響で掛川市山間部が断水に見舞われた直後、地元の温泉施設「ならここの湯」が住民を対象に施設の無料開放を決めた。地域を歩くと、稲刈りの真っ最中。農作業の繁忙期に災害の片付けが加わって連日、泥と汗にまみれる住民は大勢いた。英断だったと思う。 利用した男性は「両手で顔を洗うことがこんなに気持ちがいいとは思わなかった」と繰り返した。水が止まった日は、ペットボトルの水を片手で受けて顔を拭ったという。実感がこもった言葉から、水の大切さと入浴が心身に与える影響を再認識した。 癒やしの場の提供を即決して被災住民に寄り添った一連の対応から、ならここの湯の姿勢もよく分かった。キャンプ場が隣接して
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掛川・南郷地区にこども食堂 住民が調理配膳、交流の場に
掛川市の南郷地区福祉協議会が22日、同市上張の南郷地域生涯学習センターに「なんごうすくすくこども食堂」をオープンした。地域住民の交流機会の創出が狙い。地区で暮らす中学生以下の子どもたちに毎月1回、昼食を無償提供する。 初回のメニューはカレー。賛同する住民や地域企業から多くの食材の寄付があり、多種類の野菜を使ったサラダとメロンも添えた。地区住民や高校生がボランティアとして調理と配膳に当たり、スプーンを口に運んだ子どもたちから「おいしい」と感嘆の声が上がった。 同協議会児童福祉部の田中恭子部長(67)は「楽しく交流できる場として長く続けていきたい」と話した。
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実りの秋を体感 菊川・千框棚田で稲刈り オーナーら275人参加
美しい田園風景が広がる菊川市倉沢の千框(せんがまち)棚田で22日、稲刈りが始まった。保全に取り組むNPO法人せんがまち棚田倶楽部のメンバーや棚田オーナー制度登録者ら275人が稲を刈り、実りの秋を体感した。 参加者は豊かに実ったもち米品種「葵美人」を丁寧に刈り取り、麻縄でまとめてはざ掛けした。収穫作業は23日も行う。29日まで乾燥させた後、同NPOが脱穀と精米を行い、オーナーに発送する。 千框棚田は農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定されている。同NPOの山本哲理事長は「猛暑や多雨、台風と心配は多かったが、病害虫被害もなくたくましく実ってくれた」と収穫を喜んだ。
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横須賀街道が「美術館」に 掛川、古民家や商店にアート作品
掛川市景観形成重点地区の風情あふれる街並みを舞台にした「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」(遠州横須賀倶楽部、掛川観光協会大須賀支部主催)が21日、同市横須賀地区で開幕した。街道沿いの古民家や商店など51会場に県内外の作家72人が出品した。23日まで。 1999年に始まり、22回目を迎えた秋の風物詩。街道沿いの住民や商店主らが軒先や土間などを開放し、約2キロの仮想美術館を実現した。ジャンルは絵画や造形、インスタレーションなどさまざま。来場者はゆっくりと街道を散策しながら、作品鑑賞や作家との交流を楽しんでいる。 「HITOMI」のアーティスト名で活動する画家御手洗仁美さん(浜松市南区)は初参
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高齢で生き生き「エイジレス章」 掛川市の小原さん、市長に報告
年齢にとらわれずに生き生きと生活する「エイジレスライフ」の実践者として、掛川市連雀の地域安全推進員小原栄一さん(75)が内閣府特命担当大臣表彰のエイジレス章を受けた。このほど市役所を訪れ、久保田崇市長に受章を報告した。 小原さんが地域安全推進員の委嘱を受けたのは1996年。防犯キャンペーンや子どもの見守りを続けるなど安全なまちづくりに尽力し、2020年に県地域安全推進員連絡協議会長に就いた。小原さんはこれまでの歩みを報告し「26年間、地域の応援のおかげで活動できている」と感慨を深めた。 久保田市長は「人生を懸けた功績が国に届いた」と共感を寄せた。同席した掛川署の菊地邦宏署長は「管内は防犯
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渓流釣り愛好家が交流 掛川で集い ニジマス放流、講習も
掛川市北部の原野谷川に渓流釣りの愛好家が集う「原野谷川トラウトファンミーティング」(原野谷川漁協主催)が15日、同市大和田のいいとこ広場で始まった。16日まで、交流会や釣りの講習会などを展開する。 ニジマス120キロの放流で幕を開けた。愛好家や漁協関係者、出展した釣り具メーカーの担当者らが上流部で分散して放した。愛好家が持ち寄った不要な釣り具の即売会も行い、売り上げを放流資金に充当した。 16日は午前9時に開場し、2チームに分かれて釣った数を競う大会や、和式毛針を使うテンカラ釣りの講習会などを行う。
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防災ガイドを改訂 掛川市、全戸配布 避難計画作成を
掛川市は防災ガイドブックの改訂版を発行し、市内全戸への配布を始めた。最大規模の洪水浸水想定をハザードマップに反映したほか、南海トラフ地震臨時情報に基づく対応なども盛り込んだ。改訂は7年ぶり。 家庭ごとに避難計画を作成してもらうことを最優先し、計画づくりの書式に改善を加えた。避難所での生活は心身に負担が大きく、災害関連死につながる危険性があるとして、在宅避難や親類・知人を頼る縁故避難など「分散避難」を推奨する項目も設けた。市は、県第4次地震被害想定で示された死者800人をゼロにする目標を掲げている。市危機管理課は「自宅周辺の被害想定を確認して避難計画の作成に役立ててほしい」としている。
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14作家が長期滞在で創作 掛川・原泉アートデイズ開幕 10会場で展示
掛川市原泉地区の茶工場や空き家を舞台にした広域アート展「原泉アートデイズ」(原泉アートプロジェクト主催)が13日、開幕した。5年目を迎えた今回のテーマは「時間を考える」。国内外の14作家の作品を地区内10会場で展示している。11月27日まで。 作家が地区に1カ月以上滞在して創作した作品を展示するのが特徴。山あいの風景から得た着想やアーティスト同士の交流で受けた刺激がにじむ絵画や造形作品が集まった。 5年連続で参加した野々上聡人さんは、迫力の作品群「禍星magaboshi」を出品した。初参加の和田峻成さんの立体作品「あらわれたガーデン」は、展示会場の製茶工場で独特の世界観を生み出している。
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跳び箱の大技披露 ギネス記録の大山さん 掛川・千浜小で授業
掛川市の千浜小は13日、跳び箱のギネス世界記録保持者大山大和さん(38)を招いた特別授業を開いた。大山さんはパフォーマンスや実技指導、講話を通じて、全校児童に夢や目標に向かって努力する大切さを伝えた。 低学年の授業では、鬼ごっこなどで児童と一緒に体を動かした。跳び箱を実演し「怖い人は跳び越えなくていい。最初は跳び箱の上にまたがるだけで十分」などと上達のポイントを助言した。アクロバティックな技の数々を披露したほか、23段(約3メートル)の跳躍も成功させた。 体操選手として五輪出場を目指した自身の歩みも紹介した。「跳び箱なら誰にも負けない自信がある。誰よりも練習してきたから」と述べ、スポーツ
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今季のイチゴ初出荷 JA遠州夢咲、静岡県内先陣切る
JA遠州夢咲は12日、静岡県内JAの先陣を切って今シーズンのイチゴの出荷を始めた。昨年より6日遅い。掛川市大坂の大城青果物流通センターに管内の2生産者から紅ほっぺ146パックが届き、静岡県内や首都圏の市場に発送した。 同センターでは、スタッフが色や形状などを慎重にチェックした。集荷場に持ち込んだ御前崎市の生産者大松真さん(38)は「夏場の天候不順で苗作りに苦労したが、その後は順調。甘みと酸味のバランスが良く、おいしいイチゴに育った」と話した。 同JAいちご委員会に所属する生産者は144人で、栽培面積は約35ヘクタール。出荷は12月ごろに本格化し、来年3月にピークを迎える。生産は7月上旬ご
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東遠5ライオンズクラブ フードバンクに食品寄贈
東遠地域の5ライオンズクラブ(LC)は9日、フードドライブ事業として段ボール箱30個分の食品を認定NPO法人フードバンクふじのくにに贈った。掛川LCの岡崎毅ゾーンチェアパーソン(36)は「取り組みが会員に浸透してきた。困っている人に行き渡ってほしい」と話した。
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421キロ 全国2位の巨大カボチャ 掛川花鳥園で展示
掛川花鳥園(掛川市)が栽培した巨大カボチャ「アトランティックジャイアント」が、重量を競う全国大会で2位を獲得した。同園はこのほど、園内でカボチャの実物やトロフィーなどの展示を開始した。ずっしりとした重量感が来園者の注目を集めている。 全国大会は9月18日に香川県内で開かれた。同園が出品したカボチャの公式記録は421・1キロ。大会10日前の収穫時は428キロあったが、水分が飛んで約7キロ軽くなった。優勝は山梨県内で生産された427・4キロ。 ハロウィーンの31日まで展示する予定。年末から次回大会に出品するカボチャの栽培準備を始める。佐藤和正副園長(41)は「土壌づくりや管理方法を工夫して優
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浦安の舞、厳かに 掛川祭が開幕 3年ぶり屋台復活
掛川市中心部の7神社と氏子41町の合同祭礼「掛川祭」が7日、開幕した。9日まで。豪華な屋台の引き回しやにぎやかなおはやしが3年ぶりに復活し、市街地を盛り上げる。 初日は各神社で神事が執り行われた。同市下西郷の龍尾神社の宵祭には、19町の氏子総代ら約50人が集まり、祭りの始まりを祝った。城西地区の5、6年女子児童5人は浦安の舞を奉納した。装束姿で厳かな舞を披露して、幻想的な雰囲気を演出した。 今年の掛川祭は3年に1度の「大祭」ではなく、通常の「小祭」に当たる。新型コロナウイルス対策で、期間中の屋台引き回しなど祭典行事の実施は各町の判断に委ねた。8、9の両日は午前9時から午後9時まで、市中心
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床上・床下浸水23件 掛川市、3世帯が市営住宅に 台風15号
掛川市の久保田崇市長は7日の定例記者会見で、台風15号の影響による浸水被害が床上13件、床下10件に上ったことを明らかにした。浸水や土砂流入の被害を受けて、3世帯が市営住宅に移ったという。今後の調査で被害件数の増加が見込まれるとしている。 人的被害は1件。同市遊家で発生した土砂崩れで住宅が倒壊し、住人の男性(45)が死亡した。市によると、市内の自然災害による死者は1990年台風20号以来、32年ぶり。久保田市長は「尊い人命が失われたことを重く受け止めている」と述べた。 道路被害は県道4カ所、市道131カ所、農道36カ所など。河川では67カ所で護岸崩壊などの被害が発生した。市は7日までに、
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仮想空間で施策、効果的に 掛川市検討、疑似体験し立場理解
掛川市はデジタル化推進の一環で、インターネット上の仮想空間に着眼した施策展開の検討に着手した。福祉や防災、観光交流など多分野でVR(仮想現実)の臨場感とアバター(自分の分身)によるコミュニケーションを効果的に生かせる取り組みを探り、市民サービスの向上につなげる。 「想像以上にリアルだ。何の違和感もなく没入できる」。10月初旬、市長と2人の副市長、教育長の市特別職三役がVRゴーグルを装着して臨んだ会議で、久保田崇市長はデジタル活用の可能性を追求する考えを示した。佐藤嘉晃教育長は「学校では危険を伴う理科実験がどんどん削られている。仮想空間なら実験が可能だ」と教育現場への導入に期待を込めた。
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交通安全宣言書を提出 掛川署に中東遠総合医療センター
秋の全国交通安全運動に合わせ、中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)はこのほど、掛川署に交通安全宣言書を提出した。職員994人の署名を添え、飲酒運転をせず走行中は携帯電話を使わないことなどを誓った。 宮地正彦院長が同署を訪れ、菊地邦宏署長に手渡した。宮地院長は「病院は交通事故の悲惨さを知っている。ルールの順守で人の安全も守ることができる」と話し、引き続き啓発に努める姿勢を示した。 菊地署長は「日ごろから高い安全意識を持っていて心強い」と期待を寄せた。
