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地下水噴出、下部から崩落 浜松・天竜区の土砂災害、浜松市が分析結果示す

 9月の台風15号に伴う豪雨で住宅3棟が損壊、住民3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落について、市は15日の第三者技術的検証会に示した原因調査報告書案で、無届けの盛り土が造成されていた斜面の中央付近に地下水が噴き出し、斜面下部が崩れたのを機に全体が崩落したと推定されるとの分析結果を説明した。

浜松・天竜区の土砂災害 現場斜面の地質のイメージ図
浜松・天竜区の土砂災害 現場斜面の地質のイメージ図

 市によると、連続した豪雨で斜面の地下水位が上昇し、斜面中央付近で噴出した。水を多く含んだ斜面下部の土が重みで小規模崩壊を起こし、バランスを失った斜面上方の土が大きく崩壊して家屋を破壊したとの経過が有力だと結論づけた。崩落前、斜面沿いに8100立方メートルの土が盛られていたが、内部に空隙(くうげき)が多く、排水施設も不十分で、雨によって大量の水を含んでいた。このため、盛り土全体が崩れやすくなっていたと考えられるという。
 検証会では、第三者委員の沢田和秀岐阜大教授(地盤工学)、松田達也豊橋技術科学大准教授(同)とも市の分析を「妥当」と認めた。市は「崩落は豪雨と盛り土の存在によって引き起こされた」と判断し、近く報告書を完成させて、今後予定している行政対応の検証作業に活用する。
 市は現場で実施してきた二次災害防止対策の有効性も第三者委員に認められたとして、周辺12世帯に発令していた避難指示を15日付で解除した。

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