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テーマ : 牧之原市

工夫重ね おいしさ追求 茶とミカンの複合経営 縄巻和志さん(牧之原市)【自然の仕事人】

 富士山静岡空港近くの茶畑が一面に広がる牧之原市勝田で、茶とミカンの複合経営をしている縄巻和志さん(37)を訪ねた。縄巻さんは高校を卒業後、視野を広げるため製造業に3年間従事した後、17年前に就農した。

ミカンの収穫作業を行う縄巻和志さん
ミカンの収穫作業を行う縄巻和志さん

 就農当時は4ヘクタールの畑で茶を栽培していた。しかし近年の茶価の低迷を受けて「茶を中心とした農業経営を続けて大丈夫なのか」と疑問を持ち、茶中心の経営から多品目への転換を考え始めた。5年前から本格的に経営方針を見直し、高品質な茶の生産に取り組みつつ、地域での栽培に適した青島温州を経営の新たな柱とすることを決めた。現在は茶3・5ヘクタール、ミカン1・3ヘクタールを栽培し、経営の安定を図っている。消費者に選ばれるおいしいミカンを生産するため、茶から転換した畑では土壌pHを矯正するなど、一から土づくりに取り組み、全面マルチ栽培で糖度を上げるなどして工夫を重ねている。
 「お客さまを第一に考え、安全・安心な農産物を消費者に提供することは当たり前」と真剣なまなざしで話す縄巻さん。今後の目標について「お茶を今以上においしい味にするため、取引先と連携しながら肥料の種類や量の試験に取り組んでいる。青島温州に加えて中晩柑[かん]を導入して経営の安定化と消費者の多様なニーズへ対応していきたい」とし、「自分がおいしいと自信を持ってお客さまに提供できる農産物の生産にこれからも努めていく」と意気込みを語ってくれた。消費者のために奮闘する縄巻さんの今後の活躍に期待したい。
 (青年農業士会志太榛原支部)

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