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生活用水の供給始まる 掛川・大和田地区 台風15号豪雨災害
台風15号の影響で断水が続く掛川市大和田地区で28日、簡易水道が仮復旧し、生活用水の供給が始まった。飲用には適さないため、市は大和田公会堂と孕丹公会堂での給水タンク設置を継続する。 市水道課によると、大和田簡易水道の供給先は80世帯で、約170人が影響を受けているとみられる。断水していた泉簡易水道は27日に復旧した。
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民間公募で就任半年 掛川市の石川副市長「DX推進のギア上げる」
静岡県内初の民間公募副市長として掛川市に登用された石川紀子副市長は10月、就任から半年を迎える。デジタル技術を活用した変革「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や働き方改革を主導して、課題抽出を図ってきた。行政DXのビジョンと全庁改革の狙いを聞いた。 ―市の現状と課題をどうみるか。 「地域のために尽くす市民が多く、職員も市民目線で献身的に働いている。協働と共創の土壌がある。一方で、市の業務は精査が必要だ。長年の慣例を職員の努力で維持している実態がある。本当に市が担うべき仕事なのか、職員が本来の仕事に専念できているのか、解かなければならない課題が見えてきた」 ―地方行政のデジタル化
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被災住民に温泉無料開放 掛川・ならここの湯「心身癒やして」
台風15号の影響で、掛川市原泉地区の一部は27日も断水が続いた。地区内の温泉施設「ならここの湯」(同市居尻)は近隣の断水発生を受けて、不便を強いられる住民を対象に施設を無料開放し、片付けや稲穂の収穫で汗まみれになった住民を癒やしている。 原泉地区では、大和田と泉の2簡易水道で断水が発生した。泉は同日に解消したが、大和田は復旧の見通しが立っていない。依然、約170人が影響を受けているとみられる。 ならここの湯の無料開放は25日から。26日までの2日間で延べ140人が利用した。施設の野口さよ子支配人は「地域への恩返し。気持ちも沈んでいると思うが、温泉で疲れを取って心身を癒やしてほしい」と話す
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記者コラム「清流」 若者呼ぶまちづくりを
いくつかの取材先で、JR掛川駅構内へのコメダ珈琲店開業について尋ねられた。掛川市中心部には、くつろげる喫茶店がほとんどない。皆、出店を歓迎し、オープンを心待ちにしているようだった。 青春まっただ中の若者はどこで過ごしているのだろう。気になって高校生のグループに聞いたことがある。一様に困った表情で笑った。居酒屋に挟まれた老舗ラーメン店や少し離れた回転ずしチェーンを挙げる生徒もいたが、たまり場として使うには少し落ち着かない気がする。 市街地を回遊する若者は都市活力の象徴だと思う。駅周辺に都市機能や観光名所が集まる掛川市はコンパクトシティーの素地がある。一方で、若者の姿は閑散。コメダ出店の関心
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災害に強いまち議論 掛川・大浜中 白地図使い実習
掛川市大坂の大浜中の生徒が26日、同校で防災学習に臨んだ。地域防災訓練(12月4日)への参加に向けて、全校生徒271人が災害に強いまちの特性や危険箇所について話し合った。 生徒は小グループに分かれて、架空のまちの白地図に住宅地や学校、病院、石油コンビナートなどを配置する実習に取り組んだ。3年永坂羽渚さん(14)は「工場などの場所をどうするか、メリットとデメリットを考えた。自分たちが住んでいる地域と重ね合わせて、災害に強いまちづくりを考えていきたい」と話した。 ビデオ会議システムを使って、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県宮古市の職員の講話にも耳を傾けた。同校は6月以降、校区の各区長と
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茶況(9月22日)中山茶業組合 秋茶を手摘み 掛川
掛川市佐夜鹿の中山茶業組合(鈴木将弘代表理事)は22日、地区内5カ所の茶園で「秋摘み茶」の摘採を行った。組合員と家族ら約30人が丁寧に手摘みした。 昼夜の寒暖差や霧の影響を受ける地区の茶は、こくのある深い味わいと豊かな香りが特徴。鈴木代表理事は「夏場の気温が高く芽伸びの調整に苦労した。飲みやすい茶に仕上がるはず」と話した。 手摘みは40年以上続く恒例行事。県内の茶商を通じて全国に届けられる。
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政策提案型の姿を追求 掛川市議会 松本均さん【議長に聞く】
掛川市議会の運営を担い、改革の加速を主導する。当局への提言を磨き上げ、各常任委員会が年間テーマを決めて調査研究する同市議会独自の政策立案活動を改善した。長年の議論をまとめ、議員全員参加の予算決算常任委も設置した。「市政の監視とチェックは大事だが、議員である以上は政策提言や議員発議の条例案を積極的に考えていく」と、提案型議会の理想像を追求する。 同市議会の政策立案は、各常任委が所属議員間でテーマを定め、年間を通じて案を練るのが特徴。全9中学校区で議会報告会を開き、市民意見も反映させた上で提言する。「各議員が専門性を高める場になっている」と意義を強調する。 ただ、国の政策転換や議員の多忙化の
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稼働目標を1年前倒し 掛川、菊川の新廃棄物施設
掛川、菊川両市の衛生施設組合が計画する新たな廃棄物処理施設で、同組合は21日、新施設を2030年4月に稼働させる目標を示した。当初予定より1年前倒しになる。現施設の解体跡地ではなく、隣接地への建設を進めることで工期短縮が可能と判断した。23年4月に組合内に建設プロジェクトチームを設置する。 同日の組合議会臨時全員協議会で説明し、計画変更が了承された。21年1月策定の基本構想で示した産業廃棄物の受け入れや民設民営の運営方式を撤回し、現施設と同様に一般ごみだけを処理する施設として建設する。組合と両市は23年度中に、施設整備基本方針やリサイクルの方向性を示す計画を策定する。設計の業者選定は24年
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磐田の中小経営支援企業 小田製作所を承継 島田掛川信金が支援
中小企業の経営支援を手掛けるものづくり次代承継(磐田市)が軸受け切削加工の小田製作所(御前崎市)の経営を引き継ぐ株式譲渡契約が20日までに、成立した。ものづくり次代承継の深見剛彦社長(39)が小田製作所の社長を兼任する。 小田製作所は1978年創業。2代目の小田芳久社長(63)は顧問に就く。小田氏によると、後継者不在を理由に約10年前、事業承継の検討に着手した。全従業員約20人の雇用維持と取引先に影響を及ぼさないことを条件に、引き継ぎ先を探していた。 島田掛川信用金庫が事業承継を支援した。掛川市内で開いた締結式で、小田氏は「雇用を守りたかった。従業員の不安を払拭(ふっしょく)できる」と述
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キャンプフェスにぎわう 掛川・つま恋、人気漫画「ゆるキャン△」と連携
掛川市満水のつま恋リゾート彩の郷で17日、人気漫画「ゆるキャン△」と連携した野外イベント「つま恋キャンプフェス」(実行委主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が開幕した。18日まで、音楽ステージやアクティビティなどさまざまなイベントを繰り広げる。 アウトドア関連を中心に約40社がブースを構えて、たき火台やハンモックなどのキャンプ用品を提案した。掛川市森林組合はまき割り体験のワークショップを実施した。作品の舞台になった浜名湖周辺など静岡、山梨両県のモデル地を紹介する観光PRコーナーもあり、大勢の来場者でにぎわった。 「ゆるキャン△」のイラストを全面に施したキャンピングカーを展示したほか、ステージ
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カヌーやSUPに挑戦 掛川で県大生 野外スポーツ注意点学ぶ
生涯スポーツを学ぶ静岡県立大の学生18人が17日、掛川市大池の掛川B&G海洋センターでカヌーとスタンドアップパドルボード(SUP)を体験した。野外スポーツに潜む危険性についても学んだ。 16日から4日間の集中講義の一環。学生は市スポーツ協会の指導員から指南を受けた後、慎重にSUPやカヌーに乗り水面を動き回った。授業を担当する窪田辰政薬学部准教授は「水辺のスポーツは危機管理が必須。総合的な判断力が求められ、教育的効果が高い」と話した。 学生は海洋スポーツのほか、乗馬とアーチェリーにも取り組み、各種目のルールを学ぶ。 (掛川支局・高林和徳)
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掛川の事任八幡宮 掛け声威勢よく屋台引き回し 3年ぶり例大祭
掛川市八坂の事任(ことのまま)八幡宮の例大祭が16日、開幕した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で自粛してきた屋台引き回しが3年ぶりに解禁され、八坂と日坂両地区の参加8町で威勢のよい掛け声が響いた。18日まで。 約70年ぶりに屋台を新調し、8月に入魂式を行ったばかりの海老名(あびな)区では、青年会のメンバーら約20人が屋台を引いて地区に繰り出した。「朝顔」と呼ばれる格子柄の装飾や、上下左右に激しく揺さぶる独特の動かし方が特徴。加藤智彦青年会長(32)は「屋台のデビューに立ち会えて光栄。次の世代につなげていく」と話した。 新型コロナ対策で規模を縮小し、8町の屋台が一堂に会する恒例行事は行わ
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掛川市の小中学校再編計画 2023年度初頭にも策定 市議会答弁
掛川市議会9月定例会は13日、一般質問を行った。佐藤嘉晃教育長は市と市教委が進める小中学校の再編について、2022年度末か23年度初頭をめどに学校再編計画を策定する考えを示した。草賀章吉氏(志誠会)への答弁。 佐藤教育長は、再編を急ぐ理由として教育環境整備と少子化対応、学校施設の老朽化への対応―の3点を挙げた。23年度に優先度の高い中学校区から基本構想と基本計画の策定に向けた協議に着手する。複式学級になる可能性がある小規模校の統合についても「しっかり地域との協議を進めていく」と述べた。 市は7~9月、全9中学校区で意見交換会を開き、各校区の意向や要望を聴取した。校区ごとに関心や理解度に差
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障害者アート鮮やか 掛川、9月18日まで展示
中東遠地域の障害者アート展「風を創るひとたち展」(県障害者文化芸術活動支援センターみらーと主催)が18日まで、JR掛川駅構内「これっしか処」で開かれている。 ねむの木学園(掛川市上垂木)やきくがわ作業所(菊川市本所)など5団体と個人が出品した30点を展示した。アクリルや水彩、貼り絵など画材はさまざま。花や動物、風景を色鮮やかに描いた作品が並び、来場者を楽しませている。 会場では、福祉施設の利用者が制作したポーチやブックカバーなどの縫製品や木工品、クッキーなどを販売している。
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国の有機農業交付金事業 掛川市が採択内定、静岡県内初
掛川市は8日、有機農業に地域ぐるみで取り組む自治体に対する国の交付金制度「有機農業産地づくり推進事業」への採択が内定したと発表した。10月上旬に決定する。採択は県内初になる。 市内で有機栽培の取り組みが先行する茶を軸に、生産者と流通加工業者、小売り事業者らが連携する推進体制の構築を図り、水稲や野菜などの農作物に波及させる。2022年度中に実施計画を策定し、オーガニックビレッジ宣言を行う。 同日の定例記者会見で久保田崇市長が説明し「消費の出口対策を進めて、生産者が安心して有機農業に取り組める環境整備に努める」と述べた。市は開会中の市議会9月定例会に、実施計画策定に向けた経費360万円を盛り
