見た目は木…でも不燃材 CNF使用の新塗料開発 焼津の岸萬塗装
焼津市浜当目の塗装業「岸萬塗装」がセルロース・ナノファイバー(CNF)を混ぜた塗料を使い、鉄やアルミなどの表面に木目調の塗装を施す技術を開発した。見た目には木と変わりがない不燃材を、建築現場を中心に展開することが可能になった。
塗料は木の粉やCNFを一定の配合で混ぜて作った。CNFを入れることで、塗装した際に木の粉が分散する効果をもたらし、ざらざらと木の表面のような質感を実現した。木目調のシートを貼り付けた場合に比べて、劣化に強いという。
同社は建材や産業用機械への塗装を中心に展開しているが、新型コロナウイルス禍で収益が激減。事業の「第三の柱」を構築したいと、1年半ほど前から開発を進めていた。関係機関の助言を受けながら、試行錯誤の末、今年に入って木目調の塗装技術が完成した。
同社は藤枝市内の工場に専用ラインを設置し、量産化を目指す。今後、産業機械や建材への塗装を展開していく方針だが、岸勇旭専務は「自分たちには考えも付かないような使い道があるかもしれない」と提案を募っていく考えだ。