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テーマ : 牧之原市

相良藩主・田沼意次の功績 伝える契機に 2025年大河ドラマに登場 牧之原で高まる期待

 江戸幕府老中で、相良藩主(牧之原市)を務めた田沼意次(1719~88年)が、2025年に放送予定のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」に登場することとなった。〝賄賂政治家〟との印象を持たれがちだが、近年は幕府財政を立て直した政治手腕を再評価する声も多い。ドラマを機に市内関係者は経済改革の先駆者としての功績を発信し、地域振興につなげたい考えだ。

生誕300年記念事業として建てられた意次像を前に笑顔を見せる河野研司さん=10月中旬、牧之原市の市史料館
生誕300年記念事業として建てられた意次像を前に笑顔を見せる河野研司さん=10月中旬、牧之原市の市史料館

 意次は相良藩主として相良城築城による城下町の建設に加え、東海道へつながる「田沼街道」などの整備に力を注いだ。幕府老中としても画期的な重商主義を打ち出し、株仲間の奨励や通貨の統一を図った。しかし急進的な改革に不満を抱く有力者も多く、後ろ盾だった10代将軍徳川家治の死去以降に権勢を失った。
 ドラマでは意次役を世界的俳優の渡辺謙さんが演じる。人物像の描かれ方にも注目が集まるが、地元では長年にわたり顕彰活動が続けられてきた。発起人となった河野研司さん(65)=同市波津=は「長い道のりだった」と目を細める。河野さんが活動を始めたのは約30年前。意次を題材にしたテレビを見て町おこしにつながればと考えた。
 有志らと団体を設立し、田沼街道を活用したイベントを企画したほか、意次生誕300年となる2019年からは記念の意次像制作に尽力した。当初はイメージの悪さから地域内からも「恥ずかしいからやめてくれ」といった声も多かった。しかし、そうした意見があったからこそ活動の意義を強く感じたという。22年に発足した大河ドラマ誘致推進協議会の一員として、ドラマ化を後押ししてきただけに「相良の意次ではなく、牧之原が誇る意次として地域に認識が広がってほしい」と笑顔を見せる。
 推進協議会ではドラマを活用して地域活性化につなげていこうと、意次にちなんだ新たな名産品の開発やイベントの検討が進められている。協議会の今野朝子会長(75)は「地元商工業者一体となって地域経済を盛り上げていきたい」と言葉に力を込めた。

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