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「グローバルな職場、新鮮」 ドイツ本社の企業で職業体験 掛川・大浜中生
掛川市の大浜中2年生12人が7日、同市千浜のメルクエレクトロニクス静岡事業所で職業体験に臨んだ。同社の親会社メルクは、ドイツに本社を置く化学材料製造のグローバル企業。生徒は各国の拠点から来日した幹部13人と懇談し、半導体関連の事業環境などについて説明を受けた。 職業体験は3日間の日程で、半導体材料の製造計画作成やデータ入力、品質管理などの業務に取り組む内容。生徒は体験の感想を幹部に伝え「仕事で最も大変なことは」「日本で何をしたいか」などと質問した。本質保証部門でシステムへのデータ入力を体験した鈴木脩太さん(14)は「集中力が必要だった。海外の人と働く経験は新鮮」と話した。 職業体験は同校
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ドクターカー スズキが寄贈 中東遠医療センター
スズキは5日、掛川市菖蒲ケ池の中東遠総合医療センターに医師派遣用緊急車両「ドクターカー」1台を寄贈した。車両は小型スポーツタイプ多目的車(SUV)の「イグニス」がベース。ドクターカー配備は中東遠地域で初めてになる。 同センターで開かれた寄贈式で、スズキの村田邦彦大須賀工場長が宮地正彦院長に鍵の模型を手渡した。宮地院長は謝辞を述べ「新型コロナウイルス禍を経験して、病院内にとどまらず外に出て行く医療が非常に重要と感じた。より早く現場に医師を派遣して一人でも多くの命を救っていく」と地域医療への貢献を誓った。 村田工場長は、救急車が通れないような悪路を想定して車種選定に当たったと報告し「地域の困
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土井酒造場150年祝う 掛川で「開運まつり」 コラボ商品に列
日本酒銘柄「開運」で知られる土井酒造場(掛川市小貫)の創業150周年を記念した「掛川開運まつり」が3日、同市掛川の掛川城三の丸広場で開かれた。市内飲食店が看板メニューや土井酒造場との共同開発商品を持ち寄り、大勢の来場者でにぎわった。 11店がブースを構えて、日本酒風味のプリンや酒かす入りパンなどを提供した。地元醸造所カケガワファームブルーイングは、日本酒酵母で仕込んだ「開運ビール」3種を披露した。菓子メーカーたこ満は、酒かすをクリームに使った洋菓子「大砂丘」を販売し、人気を集めた。 ステージでは、音楽やクイズなどを展開した。同市の石川紀子副市長もジャズバンドの一員として出演し、サックスを
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高校生防災ドローン隊 “離陸”へ着々 掛川の1期生、訓練終了
掛川市が静岡県内で初めて結成した「高校生ドローン防災航空隊」の1期生8人が8月末までに、飛行許可申請に必要な10時間の操縦訓練を終えた。災害時に被害状況をドローンで空撮し、市に報告するのが主な任務。市は今後も隊員の育成を継続する方針で「いずれは卒業生でクラブを作り、初動対応を充実させたい」と青写真を描く。 隊の編成は市が若手職員から事業提案を募った予算「未来チャレンジ枠」で実現し、市内4高校から各2人が志願した。隊員は夏休み期間中に関連法令の勉強や練習機による訓練に臨み、経験を積んだ。掛川東高2年の榑林幸助さん(16)は「面白そうと思って参加したが、責任は重大。防災意識を高めていく」と話す
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記者コラム「清流」 おわびににじむ使命感
新型コロナウイルスの感染急拡大で、掛川市の中東遠総合医療センターと菊川市家庭医療センターが一時、検査延期や発熱者外来の受け入れ停止などの診療制限に踏み切った。数日ごとに対応が変わる目まぐるしさだったが、地域医療を守ろうとするトップの思いを人づてに聞き、感謝の念がこみ上げた。 中東遠総合医療センターでは、院内で複数のクラスター(感染者集団)が発生した。家庭医療センターでも複数職員が感染した。ぎりぎりの人繰りを強いられる中、現場の負担はいかばかりか。 両センターは地域に迷惑を掛けたとして、ホームページにおわびを掲載した。文面から、医師らの苦悩と使命感の強さが読み取れた。関係者の踏ん張りで、何
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新型コロナ抗原検査キット 掛川市、配布期間延長へ
掛川市の久保田崇市長は8月31日に開会した市議会9月定例会の行政報告で、9月2日までの予定で実施している新型コロナウイルス抗原検査キットの無料配布について「今後も継続できるように対応を検討していく」と述べ、配布期間を延長する考えを明らかにした。 市は22日、事前予約した18~39歳の市民を対象にドライブスルー方式でキットの配布を始めた。29日までに配ったのは計331キット。市健康医療課は、期間延長後の配布方法について「他市町の例を参考にやり方を再検討する」としている。 オミクロン株に対応した新ワクチンの接種時期に関して、久保田市長は「10月半ば以降に実施することを想定して準備を進める」と
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掛川産食材で新料理 グランドホテル考案、商議所が試食会
掛川商工会議所は30日、掛川市産の食材で掛川グランドホテルが考案した新メニューの試食会を同市亀の甲の同ホテルで開いた。会員企業が生産したフルーツや夏野菜などを佐々木毅一総料理長がコース料理に仕上げ、生産者に振る舞った。 食材利用の可能性を探り、情報交換するのが主な狙い。佐々木総料理長が、サラダ仕立ての冷製パスタやジャージー牛乳のテリーヌなど5品を用意した。食材は、有機野菜生産を手掛けるしあわせ野菜畑(同市上西郷)、柴田牧場(同市大和田)など8社が提供した。 生産者からは「見た目が凝っていてわくわく感がある」「食材が持つストーリーを前面に出せたら面白い」などの意見や感想が上がった。佐々木総
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フォークリフト操縦指南 掛川クレーン学校 高校生の資格取得支援
掛川クレーン学校(掛川市大池)は31日まで、夏休み期間中の高校生を対象にした特別教育と技能講習を開いている。フォークリフトやクレーンなどの操縦を指南し、就職活動を控えた生徒の資格取得を後押ししている。 同校の恒例行事で、期間中に浜松湖北や天竜、横須賀など県西部の各高校から150人が受講する。29日は16人が実技に臨み、フォークリフトを運転した。参加者は前後の安全を確認しながら慎重にリフトを操り、荷物の積み降ろしを実践した。 初めてフォークリフトを操ったという横須賀高3年大石晴也さん(18)は「将来的に資格が必要になるかもしれないと思って受講した。荷物との間隔を把握するのが難しい」と話し、
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3年ぶりに定演 名曲に会場一体 掛川・大東吹奏楽団
掛川市の大東吹奏楽団は28日、定期演奏会(静岡新聞社・静岡放送後援)を掛川市大坂の市文化会館シオーネで開いた。クラシックの名曲やゲーム音楽などを披露して大勢の聴衆を魅了した。 クラシックとポピュラーの2部構成で、「そよ風のマーチ」「A列車で行こう」など8曲を演奏した。軽快な楽曲では、リズムに合わせて客席から手拍子が湧き起こり、会場は一体感に包まれた。同吹奏楽団は1992年結成の市民バンド。定期演奏会は新型コロナウイルス感染拡大に伴う中止を経て、3年ぶりの開催になった。
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災害復旧費など増額 掛川市9月補正予算案 10億8千万円追加
掛川市は24日、2022年度一般会計に10億8400万円を追加する9月補正予算案を発表した。新型コロナウイルスのワクチン接種に伴う経費や災害復旧費を増額するほか、新規に私立保育所の給食材料費高騰分の補助などを計上する。 新型コロナワクチン接種事業費に1億7700万円を追加するほか、7月の大雨で被災した市内農林業・土木施設と斜面が崩れた横須賀城跡の復旧事業費に1億1600万円を加える。市によると、被害を受けた林道など農林業施設は21カ所、土木施設は93カ所。 道路の舗装や樹木伐採など緊急修繕要望に対応する地域協働環境整備費は4600万円を増額する。国が進める有機農業のモデル地区「オーガニッ
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たこ満 掛川に障害者就労施設整備へ 雇用拡充に寄与
菓子メーカーたこ満(本社・菊川市)が、掛川市下俣の市森林果樹公園に障害者就労継続支援施設を整備する。公園内ビュッフェレストラン「アトリエ」の隣接地にカフェと作業場を建設し、雇用を拡充する。掛川市が19日、市議会全員協議会で報告した。 たこ満はアトリエの事業主体。市は、障害者雇用への寄与に加え、公園内で収穫したフルーツをカフェのメニューに活用するなどの相乗効果で集客力の向上が期待できると判断した。公園の占用期間は10年。状況に応じて更新する。 2022年10月に着工し、24年2月の開業を予定している。
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人に優しいDX推進 掛川市が計画案 パブリックコメントを開始
掛川市は19日、デジタル技術を活用して変革を目指す「市DX推進計画」の案を公表した。「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」を柱に掲げた。同日から9月19日まで、パブリックコメント(意見公募)を行う。 計画期間は2022~24年度の3カ年。スマートフォンで行政手続きを完結できる「手のひら市役所の実現」やデジタル化によるまちづくりの充実、機器に不慣れな人との間に生じる情報格差の解消などを盛り込んだ。 市は、デジタル化の動向や社会情勢の変化などを踏まえて、策定後も必要に応じて計画を見直すとしている。
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全国高校総体やり投げ「銀」 増田選手(掛川西)に特別賞 掛川市
掛川市は19日、全国高校総合体育大会(インターハイ)陸上男子やり投げで銀メダルを獲得した掛川西高3年増田併介選手(18)に市スポーツ特別賞を贈った。市役所で授与式を開き、久保田崇市長が表彰した。 増田選手は全国舞台で、大会前の自己ベスト60メートル23を大幅に更新する64メートル07を記録した。「助走速度を上げて挑んだ。一種の賭けだったが、集中力が研ぎ澄まされた感覚があった」と振り返り、出場が内定した今秋の国体での活躍を誓った。 市スポーツ特別賞の受賞は北京冬季五輪スノーボード女子パラレル大回転に出場した三木つばき選手(19)らに次いで6号目。久保田市長は「ビッグスローに驚いた。この大舞
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70年ぶり屋台新調 掛川・海老名区、引き回し「伝統継承へ」
掛川市八坂の海老名区は14日、約70年ぶりに新調した屋台をお披露目し、地区内で引き回しを行った。区民約50人が参加して完成を祝い、伝統の継承を誓った。 海老名区の屋台「菊水館」は、毎年9月の事任(ことのまま)八幡宮例大祭に参加する8町8台の一つ。2代目となった新屋台は全長5・5メートル、幅2・7メートル、高さ3・5メートルで、天に向かって広がる格子柄の装飾「朝顔」が上部に施されているのが特徴になっている。屋台建築の匠工舎(同市高御所)が手掛けた。 入魂式の神事に臨んだ戸塚規夫区長(70)は「新しい伝統と歴史をつくってもらいたい。新型コロナウイルスが収束し、事任八幡宮の祭典がにぎやかで盛大
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親子でちぎり絵 和ランプを制作 掛川・二の丸美術館
掛川市掛川の市二の丸美術館で13日、ワークショップ「ちぎり絵の和ランプづくり」が開かれた。市内外の親子連れ13組が参加し、オリジナル作品の制作を楽しんだ。 開催中の展覧会「山下清が描く東海道五十三次」(静岡新聞社・静岡放送後援)の関連イベント。参加者は、樹脂板を和紙で挟んだ台紙を色とりどりの紙片で飾り付けた。高さ13センチ、直径8センチの円筒形にして発光ダイオード(LED)の照明台に設置し、ぬくもりのある光を放つランプに仕上げた。 展覧会は10月2日まで。東海道の風景を独特の手法で描いた版画55点を展示している。
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西大谷川に強い濁り 降雨で鶏ふん流入か 掛川・大須賀地域
