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テーマ : 牧之原市

茶箱、思いを詰め贈る 牧之原・相良物産 福島の被災同業者支援

 2023年9月に発生した台風13号で大きな被害を受けた福島県いわき市の茶販売「柏俣園」の復興を支援しようと、牧之原市の茶問屋「相良物産」が茶葉の保管に使われる茶箱を送った。相良物産の山本明男社長(67)は「茶業界を支えてくれている人のためになれば。熱意を後押ししたい」と話す。

「熱意を後押ししたい」と話す山本社長=牧之原市の相良物産
「熱意を後押ししたい」と話す山本社長=牧之原市の相良物産
届けられた茶箱を前に笑顔を見せる柏俣さん(左)=福島県いわき市
届けられた茶箱を前に笑顔を見せる柏俣さん(左)=福島県いわき市
「熱意を後押ししたい」と話す山本社長=牧之原市の相良物産
届けられた茶箱を前に笑顔を見せる柏俣さん(左)=福島県いわき市

 柏俣園は静岡県産のお茶販売専門店として1935年に創業した。地域の「お茶屋さん」として長年親しまれてきたが23年9月、台風による大雨で店舗兼自宅が床上60センチ以上浸水し、店内にあった商品や茶箱などはほぼ全てが廃棄となった。同店では店頭で茶葉を量り売りしていたため、保管用の茶箱は何よりの商売道具だった。建物の修繕費用だけでも1千万円以上が必要で廃業の危機にさらされたが、存続を望む地域の声もあり約1カ月半後に営業を再開した。
 茶箱を新たに工面する余裕はなく代替の容器で何とか店頭販売を続けていた中、窮状を知ったボランティア関係者が支援を呼びかけた。話を聞いた相良物産が「事業再開の一助に」と支援に手を上げ、真新しい茶箱10ケースを用意した。
 茶箱はボランティアを通じて牧之原市から届けられ、同店は被災前の姿を少しずつ取り戻している。店主の柏俣喬さん(75)は「人のつながりの大切さを改めて感じた。感謝の気持ちを忘れず、これからも静岡の茶の魅力を伝え続けたい」と前を見据えた。
 (榛原支局・足立健太郎)

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