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テーマ : 牧之原市

牧之原市 女性の事業支援 人口減 歯止めの糸口に【記者コラム 黒潮】

 牧之原市の本年度を起点とする第3次総合計画の重点プロジェクトの一つ、女性活躍推進に向けて事業化を後押しする講座「月3万円ビジネス」が注目を集めている。出生数減少や若者世代の流出が深刻化する状況改善のためには、子育て世代に対する支援制度や施設の新設だけでなく、自治体独自の魅力を打ち出すことが求められている。「日本一女性にやさしいまち」を重点戦略に掲げる市の本気度が試される中、女性活躍の機運を官民で高めていきたい。
 2005年の市誕生時約5万人だった人口は11年の東日本大震災を契機に減少が加速し、今年9月時点では約4万3千人となっている。とりわけ若年層の減少は顕著で、出生数も11年から10年間に約半減し、志太榛原地域4市の中で最も深刻な状況が続く。
 月3万円ビジネスは、女性が趣味や特技を生かしながら小さなビジネスを立ち上げ、子育てとやりたいことを両立する暮らしを目指すことに主眼を置く。7月から始まった講座には子育て世代など16人の女性が、手芸やピアノ、セラピストなどのスキル・資格と地域資源を掛け合わせたビジネスアイデアの創出に取り組む。10月上旬に開催したプレゼン大会では知育やアート、子育て世代を対象とした憩いの場の運営といったプランが示され、12月にビジネスアイデアの実践会も予定されている。早くも事業化を目指す動きも見られるが、講座終了後の持続的な活動としていくためには、活躍の場を確保することが不可欠となる。意欲的な女性が羽ばたく機会につなげていくためにも、資金や活動拠点の確保、販路開拓を地域で後押しする仕組みづくりが重要となる。
 ある参加者は「講座に参加する仲間たちと交流を深めながら、アイデアを練ることで自分だけでは考えられなかった発想が多く生まれた」と語る。地域に暮らす女性同士のつながりの深まりも、それぞれのライフスタイルの充実度を高め、この町に住み続けたいと感じる要素と成り得るのではないだろうか。地域の未来を支える人材の育成とともに、人口減という大きな課題解決の糸口としていってほしい。
 (榛原支局・足立健太郎)

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