掛川市大須賀地域を流れる西大谷川で13日、強い濁りが発生した。前日からの降雨で上流部にある採卵養鶏施設(閉鎖中)から排出された鶏ふんが沢に沿って流れ込んだのが要因とみられ、周辺に異臭が広がった。 地元まちづくり協議会の林晴美会長(69)が同日朝、確認した。付近では5月下旬以降、降雨のたびに汚濁と異臭が発生している。川の合流部では、赤茶色に濁った沢の水と本流との色の対比が際立った。 養鶏施設付近には、山の斜面上部から谷底にかけて大量の鶏ふんが残っていて、住民は県と市に全容解明と対策を要望している。
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西大谷川汚濁に対応 掛川市が組織設置
掛川市大須賀地域を流れる西大谷川で汚濁や異臭が続いている問題で、市幹部と住民の意見交換会が10日夜、同市西大渕で開かれ、市は対応に当たる庁内組織を立ち上げたことを明らかにした。 高柳泉副市長ら幹部が同日、現場を視察した。汚濁は河川上流部にある採卵養鶏施設(閉鎖中)から排出された大量の鶏ふんが流れ込んだのが要因とみられている。高柳副市長は「想像以上の現場だった。根本的な解決は鶏ふんの処分。県と一緒になって解決策を見つけていく」と述べた。 住民は、汚濁が始まった5月以降の河川と施設周辺の状況を画像などで説明し、意見や要望を伝えた。「大きな環境破壊だ。県と最大限に協力してほしい」「このままでは
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「魅力ある学校」提案にかじ 横須賀・池新田高統合 南遠教育整備協が方針
横須賀高(掛川市)と池新田高(御前崎市)の統合を盛り込んだ静岡県教委の再編計画で、統合に反対する南遠地域教育環境整備推進協議会は10日夜、掛川市内で役員会を開き、2022年度の事業計画を決めた。従来の存続要望活動を発展させ、魅力ある学校づくりに向けた提案に軸足を移す。 水野幸雄会長(84)は「存続を願う活動に努めてきたが、視点を変える。学校の魅力を高めるにはどうするべきか前向きに検討し、提案していく」と説明した。これまでは横須賀高の学校運営と距離を保ってきたが、今後は同校や保護者を巻き込み、一体となって活動していく姿勢も確認した。 県教委が計画再検討に向けて8月以降に設置するとした地域協
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水球世界ベスト8へ闘志 大神さん(掛川西高)U―16日本代表選出
国際水泳連盟(FINA)水球U―16世界選手権の日本代表に、掛川西高2年大神幸真さん(16)=磐田市立野=が選ばれた。静岡県勢として唯一の出場。ベスト8を目標に掲げて「日の丸を背負う責任と自覚を持ってプレーしていく」と闘志を燃やしている。 ポジションはゴールキーパー(GK)。静岡大付属浜松小3年の夏、母の知り合いの勧めで水球を始めた。父はサッカージュビロ磐田の守護神として名をはせた友明さん(52)=ベガルタ仙台GKコーチ=。大神さんもサッカーに励んでいたが、「水中の格闘技」と称される水球と出合い、試合展開の早さと激しさ、スピード感に魅了されたという。 持ち味は、体を浮かせる巻き足の技術
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静岡ブルーレヴズ、菊川市とパートナー協定 ラグビー教室などで協力
ラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズ(BR)と菊川市が9日、スポーツ振興などに関するパートナー協定を締結した。静岡BRと県内市町との協定締結は磐田や浜松などに次いで6件目。菊川市にとっては、初のプロスポーツチームとの協定になる。 山谷拓志社長と長谷川寛彦市長が同日、市役所で協定書に署名した。山谷社長は「地域貢献活動にどんどんチームを使ってほしい」と述べ、イベント参加やラグビー教室の開催、名産品PRなどに協力する姿勢を示した。長谷川市長は「スポーツを通じた地域活性化とにぎわい創出につなげる」と述べた。 協定の一環で、市と静岡BRは9月26日、内田小6年生を対象にしたラグビー教室を開く。
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掛川、菊川担い手活写 地域おこし協力隊が合同企画 災害救助犬に焦点
いずれも地域おこし協力隊として活動する掛川市の芳川翠さん(33)と菊川市の大山智世さん(30)が6、7の両日、両市の地域産業や文化の担い手を被写体にした写真撮影会を開いた。地域の魅力の掘り起こしと情報発信の強化が狙い。両市の協力隊による合同企画は初めて。 7日は市内外から参加した8人が、菊川市に拠点を構える認定NPO法人災害救助犬静岡のメンバーにフォーカスを合わせた。同市下平川の訓練場を訪れ、メンバーが救助犬と共にシーソーやがれきなど足場の悪い中を捜索する様子を撮影した。 講師は京都府宮津市の写真家中井由紀さんが務めた。地元から参加した動画クリエーター後藤聡子さん(42)は「救助犬の活動
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産廃受け入れ方針撤回 掛川市長「地元、専門家の声尊重」
掛川、菊川両市の衛生施設組合が計画する新たな廃棄物処理施設について、掛川市の久保田崇市長は6日、「地元の意見と専門家の提言を尊重して、産業廃棄物の受け入れはしない」と述べ、産廃受け入れ方針の撤回を正式表明した。施設が立地する同市満水地区の住民を対象にした同日の説明会で明言した。 現施設のほぼ2倍に当たる1日当たり240トンの処理能力がある焼却炉の建設も見送り、現施設と同等規模にする。事業方式は、当初想定の民設民営を改めて、袋井市森町広域行政組合が運営する中遠クリーンセンターと同様の公設・長期包括運営委託方式を採用する。 2021年1月に策定された基本構想は、民設民営で県内外から産廃を受け
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花火、夜空に彩り 3年ぶり「御前崎みなと夏祭」
御前崎市の夏の風物詩「御前崎みなと夏祭」(市イベント実行委員会など主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が6日、同市港のマリンパーク御前崎で開かれた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う中止を経て、3年ぶりの開催。屋台が並び、大輪の花火が夜空を彩った。 屋台を構えたのは市内飲食店など36店。焼きそばやかき氷、串焼きなどを提供し、縁日の雰囲気を盛り上げた。新型コロナ対策で酒類の販売や持ち込みを禁止したほか、盆踊りや航海の安全を祈願する伝統行事「だっくら」は中止した。 メインの花火大会では、尺玉やスターマインなど約3千発がビーチから次々と打ち上げられた。ごう音を響かせ、色とりどりの光が海面を照らした。
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竹馬作りに挑戦 掛川で親子連れワークショップ
掛川市生涯学習センターは5日、小学生と保護者を対象にした夏休みワークショップ「親子で竹馬づくり」を同市御所原の同センターで開いた。親子連れ16組が参加し、ものづくりの楽しさを体感した。 参加者はそれぞれの身長に合わせて竹を切り、丁寧にロープで足台を取り付けた。完成後は屋外で竹馬遊びに没頭した。講師を務めた戸塚登さん(90)=同市山崎=は「自然の素材を使って自分で作る遊びは貴重。皆、一生懸命取り組んでくれた」と見守った。 同センターは夏休み期間中、市内文化施設と合同で竹の水鉄砲作りや和太鼓体験などさまざまなワークショップを展開している。 (掛川支局・高林和徳)
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静岡人インタビュー「この人」 菅谷昌司さん 外来種問題に関する絵本を出版した
昆虫研究家。県ホタル連絡協議会長として、ホタルが生息できる環境づくりに奔走する。文芸社から出版した2冊の絵本では、外来種のアカミミガメを主人公に、生物の存在意義を提起した。69歳。 ―本に込めた思いは。 「外来種が悪者扱いされていることに違和感を抱いていた。生態系に問題があることは十分に承知しているが、もともとは人の手によって持ち込まれた生き物。外来種を排斥して人の行為を正当化しようとする風潮に一石を投じたかった」 ―反響はあったか。 「読み聞かせグループや環境保全活動に熱心な企業から問い合わせがあった。メッセージ性の強さが響いたようだ。出版をきっかけに、化学薬品メーカーとの協業が実
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中東遠医療センター 体制逼迫で診療制限 新型コロナ
新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて、中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)は2日までに、緊急を要しない手術や検査を延期するなどの診療制限に踏み切ったことをホームページで明らかにした。院内の複数病棟でクラスター(感染者集団)が発生して診療体制が逼迫(ひっぱく)しているため、重篤な患者を優先して医療資源を振り向ける必要があると判断した。 救急は、心筋梗塞や脳卒中など生命を脅かす病態に限って対応する。発熱者の外来診療は原則的に停止し、ほかの医療機関への相談を呼び掛ける。 同センターは中東遠地域の基幹病院。宮地正彦院長は「職員一丸となり、早急な院内感染の収束と診療の完全復活を目指す」とのコ
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掛川の小中生、全国超える 全国学力テスト平均正答率
掛川市教育委員会は2日までに、2022年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。平均正答率の全国比較で、中学生は国語と数学、理科の3教科とも全国平均を2ポイント以上、上回った。小学生も国語と算数、理科の各教科で全国平均を超えた。 市内22校の小学6年生1020人と9校の中学3年生1016人が参加した。全国平均正答率を100とした指標値では、中学生は国語103、数学107、理科105。小学生は国語と算数101、理科103だった。 学習状況の調査では「地域の行事に参加している」と答えた割合が、小学生は全国比21・4ポイント、中学生が35・7ポイント、それぞれ高かった。市教
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掛川「高校生ドローン隊」発足 市が呼び掛け、災害に備え初講習
掛川市が市内の高校に呼び掛けて結成した「高校生ドローン防災航空隊」が1日、発足した。災害時、広域避難所になる高校周辺の被害状況を小型無人機ドローンで空撮するのが主な任務。隊員は同日、同市萩間で初の講習に臨み、関連法令の勉強や練習機を使った実習に取り組んだ。 隊は市内4高校から各2人の計8人で構成する。初めてドローンを手にしたという掛川西高2年三沢日和さん(17)は「防災のために自分が直接、地域に関わることができる貴重な機会。新しい挑戦になる」と話し、離着陸や左右への旋回などの操縦に汗を流した。 今後は各校単位で2人ずつ操縦訓練を行い、8月中に飛行許可申請に必要な10時間の実績を積む。12
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日本酒×ビール 「挑戦」香る新味 掛川の2社が開発中
日本酒銘柄「開運」で知られる土井酒造場(掛川市小貫)とクラフトビール製造のカケガワファームブルーイング(KFB、同市肴町)が、日本酒酵母を使ったビールの共同開発を進めている。創業150年を迎える老舗の酒蔵と新興ビール醸造所による異色の協業。試作を重ねて、伝統と革新を意識した新たな味の創出に挑んでいる。 開発を目指すのは、土井酒造場の蔵つき酵母で造る「開運ビール(仮称)」。6月中旬に第1弾の仕込みを済ませた。仕上がりは、リンゴや梨のようなフルーティーな香りでさっぱりした口当たり。土井酒造場の杜氏(とうじ)榛葉農(みのり)さん(45)は「うちの酒のように滑らかで柔らかい」と評価した。同時に「次
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茶豆を特産品に 菊川市が試食販売会 「きくのん」も登場
菊川市は30、31の両日、市内農業者と特産化を目指している枝豆の一種「茶豆」の試食販売会を同市加茂のスーパーラック菊川店で開いた。市マスコットキャラクター「きくのん」も登場し、買い物客にPRした。 野菜栽培を手掛ける「ソイルパッション」(同市吉沢)が用意した1袋250グラム入りを600袋販売した。同社の深川知久社長(43)によると、香りと甘みの強さが特徴で、盛期は7月中下旬。主産地の山形県や新潟県などの茶豆が出回る前に市場に出せる優位性があるという。 市は2014年度、農家と共に茶豆栽培の取り組みを始めた。茶農家を支える補完作物としての可能性を探っている。
