あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 牧之原市

牧之原茶新機軸 鍵はプーアール 荒畑園、機能性表示に注力

 製茶販売業の荒畑園(牧之原市)が県内では珍しい国産プーアール茶を用いた商品開発を活発化させている。生産規模を拡大し、6月に産学連携で機能性表示食品としてリニューアル。健康志向の強い消費者をメイン顧客に据えて茶の効能をアピールすることで需要開拓を図る。

生育状況を確かめながら茶園を巡回する荒畑賀範社長=5月下旬、牧之原市布引原
生育状況を確かめながら茶園を巡回する荒畑賀範社長=5月下旬、牧之原市布引原
機能性表示食品としてリニューアルした国産プーアール茶
機能性表示食品としてリニューアルした国産プーアール茶
生育状況を確かめながら茶園を巡回する荒畑賀範社長=5月下旬、牧之原市布引原
機能性表示食品としてリニューアルした国産プーアール茶


 1948年に牧之原台地で茶農家として創業した同社は栽培、加工、販売を一貫して手がけてきた。リーフ茶需要が低迷する中で、かつて茶生産量全国トップを誇った牧之原市も耕地面積が減退している。地域茶業衰退への危機感を強めた同社は生産・販売の両面で新機軸を打ち出した。
 同社の販路開拓の要は09年に開発した県内産緑茶を原料とするプーアール茶だ。当時国内でなじみが薄かったものの、殺菌処理や発酵管理などの量産設備を整えて商品化。紅茶のような味わいや抗酸化作用が健康志向の消費者に受け入れられ、累計販売数486万袋を記録するなど煎茶と並ぶ看板商品となった。ベリーなどのハーブ系や黒豆といった商材とのブレンド商品も次々と生み出した。今回は近畿大との共同研究で、プーアール茶由来の没食子酸に、内臓脂肪を減らして肥満度を示す体格指数「BMI」を低下させる機能があると証明した。機能性表示の実現を機にさらなる拡販を目指す。
 多様な商品開発を下支えするのは生産基盤の拡大だ。21年時点の自社茶園は12年比1・8倍の20ヘクタールと集積を重ねて広がった。地域の茶生産者との協働も図り、12年には農家の集まり「大地の会」を結成。土壌作りの技術を共有するなど良質茶生産に向けた取り組みを進め、18軒の契約農家から茶葉を買い取る仕組みを構築している。荒畑賀範社長は「消費者の求める物にアンテナを張り、売れる商材を考える。いくつもの試みの中から緑茶の消費を引き上げていきたい」と言葉に力を込める。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

牧之原市の記事一覧

他の追っかけを読む