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段ボール箱使い簡易トイレ作り 菊川、親子防災講座
菊川市は29日、夏休みに合わせた親子防災ワークショップを市役所東館プラザきくるで開いた。市内の児童と保護者10組25人が参加し、段ボール箱を使った簡易トイレ作りに挑戦した。 参加者は段ボール箱を組み合わせ、くりぬいたり補強したりしてトイレを作った。座面の下に空のペットボトルを配置して支柱代わりにした。便器内に取り付けたポリ袋には猫砂や新聞紙などを入れ、それぞれの吸水性を試す実験も行った。 ワークショップは8月11日まで全4回開催し、非常食の試食や災害時に役立つアウトドア術の習得などに取り組む。
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軽便「駿遠線」思いはせ プレートやジオラマ160点 御前崎
藤枝市と袋井市を結び、1970年に廃線になった軽便鉄道「静岡鉄道駿遠線」を紹介する展示会「なつかしの軽便鉄道展」(軽便鉄道研究会主催)が30日、御前崎市池新田の市立図書館で始まった。8月7日まで。 最終列車のヘッドマークや行き先表示板、ジオラマ模型など160点を展示している。目玉は蒸気機関車をディーゼルに改造した「DB607」のプレート。同会の阿形昭代表(63)のコレクションと焼津市歴史民俗資料館の所蔵品を並べた。 来場者からは「坂道で止まってしまった車両を手で押した」「最終列車に手を振って見送った」などのエピソードが寄せられている。阿形代表は「通学で乗車する日を楽しみにしながら、成長
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小学生防災キャンプ 御前崎市で10人参加
御前崎市と市比木地区センターの防災キャンプが29日、同市の比木体育館で始まった。市内の5、6年生10人が参加し、1泊2日の日程で火災への対応や防災備品の組み立て、炊き出しなど多様な訓練に臨む。 初日は市消防本部の職員の指導で、煙への対処や初期消火などに取り組んだ。自動体外式除細動器(AED)を使った救急救命訓練では、参加者はペアになり、人形を相手に心臓マッサージなどを行って心肺蘇生の流れを確認した。 夕食作りでは、ポリ袋を活用した調理のほか、青竹を使って米を炊く「竹飯ごう」にも挑戦した。同センターの萩原弘充センター長(66)は「皆、真剣な表情で訓練に取り組んでいる。地域防災を支える人材に
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地引き網 力いっぱい 保存会が試し引き 掛川・千浜
掛川市千浜地区に伝わる地引き網を継承するため2022年春に発足した福住丸保存会はこのほど、地引き網体験の観光事業化に向けた試し引きを地元の砂浜で実施した。保存会や地元観光協会の会員ら約80人が参加した。砂浜から出航した福住丸が網を仕掛け、参加者が力いっぱい引き上げた。水揚げは約50キロのアジやサヨリなど。参加者は獲物を分け合い、地元の海の魅力を満喫した。 福住丸は地区唯一の地引き網船。海岸浸食や担い手の高齢化を受けて、16年を最後に事業を停止していた。保存会は23年度の再事業化を目指して準備を進める。水島成幸会長(79)は「復活は感無量。コロナ禍で先行きが不透明だが、何とか軌道に乗せたい」
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東京女子医大 掛川キャンパス解体、市に用地返還へ
掛川市は26日、東京女子医科大が掛川キャンパス(同市下土方)の建物を解体すると発表した。同大は掛川キャンパスから撤退する意向を示していて、解体後の用地は市に返還される予定。 市によると、建物の解体工事は8月~2023年8月。23年10月まで、敷地内整備などの関連工事を行う。用地は掛川キャンパスを誘致した旧大東町が購入し、大学側に無償譲渡していた。用途を大学としての活用に限定する覚書を交わしているため、返還に向けた協議が進んでいる。 同大は1998年、大学創設者の吉岡弥生(1871~1959年)が旧大東町出身との縁で掛川キャンパスを構えた。市は掛川キャンパス撤退後も、隣接地にある市吉岡弥生
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伝統の盆行事「オッチャカチャン」 掛川・鳥居地区で3年ぶり
掛川市鳥居地区の初盆行事「オッチャカチャン」が24日、区内で行われた。児童約40人が太鼓やかねを打ち鳴らしながら区内全戸を練り歩いた。 沿道では住民が玄関先に出て行列を見守った。行事の伝承に尽力している後藤祐次朗さん(86)は「歴史がある行事のおかげで、子どもたちに地域を愛する心が根付いている。大切に守っていきたい」と話した。 オッチャカチャンは武田・徳川両軍が激突した三方原合戦の死者を弔う遠州大念仏の流れをくんで始まったとされる。新型コロナウイルス流行の影響で、3年ぶりの開催になった。
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学校再編巡り意見交換 掛川市・市教委、東中校区皮切り
掛川市と市教育委員会が進める市内小中学校の再編で、策定する計画に市民要望を反映させるための意見交換会が25日夜、東中校区を皮切りに始まった。9月5日まで順次、全9中学校区で実施する。 同市御所原の徳育保健センターで開かれた東中校区の意見交換会には、地区役員や保護者ら約30人が出席した。参加者は7グループに分かれて、理想の学校像と再編の疑問点の2テーマで意見を出し合った。 発表では、地域に開かれた学校づくりを求める意見が目立ったほか、防犯の対策強化の要望もあった。再編に向けて「学区の見直しはあるのか」「子どもの意見を聞く場を設けるべき」などの質問や注文が上がった。 意見交換に先立ち、市教
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東京女子医大 掛川キャンパス解体へ 8月から工事
東京女子医科大が掛川キャンパス(掛川市下土方)の解体を決めたことが25日、関係者への取材で分かった。同大は既に地元への説明を始めていて、解体工事期間は8月~2023年8月になるとみられる。 同大は21年5月までに、掛川キャンパスから撤退する意向を決めて、掛川市に伝えた。新型コロナウイルス感染拡大で人材投入が困難になったことや、厳しい財政状況などが理由。市は今後、跡地の利用法などについて同大と協議を進めるとみられる。 同キャンパスは1998年、大学創設者の吉岡弥生(1871~1959年)の出身地の旧大東町が誘致し、看護学部1年生が学んできた。2020年度以降は同学部が東京都新宿区のキャンパ
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掛川、菊川の新廃棄物施設 両市長「検討委の提言尊重」
掛川、菊川両市の衛生施設組合が計画する新たな廃棄物処理施設について、整備手法などを議論してきた専門家の検討委員会は24日、検討結果をまとめた提言書を両市長に提出した。産業廃棄物は受け入れず、公設が望ましいとする内容。両市長は提言を尊重する姿勢を示した。 策定済みの基本構想は、産廃を受け入れて民設民営で施設を運営する手法を最優先と位置付けているため、方針を転換する。掛川市の久保田崇市長は「第1優先とした手法を否定するには理論的な材料が必要だった。提言を発射台に再検討する」と見直す構えを示した。菊川市の長谷川寛彦市長も「最大限に尊重して判断する。ごみの一層の減量と有効活用に努める」と述べた。
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京アニ元社員大村さん 地元菊川で原画展「あふれる才能感じて」
2019年の京都アニメーション放火殺人事件に巻き込まれた菊川市出身の大村勇貴さん=当時(23)=の原画展が20日、同市堀之内の市立図書館菊川文庫で始まった。大村さんが創作した「どっくんどっくん」「うーちゃんのまつざき」の絵本2冊の原画を展示している。24日まで。 「どっくんどっくん」は、生き物が地球上に誕生してから今日まで38億年の命のつながりを、色彩豊かな絵と擬音・擬態語で表現した大作。松崎町を舞台にした「うーちゃんのまつざき」では、地域の日常風景をみずみずしく描いた。 菊川市立図書館が主催する原画展は、21年の小笠図書館(同市下平川)に次いで2回目。企画を主導した斎藤政巳図書1係長(
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中小のDX推進始動 島田掛川信金、行政と連携
島田掛川信用金庫が行政や経済団体と連携して中小企業のデジタル活用を推進する「地域中小企業DX推進プロジェクト」が19日、始動した。掛川市内で初会合を開き、現状の課題や目的、支援体制の枠組みを共有した。 経営指導や専門家派遣、行政の施策検討で連携し、プッシュ型支援を行うことで中小企業のデジタル技術を活用した変革(DX)を進めるのが狙い。同金庫などは中小企業庁が提供する診断ツール「みらデジ経営チェック」を活用して企業の現状を把握し、定量データを各市町と共有する。 プロジェクトには、掛川、島田など9市町と各市町の商工会議所や商工会、県信用保証協会などが参加した。同金庫の伊藤勝英理事長は「生産性
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水上尻相撲「どすこい!」 人気イベント復活 掛川B&G海洋センター
掛川市のNPO法人市スポーツ協会は18日、海の日に合わせたイベント「マリンフェスティバル」を同市大池の掛川B&G海洋センター艇庫で開いた。新型コロナウイルス流行の影響で中止が続いていた人気イベント「水上尻相撲選手権」が3年ぶりに復活した。 尻相撲は小学3年から高校生以上までの4部門に22人がエントリーし、水上に設置された1・5メートル四方の浮き台の上で互いに尻をぶつけて押し合った。バランスを崩して膝をついたり、水に落ちたりする参加者もいて、観客の笑いを誘った。 スタンドアップパドルボート(SUP)やカヌーなどのマリンスポーツ、ヨット遊覧の体験会もあり、家族連れでにぎわった。
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産廃受け入れ方針撤回へ 掛川・菊川の新廃棄物施設
掛川、菊川両市の衛生施設組合が計画する新たな廃棄物処理施設で、専門家の検討委員会は16日、掛川市内で会合を開き、一般ごみだけを扱う焼却炉を公設で整備するのが望ましいとする結論をまとめた。両市は検討委の議論を尊重する姿勢を示しているため、基本構想に盛り込んだ産業廃棄物の受け入れ方針は事実上、撤回が決まった。 最優先と位置付けていた民設民営の事業方式も見直される見通し。世界的な脱炭素の潮流や産廃受け入れに対する市民の不安などを踏まえた。 委員長の平井一之県環境資源協会専務理事は「脱炭素に向けた国策への臨機応変な対応や行政責任の明確化を考えれば、民設民営には課題がある」と述べた。 2021年
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小笠地区の県立高再編 計画見直し不可避 地域の将来描く議論を【解説・主張しずおか】
横須賀高(掛川市)と池新田高(御前崎市)を統合する小笠地区の再編計画が岐路に立っている。掛川市では官民を挙げた反対意見が強く、県教委は地元同意なしに候補地選定を進めない考えを示した。見直しは不可避の情勢で、8月以降に設置される地域協議会が新たな枠組みづくりの鍵を握る。課題の洗い出しに終始せず、高校の特色や役割を整理した上でどのような将来像を導けるか、建設的な議論が必要だ。 県立高の再編案を盛り込んだ第3次長期計画案は、県教委が2017年11月に公表した。横須賀、池新田を含む県立高7校を「新構想校」として3校に統合する内容。掛川市では強い反発があり、地域住民が「横須賀高校を守る会」を設立した
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ドクターカー10月運行 中東遠総合医療センター、消防と協定
中東遠総合医療センター(掛川市菖蒲ケ池)は10月、医師派遣用緊急車両「ドクターカー」の運行を開始する。出動範囲に当たる掛川と袋井、森の3市町の消防機関と同センターが14日、一人でも多くの傷病者の救命を目的にした協定を締結した。ドクターカー配備は中東遠地域で初めてになる。 宮地正彦院長と3市町の首長が同センターで協定書に署名した。宮地院長は「新型コロナ対応を経験し、体制が十分でなくても院外に活動を拡大することでもっと良い医療が提供できると確信した」と述べ、救命率の向上を誓った。 車両はスズキから8月に寄贈される予定の小型車をベースに、救急医療に必要な資機材や医薬品を搭載して整備する。
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茶況(7月14日)JA遠州夢咲 一茶荒茶品評会 やまま満寿多園、最優秀
JA遠州夢咲と遠州夢咲茶業振興連絡協議会は14日、2022年度産一茶の荒茶品評会を菊川市のサエリアで開いた。管内から48点の出品があり、浜岡地区のやまま満寿多園が最優秀に選ばれた。 茶づくりの技術向上と茶業振興が目的。審査員5人が、外観や香気など4項目で採点した。 審査長を務めた小林利彰県茶業研究センター主任は「4月後半に雨が多く適期摘採が難しかったが、品質の差が少なくレベルの高い茶が多かった」と講評した。 優秀は次の通り(かっこ内は地区)。 丸伍赤堀園(小笠)黒田尚志(同) (掛川支局・高林和徳)
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「夢、具体的にイメージを」 五輪出場の三木選手、掛川の母校で講演
北京冬季五輪のスノーボード女子パラレル大回転に出場した三木つばき選手(19)が14日、掛川市の母校・桜木小で講演し、夢や目標を持つ意義や実現させるポイントを伝えた。「つらくても頑張ることが私にとって正しい」と述べ、やり抜く覚悟を持つ大切さを強調した。 6年生117人が耳を傾けた。三木選手は「北京五輪での応援ありがとう。すごく元気が出ました」と切り出した。 夢をかなえる秘訣(ひけつ)について「自分がやっていることをどれだけ『好きだ』と思える瞬間が多いかだと思う。夢ではなく目標ととらえて、具体的にイメージしてほしい」と話した。 夢や目標が定まらない児童に対しては「何も心配はいらない。焦らな
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浜岡原発「稼働」が伸長 近隣3市意識調査出そろう
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働の是非などを問う市民意識調査で、掛川、菊川、牧之原の隣接3市の結果が11日、出そろった。同日発表した掛川市では「安全が確認できれば稼働した方がよい」との回答が32・9%と過去最高になり「廃炉・停止」に肉薄した。発表済みの菊川市は同率で並び、牧之原市で容認派が慎重派を逆転するなど再稼働容認の意識の広がりが鮮明になった。 掛川市の調査は市民2500人を対象に実施し、回答数は1170件(回答率46・8%)。「安全が確認できれば稼働」は前年から3・8ポイント上昇して初めて30%台に達した。「廃炉」と「停止」を合わせた回答は8・5ポイント下降の36・1%。
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掛川市、中学校の制服統一へ 多様性、家庭の経済負担に配慮
掛川市教育委員会は11日までに、市内全中学9校の制服を統一する検討を始めた。ブレザーなど男女共通デザインを取り入れて生徒の多様性に配慮する。仕様の共通化で価格抑制が期待できる上、きょうだいの制服も活用できるとして、家庭の経済負担軽減も狙う。 スラックスとスカート、ポロシャツとワイシャツなどを選択できるようにして、生徒の自主性と判断力を育む構想。保護者や生徒を対象に実施したアンケートでは、気軽に洗濯できたり、体温調整のために簡単に着脱できたりする制服が支持を集めたという。 市教委の担当者は「制服の着用ルールは校則で決まっている。新制服の導入は校則の見直しにもつながっていく」と話す。 今後
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避難所運営を確認 自主防役員ら訓練 掛川市
掛川市は9日、大規模災害時に避難所運営を担う人材の育成を目的にした講座を掛川市千浜の千浜農村環境改善センターで行った。市内の自主防災会の役員ら24人が参加し、避難所の役割や運営の流れを学ぶ座学と訓練に取り組んだ。 訓練では、運営本部と総務、情報、管理、食料物資、保健衛生の各班に分かれて避難者の対応に当たった。各班には「男女別の更衣室がない」「携帯電話の充電ケーブルはあるか」など困り事の相談が続々と寄せられ、運営本部を中心に連携して解決を図った。 運営本部長を務めた曽我地区の広岡良明区長会長(69)は「流れが頭に入っていても、実践してみると難しい。訓練を積まないと、実際に災害が起こった時に
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企業版ふるさと納税で100万円寄付 掛川市に横浜の磯村
掛川市内に工場と営業拠点を構える水処理機器製造販売の磯村(横浜市)はこのほど、企業版ふるさと納税制度を活用して掛川市の防潮堤建設事業に100万円を寄付した。磯村豪佑社長が市役所を訪れ、久保田崇市長に目録を手渡した。 ふるさと納税による同社から市への寄付は初めて。磯村社長は「市民の安心安全な生活を守り、さらに日常が豊かになるよう活用してほしい」と要望した。久保田市長は「大切な資金を活用して備えをしっかり進めていく」と謝辞を述べた。
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風景など力作34点 菊川写楽会作品展 7月17日まで
菊川市の写真愛好家グループ「菊川写楽会」の作品展が9日、同市堀之内の市立図書館菊川文庫で始まった。17日まで。 会員16人が風景や動植物に焦点を当てた34点を出品した。砂が舞う同笠海岸(袋井市)や朝焼けを背景にした御前埼灯台(御前崎市)など県内外の景勝地を写した力作が並ぶ。 同会の酒井敏夫代表(76)は「メンバーそれぞれの視点がしっかりしてきた。自己表現が強い作品が多く集まった」と話している。
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湯冷まし、注ぎ分け 掛川茶商青年団、児童に茶の入れ方指南
掛川茶商青年団は7日、お茶の入れ方教室を掛川市の原田小で開いた。3年生11人が臨み、茶の種類や効能、急須の扱い方などを学んだ。 市内の製茶会社で働くメンバー3人が講師を務めて、深蒸し茶やほうじ茶、抹茶などの特徴を説明した。湯冷ましや注ぎ分けなど茶の味と香りを引き出すポイントも指南した。実践した児童からは「おいしい」「ちょっと苦いけど甘い」などの声が上がった。 指導に当たった青年団の堀内健矢さん(28)=丸堀製茶=は「急須で入れたお茶は格別。家庭でも楽しんでほしい」と呼び掛けた。
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「災害時、力になりたい」 横須賀高と大須賀中訓練 避難所設営
掛川市の横須賀高と大須賀中が6日、大規模災害発生時を想定した合同の避難所設営訓練を横須賀高で行った。大須賀中3年生96人と横須賀高1~3年生180人が間仕切りや組み立て式ベッドの設置、負傷者の応急処置などの訓練に取り組んだ。 生徒はグループに分かれて、避難所運営の流れを確認した。組み立て式ベッドの設置に当たった大須賀中3年田中照悠さん(14)は「思ったよりも力が必要。大人数でやらないと難しい」と汗を流した。横須賀高3年の山下修弥さん(17)は「いざという時のことを考えれば、中学生との訓練は必要な経験。できる範囲で力になりたい」と話した。 訓練は両校の恒例行事。市の防災担当者や地区代表も参
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木と森、身近に感じて 掛川で催し 木工教室や自然観察
掛川市の掛川木材協同組合は2日、木と森に親しむイベント「きとりーと」を同市満水の22世紀の丘公園で開いた。大勢の園児や児童が木工教室や自然観察を楽しんだ。 木工教室には約60組150人が参加し、階段状のステップチェアや折り畳みテーブルなどの製作に取り組んだ。使用する木材は市内産の杉で、森林管理の国際認証を取得したFSC認証材。子どもたちは保護者の手を借りながら工具を操り、工作に汗を流した。 イベントは同組合初の試み。鈴木正三理事長は「木を身近に感じてほしい。認知が広がってきたFSC材を一般の人にもPRしていく」と話した。
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匿名寄付50万円に感謝 掛川の障害者就労施設「風の家」
掛川市緑ケ丘の障害者就労支援施設「風の家」に28日、匿名で現金50万円が届いた。施設を運営するNPO法人は29日までに、掛川署に相談した上で寄付金として受け取ることを決めた。「何度もくじけそうになったが、活動を続けてきて良かった」と深い感謝を示している。 現金が入った封筒は28日早朝、施設の郵便受けにあった。添えられたメモ用紙には「何かと値上げで大変かと思います」と、施設運営をねぎらうメッセージが書かれていた。 施設は障害者の居場所づくりを目的に、市民有志が2017年6月に開設した。部品組み立ての内職を行う作業室と、日替わり定食やカレーなどを上限500円で提供する食堂を備えている。野菜な
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広報戦略担当に林氏 掛川市が任用 副業人材で公募
掛川市は29日、都内の化粧品メーカーに勤務する林映子氏(56)=写真=を副業人材として市の広報戦略担当に任用すると発表した。7月1日付。 市の全国公募に応じた229人から選ばれた。市は当初、常勤の広報戦略官(課長級)として4月1日付で採用する予定だったが、林氏との調整でテレワーク中心の勤務形態に切り替えた。平均して月4日の勤務を想定している。 林氏は石川県出身。広告代理店や大手衛生用品メーカーなどで広報戦略を手掛けた。就任に当たり「掛川の発展のために貢献できるよう成長し、チャレンジしていく」とコメントした。
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公設なら120トン炉「妥当」 掛川、菊川の新廃棄物施設検討委
掛川、菊川両市の衛生施設組合が整備する新たな廃棄物処理施設について、事業方式などを議論する専門家の検討委員会は26日、掛川市内で第4回会合を開き、公設で整備する場合は1日当たりの処理能力が120トンの焼却炉が妥当とする見解で一致した。7月16日の次回会合で最適な事業方式や産業廃棄物受け入れの是非、焼却炉の規模などについて結論を出す。 両市が提出した将来人口とごみ量の推計値などを基に議論した。人口減少にプラスチック資源循環促進法施行に伴う分別回収の進展などを加味した試算によると、新施設稼働予定の2031年度時点のごみ年間総排出量は3万4619トン。21年度比で3180トン減少する。焼却処理量
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掛川の創業支援拠点 7月1日オープン 3店舗準備大詰め
掛川市は7月1日、中心市街地に空き店舗を活用した創業支援・にぎわい創出拠点「チャレンジBASEなかまち」を始動させる。商店街の空き店舗を借り上げて出店意欲がある人に提供し、商店街の活性化につなげる狙い。同市初の試みで、開店準備が大詰めを迎えている。 入居するのはカレー・コーヒー店「NONcocoCurry(ノンココカレー)」とアロマオイル販売「神さまアロマ」、キャリアコンサルティングの「はぴきゃりクリエイト」の3店舗。約60平方メートルに各店の区画と市民や観光客が利用できるフリースペースを配置する。 開店に先立つ24日、ノンココカレーは店舗運営の予行演習に取り組んだ。大勢の市職員を客に見
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掛川市 電気契約先切り替え、料金高騰で水道11施設 市議会答弁
掛川市議会6月定例会は21日、一般質問を行い、窪野愛子(市民派・公明倶楽部)、山田浩司(創世会)、高橋篤仁(同)、松浦昌巳(新しい風)、鈴木久裕(共に創る掛川)の5氏が登壇した。久保田崇市長は、電気料の値上がりを受けて一部公共施設の電気の契約先を官民出資の新電力「かけがわ報徳パワー」から別の電力事業者に切り替えたことを明らかにした。鈴木氏への答弁。 対象は上下水道11施設で、5月から6月にかけて契約を変更した。かけがわ報徳パワーの料金体系は市場連動型。水道施設は昼夜を問わず一定の電力を使うため、夜間の電気料が相対的に高い市場連動型ではデメリットが大きいと判断した。 固定価格制度を採用する
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公共交通計画策定を延期 掛川市長答弁、交通弱者支援を再考
掛川市の久保田崇市長は20日の市議会6月定例会一般質問で、2022年度中の策定を予定していた地域公共交通計画について、策定期間を23年度まで延期する考えを明らかにした。市民ニーズ把握や交通事業者へのヒアリング調査を行い、課題を整理する必要があると判断した。嶺岡慎悟氏(新しい風)への答弁。 市は計画策定に向けて、後期高齢者を対象にした自主運行バスの無料化、通院や買い物でタクシーを利用した場合に運賃の半額を助成する「お達者半額タクシー」などの実証実験を行ってきた。いずれの実験でも、リピーターが増えた半面、新規利用者の拡大にはつながらなかったことから、効果的な交通弱者支援を再考する。 新計画は
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掛川城天守修復 工事の安全願い神事 2023年1月末まで
掛川城天守閣修復工事の本格化を前に、工事の安全祈願祭が13日、掛川市の掛川城本丸広場で執り行われた。施工業者と市の関係者らが参列し、工事期間中の無事を祈った。工期は2023年1月末まで。 掛川城天守閣は1994年、日本で初めて本格木造で復元された市のシンボル施設。27年が経過し、しっくい壁の剝離や黒ずみ、高欄の腐食や退色が目立ってきたため、大規模な修復を実施する。 工事が終わるまで天守閣を閉鎖している。久保田崇市長は、しゃちほこの金箔(きんぱく)貼りに合わせた地上展示などを実施する考えを示し「30年の節目を清らかな姿で迎えたい。安全で安心な工事の進捗(しんちょく)を祈念する」と述べた。
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タブレットで気軽に相談 掛川市教委導入半年 児童生徒ケアに効果
掛川市教育委員会が導入した児童生徒向け悩み相談システム「こころの相談ノート」が、運用開始から半年を迎えた。1人1台配布のタブレット端末で相談を受け付けるアイデアは子どもたちの問題行動の減少につながり、全国の自治体から問い合わせが相次ぐ。三島市教委が類似の仕組みを導入するなど、学習用タブレットを学び以外に活用する動きが広がっている。 学習用端末を使い悪口を書き込むといったいじめが全国的に相次いで確認されたことを受け、前向きな活用法の検討からシステム開発に取り組んだ。いじめや勉強、家庭などの悩みを周囲の目を気にせずに相談できる仕組みで、2021年12月から22年5月末までに453件が寄せられた
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高校再編計画に掛川市長 地域協議会を歓迎
掛川市の久保田崇市長は10日の定例記者会見で、横須賀高と池新田高を統合する小笠地区の再編計画で、静岡県教委が地域協議会を設置する方針を示したことについて「横須賀高存続に向けて知事や県教委へ要望を繰り返してきた結果」と歓迎した。新たな計画を策定して見直しを図らなければ再編案は消えないとして、協議会の場で存続を主張していく考えを示した。 県教委の再編計画は2026年度をめどに横須賀高と池新田高を統合する内容で、地元は強く反発している。久保田市長は「今回の再編がなくなっても、別の再編案が出てくる可能性は十分に考えられる。統合自体を否定するものではない」と述べた。 市が進める小中学校の再編計画に
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家計支援策に6億5300万円 商品券など 掛川市補正予算案
掛川市は10日、物価高騰を受けた家計支援策として6億5300万円を追加する2022年度一般会計補正予算案を示した。プレミアム付き商品券の発行と低所得子育て世帯向け給付金への上乗せ、給食費据え置きの3本柱。開会中の市議会6月定例会に追加議案として提出する。 プレミアム付き商品券はデジタル商品券と紙ベースの商品券の2種類を用意する。デジタル商品券は額面1万円分、紙商品券は9千円分をそれぞれ5千円で販売する。発行総額は8億7400万円。 1世帯2冊まで購入可能で、利用期間は年末年始の商戦期に合わせて、12月上旬から23年1月下旬を予定している。各世帯に商品券購入引換券を郵送する。 低所得子
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避難所生活、宿泊で体験 掛川・栄川中1年
掛川市の栄川中で7日、1泊2日の避難所生活体験学習が始まった。1年生33人が参加し、8日まで地区の自主防災会役員約40人と共に炊き出しや図上訓練、応急救護などの実習に取り組む。 新型コロナウイルス対策で、炊き出しは調理が不要なアルファ米とレトルト食品のカレーを利用した。生徒は災害発生時の避難所をイメージしながら役割を分担し、手際よく配膳した。大釜で人数分のカレーを温めた長谷川芽音さん(12)は「自分たちでできることを考えながら、緊張感を持って臨みたい」と話した。中学生が地域防災の戦力として注目された東日本大震災を機に始まった恒例行事。地元・東山口区長会の八木歳一会長(68)は「物資の運搬
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リサイクルプラザ解体跡に焼却炉建設「可能」 掛川・菊川新施設
掛川、菊川両市の衛生施設組合が整備する新たな廃棄物処理施設で、両市は4日、火災による損傷で使用不能になっている現在の不燃・粗大ごみ処理施設「リサイクルプラザ」の一部を取り壊し、跡地に新しい焼却炉を建設することが可能とする見解を示した。選択肢の追加で基本構想の前提が変わったとして、専門家による検討委員会は今後、具体的な施設規模や整備手法の議論を進める。 同日、掛川市内で開かれた検討委の第3回会合で明かした。両市が示した遷座方式は現焼却施設を稼働させながら新施設の建設を進める案で、1日当たり120トンの処理能力がある焼却炉を想定した。公設民営方式を採用した場合、基本構想で最優先と位置付けた民設
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旬の梅 園児が収穫 掛川・高天神城跡
掛川市の土方・中幼稚園の園児が1日、同市上土方嶺向の高天神城跡の梅園で恒例の梅の収穫に取り組んだ。同園は2023年4月、近隣園を統合して新設される認定こども園に移行する。4、5歳児28人が、幼稚園としては最後の梅採りを楽しんだ。 梅園を管理する高天神社の総代や保護者らが協力した。園児は大はしゃぎで大人が棒で落とした梅の実を拾ったり、手を伸ばして枝から採ったりして容器に集めた。 梅は園児が各家庭に持ち帰るほか、園でジュースにして味わう。総代会長の青野孝善さん(73)は「ふるさとを思い出す味になるはず。こども園でも行事を引き継いでほしい」と期待を込めた。
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掛川西高生「檸檬饅頭」開発 食物研究部、販路開拓にも挑戦
掛川市の掛川西高食物研究部が、地元の無農薬レモンを使った新たな土産品「掛川檸檬饅頭(れもんまんじゅう)」を開発した。28、29の両日に開かれた同校の文化祭で販売が始まり、反応は上々。市を代表する土産物に育てるため、販路の開拓にも挑戦する。 地元スーパーマーケット「スーパーサンゼン」、浜松市北区の老舗和菓子屋「ふる里」との共同開発。白あんにレモンの果汁と皮を練り込み、甘味と酸味の絶妙なバランスを追求した。皮のほろ苦さも特徴で、さわやかな香りにもこだわった。 開発期間は約1年。部員は協力各社と商品開発会議を重ねたほか、レモンの収穫でも汗を流した。部長の鈴木結耶さん(17)は「最初は会議で意
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「グランシップ静岡能」 菊川で出前公演 ダイナミックな演舞堪能
静岡県民に日本の伝統芸能を紹介する「グランシップ静岡能」(県文化財団、県、静岡新聞社・静岡放送など主催)が29日、菊川市の菊川文化会館アエルで開かれた。演目は、神通力で龍神を岩屋に閉じ込めた仙人が登場する「一角仙人」。観客約250人が、仙人と龍神のダイナミックな演舞を堪能した。 グランシップが手掛ける出前公演の一環。「一角仙人」は歌舞伎十八番「鳴神」のモデルになった演目で、観世流シテ方の山階彌右衛門さんが演じた。龍神が岩屋から飛び出す場面では、観客は息をのんで舞台の展開を見守った。 狂言「寝音曲」も上演した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う延期公演。同市では当初、2021年1月に開催が予
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中大生、掛川の課題探る 産業や観光など 「とがった政策大事」
中央大で公共政策を学ぶ学生32人が28日、掛川市内で地域の産業や観光、まちづくりの取り組みなどを学ぶフィールドワークを開始した。29日まで、講義や茶園見学などに臨み、地域課題を探る。 市役所では、市職員が市政の課題などを説明した。観光分野は、集積している史跡や自然などの資源を観光集客に生かし切れていない点を挙げ「情報発信の工夫が必要。戦略的に取り組み、目立たせていく」と述べた。 学生からは、まちなかイベントを展開する主催者への支援やエコパスタジアム(袋井市)を絡めた観光振興策などに関する質問が出た。経済学部3年の鈴木康大朗さん(20)は「掛川城周辺の中心市街地と商店、交通などが連動した観
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「遺産」で田植え本格化 菊川・千框棚田 親子ら没頭
農林水産省の「つなぐ棚田遺産」に認定された菊川市倉沢の千框(せんがまち)棚田で28日、田植えが本格化した。復元に取り組むNPO法人せんがまち棚田倶楽部の棚田オーナー制度登録者ら約270人が参加し、作業に汗を流した。 静岡大棚田研究会のメンバーが手ほどきした。参加者は丁寧に稲の苗を手に取り、等間隔で植え付けた。全身泥まみれになりながら没頭する親子連れの姿も目立った。 オーナーらは、夏場の草刈りや秋の収穫にも取り組む。同法人の山本哲理事長は「オーナーや学生のおかげで美しい景観が保てる。地元だけではいくら頑張ってもできないだろう」と感謝した。 田植えに先立ち、県は農山村と企業の協働活動を支援
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記者コラム「清流」 かみ合わなかった報告会
新廃棄物処理施設の整備計画を巡り、菊川市が地元代表で構成する委員会への報告会を開いた。委員だけが発言できる決まりだったが、会合の中盤に傍聴者が意見を上げると押し切られる形で市側は発言を許し、傍聴席からの声はますます大きくなった。 是非はともかく、事前の取り決めは何だったのだろう。発言権がない人の中には、出席を見送って自身の意見を委員に託した人もいたはずだ。傍聴者の主張は理解できるが、ルールが破られたことで、当局と向き合っていた委員の熱量が一気に下がってしまったのは残念だった。 閉会直前、委員の1人が挙手した。「代表として区民に伝えるためにも、しっかりと説明を聞きたかった」。市は苦言を重く受け
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病院に木製花壇を寄贈 掛川特別支援学校の生徒製作
掛川市杉谷南の掛川特別支援学校の生徒がこのほど、車いす利用者が作業しやすい木製花壇を製作し、掛川東病院に贈った。入院患者や施設利用者がサツマイモや花の苗を植える園芸療法に活用する。 木工班の8人が木材を組み立てたり、防腐剤を塗装したりして作業に励んだ。同校の山下光司高等部主事は「生徒が地域社会とつながり、力を発揮できる場を与えてもらい、ありがたい。学んだ技術を実践する良い機会になった」と話した。 花壇は縦66センチ、横150センチ、高さ60センチで計5台。製作には同市の認定NPO法人時ノ寿の森クラブが協力した。指導に当たった同クラブ会員で建具職人の戸塚修夫さん(71)は「電動工具の使い方
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掛川城下に移住促進拠点 学生寮と簡易宿所兼用、6月オープン
掛川市と市街地空洞化対策に取り組む同市のNPO法人かけがわランド・バンクが6月、掛川城の城下に移住促進拠点「JOKA・BASE(ジョウカベース)」をオープンする。静岡理工科大の学生が居住する学生寮と観光客向け簡易宿所として活用し、交流人口の拡大を目指す。 掛川城に近い3階建てビルの2、3階部分を改装した。2階はアトリエを併設した学生寮。建築を学ぶ学生3人が生活を始める。居住しながら内装に手を入れていく計画で、アイデアや学んだ知識、技術を実践する場としての側面も持たせる。 入寮を予定する同大大学院理工学研究科2年の金子大海さん(23)ら3人は20日、JOKA・BASEに足を運び、居室の設備
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動物ポーズで初動学ぶ 菊川・河城小、ゲーム通して防災練習
静岡県はこのほど、菊川市の河城小で防災の特別授業を開いた。1年生約50人が保護者と共に、さまざまな災害の初動を練習するゲーム「防災ダック」に取り組んだ。 県西部地域局の担当者2人が、地震の被害から身を守るために両手を頭に乗せてかがみ込むアヒル、高い場所を目指して津波から逃げるチーターなどさまざまな動物のポーズを実演した。 児童は音楽に合わせて繰り返しポーズを取り、災害から身を守る方法を学んだ。 同校は自助と共助を軸とした防災教育に力を入れている。6年生は、地震の仕組みや想定される被害、備えの重要性などを学ぶ防災講座に臨んだ。
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学校再編 市民と考える 掛川市教委、8月に意見交換会
掛川市教育委員会は19日、学校再編計画の策定に向けた市民との意見交換会を8月に開催する方針を示した。中学校区を一つの学園と見立てる「学園化構想」と小中一貫教育の推進を柱に据えた計画案に反映させる。11月までの策定と公表を目指す。 同日の市議会全員協議会で市教委の山梨実教育部長が説明した。意見交換会は市内9中学校区で開催し、地域代表と児童の保護者らで構成する。話し合いの円滑化を促すファシリテーターを活用し、各校区で5、6人の小グループを複数つくって幅広い世代の意見を吸い上げたい考え。 学校再編は市政の重要課題の一つ。山梨部長は「教育的効果だけでなく、まちづくりや地域コミュニティーにも配慮す
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バイパス完成祝う 掛川・西大谷トンネル 安全性が向上
掛川市街と大須賀地区を結ぶ県道袋井小笠線西大谷トンネル(同市入山瀬)のバイパス工事が完成し、現地で17日、事業報告会が開かれた。トンネル内は幅が狭く大型車の通行が困難だったが、バイパスの完成で安全性が大きく向上した。 関係者がテープカットして祝福した。久保田崇市長は、地権者や施工業者、地域住民らに感謝を示し「大須賀地区に足を運びやすくなる。完成を共に喜び合いたい」と述べた。 工事は延長0・8キロで事業期間は2014~21年度。事業費は10億4千万円。工事で発生した土は市沿岸部に整備中の防潮堤の盛り土材として活用した。
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⚾掛川4高校が野球交流戦 「夏」見据えて腕試し
NPO法人掛川市スポーツ協会と市は15日、掛川市内の高校4校が出場する野球交流戦(静岡新聞社・静岡放送後援)を同市細谷の掛川球場で開いた。掛川東対掛川工、横須賀対掛川西の2試合を行い、選手が白熱の試合を繰り広げた。 夏の全国高校野球選手権静岡大会を見据えた腕試しの舞台。終盤に大量得点を挙げた掛川工が8対0で掛川東を下した。掛川西は初回から着実に加点し、16対1で横須賀を退けた。2試合とも七回コールドで決着した。 新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりの開催。観客は選手の家族と学校関係者に限定した。
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挑戦する大切さ強調 冬季パラ銀の上原大祐さん ゴールボールを指導 掛川・佐束小
掛川市の佐束小4~6年生がこのほど、同校でパラスポーツのゴールボールを体験した。2010年バンクーバー冬季パラリンピックのアイススレッジホッケーで銀メダルに輝いた上原大祐さん(40)が指南役を務めた。はごろも教育研究奨励会の「はごろも『夢』講演会」の一環。 ゴールボールは視覚障害者のために考案された球技で、鈴が入ったボールを転がして相手のゴールを狙う。児童は3人一組になり、マスクで目隠しして競技に臨んだ。 競技前には上原さんが全校児童を対象に講演し、夢や目標に向かって挑戦する大切さを強調した。漁師になりたいという4年石川淳之介くん(9)は「夢をあきらめたくない。頑張って挑戦していきたい」
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静岡人インタビュー「この人」 深谷たか江さん(菊川市)粟ケ岳登頂3000回を達成
近所の友人の誘いで2010年、中学生の校外活動以来の粟ケ岳(標高532メートル)登山を再開した。掛川市北部の山に残る豊かな自然と景観に魅了され、毎朝の日課になっている。元化粧品販売員。78歳。 ―3千回達成をどう受け止めているか。 「節目を迎えたという感慨は全然ない。ただの通過点と思っている。ただ、麓の地場産品直売所のスタッフや近所の人は自分のことのように喜んでくれた。お祝いとして高価なコチョウランを届けてくれた人もいる。本当にありがたい」 ―粟ケ岳にはまった理由は。 「中学のころの遠足では、もう駄目かと思うほどしんどかった。そんな記憶がずっと残っていたが、久々に登った時は爽快感と充
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現代着物×江戸期の帯留め 掛川・二の丸美術館 装飾具300点並ぶ
掛川市掛川の市二の丸美術館で6月12日まで、着物の帯留めに焦点を当てた企画展「現代着物と帯留物語」(静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれている。帯留めや、かんざしなどの装飾具約300点が並び、江戸後期から昭和初期までの金工技術を紹介している。 帯留め金具を現代着物の帯と組み合わせて展示したのが特徴。素材にサンゴや竹を使ったり、刀剣の装具を転用したりして粋な装いの演出を図った帯留めもあり、来館者の関心を集めている。 帯留めなどは同館収蔵品「木下コレクション」の一部。着物と帯の展示には、市内の老舗呉服店大国屋本店が協力した。
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ハナショウブ優美に 掛川・加茂荘花鳥園、アジサイヒルズも設置
掛川市原里の加茂荘花鳥園で極早咲きのハナショウブが見頃を迎えた。江戸中期の庄屋屋敷を背景に紫や白の花が水辺に咲き、来園者を楽しませている。 同園では、約1ヘクタールの屋外ほ場に600種50万株を育成中。担当者によると、開花は前年より10日ほど遅く、今後は6月下旬ごろまで中咲きや遅咲きの品種の開花が続くという。 温室内にはアジサイの鉢植えを丘状に並べた「アジサイヒルズ」を設置した。加茂セレクションと銘打った多彩なオリジナル品種が並ぶ。庄屋屋敷内のギャラリーでは、ハナショウブやギボウシなどを題材にしたアクリル画展を開催している。
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季節感じる7種300本植樹 プラットフォーム開設記念 掛川・時ノ寿の森クラブ
森林再生に取り組む掛川市の認定NPO法人時ノ寿の森クラブは30日、人と森を結ぶプラットフォームの開設を記念した植樹祭を同市倉真で開いた。会員や地域住民、パートナー企業の社員ら約120人が参加し、広葉樹の苗木を植えた。 ヤマザクラやコブシ、イロハモミジなど四季を楽しめる広葉樹7種類300本を用意した。参加者は斜面に穴を掘って苗木を置き、丁寧に土をかぶせて固定した。 植樹後は森の散策なども楽しんだ。大石淳平事務局長は「植樹は森づくりの原点。保全するだけでなく、もっと利用してもらって豊かな森を未来に引き継いでいきたい」と話した。 同法人は、里山保全のボランティア育成や幼児を対象にした自然体
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記者コラム「清流」 地域のシビックプライド
掛川市初の女性副市長が4月、誕生する。民間公募で選ばれたNECの石川紀子氏。会見で、報徳思想が根付く風土と市民性を市の魅力に挙げ「シビックプライド(まちに対する市民の誇り)が高い」と表現した。 あまりなじみのないカタカナ語だが、言い得て妙だとも思った。意味は愛郷心や郷土愛に近いが、微妙にニュアンスが異なる。土地で生まれた人もよそからの移住者も分け隔てなく、同じ目線でまちの将来を語り合える概念だと受け止めた。 市内でまちづくり活動に汗を流す人の中には移住者も多く、思いの強さに感心する。県外から移住する新副市長は「市民との共創で物事を進めたい。そういう土壌はある」と見通していた。相乗効果に注
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記者コラム「清流」 厳しいウィズコロナ
昨年12月、掛川市内の保育園から周辺市の子育て施設と合同企画したサッカー大会の取材依頼があった。2カ月も前の依頼はあまりない。子どもの笑顔のために、はやる気持ちがあったのかもしれない。電話で概要を聞いて取材予定に加えた。 その後も、雨天だった場合の代替施設の場所など追加情報を逐一教えてもらってきたが、先日の電話は「コロナで延期になってしまった」。開催時期は未定で、年長児の卒園に間に合わないかもしれないという。 園児の落胆を思うと胸が痛い。ぎりぎりまで開催を模索したはずの職員の無念も察するに余りある。「ウィズコロナ」という言葉を耳にする機会が増えたが、コロナは非情だ。共存・共生を強いられた
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タブレット活用の悩み相談 対応力磨き機能発揮を【風紋】
掛川市教委が導入した児童生徒向け悩み相談システム「こころの相談ノート」は、運用開始から1カ月が経過した。年末年始を挟み、寄せられた相談は150件以上。相談に踏み切る心理的なハードルをデジタル技術で引き下げた好例だ。機能を十分に発揮するために、個別の悩みに寄り添う対応力が試されている。 システムは2021年12月10日に運用が始まった。1人1台配備のタブレット端末のホーム画面にアイコンを配置して、勉強と家庭、いじめ、身体、その他の5項目から相談内容を選択・入力していく仕組み。さまざまなケースを想定し、匿名入力や相談相手の指名を可能とした。 外部委託に頼らず、ウェブ上のアンケート作成・管理ソ
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記者コラム「清流」 キャンパー目線で改善を
菊川市の火剣山キャンプ場を訪ねた。豊かな緑と清潔感がある。市街地に近いのに、自然に包まれている感覚に満たされた。アクセス道の風景も素晴らしく、起伏に沿って広がる茶畑と青空のコントラストに感動した。 地域の宝を詰め込んだような場所だが、利用するにはハードルが高い。2週間前までに予約する必要があるからだ。思い立った時にアウトドアを楽しみたいのがキャンパーのさが。当日の天候を気にしながら過ごす2週間はあまりにも長い。 キャンプ場の認知度向上に向けて、市はロゴマーク制定や野外イベントの開催など施策展開を強化している。魅力は既に十分発信できていると思う。残る課題はキャンパーの目線に立った仕組み改善
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掛川市の副市長公募 全国から1498人 民間登用で改革加速、採用に試される目利き力【解説・主張しずおか】
静岡県内で初めて副市長の民間公募に踏み切った掛川市で、選考作業が進んでいる。10月18日~11月14日の募集期間中、全国から1498人の応募があった。公募の副市長が担うのは、スピードと柔軟性を備えた市政改革。人事が行政運営の中枢に与える影響は大きく、採用に当たる市の目利き力が試されている。 新たな副市長が決まれば、来春以降は副市長が2人体制になる。現任の高柳泉副市長が予算や人事など内部管理業務を担い、公募副市長は広報やデジタル技術による変革「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の強化に注力する。分業化で改革を加速させる狙いがある。 公募では、人材サービス大手エン・ジャパン(東京)と
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記者コラム「清流」 守りたい茶園の景観美
支局管内に自分だけの景観スポットがいくつかある。前景は決まって広大な茶畑。地元の人にとっては当たり前の景色だろうが、ぜいたくな生活空間だ。四季折々の表情を楽しみにしたい。 掛川市が推進する「掛川茶リブランディングプロジェクト」は、茶産地の暮らしに焦点を当てた情報発信が特徴。茶の機能性を重視した従来手法からの転換を図った。取り組みの一環で、市役所庁議室などに飾られていた絵画は、茶園の風景写真に掛け替えられた。夕暮れ時や新茶期を切り取った作品は圧巻だ。 一方で、感動と共感を呼ぶ景観美がなければプロジェクト自体が成り立たない。茶業を取り巻く環境は厳しく、放棄茶園は増加の一途。振興策の真価が問わ
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記者コラム「清流」 SDGsにかなう教育
掛川市が市内小中学校の全31校で、授業をオンライン配信できる環境を整えた。公開授業では、教諭が遠隔参加の児童にも意見を求めながら円滑に授業を進めた。新しい学びの形だ。研修を重ねて、授業の一体感をさらに高めてほしい。 企業で広まったリモート会議と同様、オンライン授業も浸透するかもしれない。ただ、市教委は「対面授業が基本」との姿勢を貫く。社会性や感受性の育成など、学習以外の集団生活の利点に相当な比重を置いているのだろう。 対面を基本に据えながら、登校が難しい児童にも手を差し伸べる。「誰ひとり取り残さない」が合言葉の持続可能な開発目標(SDGs)と合致する教育の姿だと思う。発展に期待したい。