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掛川・原野谷川漁協、アユ漁業権を更新せず 今季から放流なし

 掛川市北部の原野谷川で遊漁を管理する原野谷川漁協が、アユに関する漁業権の更新を見送ったことが8日、同漁協への取材で分かった。県内各地の河川で今季のアユ釣り解禁が迫る中、原野谷川は対象河川から外れる。アユ釣り愛好家の減少や放流の負担増などが主な要因。今季からアユの放流を行わず、アマゴとニジマスに絞った渓流釣りに経営資源を集中する。

今季からアユ放流がなくなった原野谷川=5月上旬、掛川市大和田
今季からアユ放流がなくなった原野谷川=5月上旬、掛川市大和田

 同漁協によると、アユ関連事業は不振で、遊漁料収入では放流費用を賄えない状況が続いていた。2023年シーズンは一定数の成魚を放流したが、おとりアユ販売は取りやめた。同漁協の河合宏一理事(56)は「アユの釣り場でなくなるのは残念だが、やむを得ない。経営が改善すれば復活も考えたい」と説明する。
 アユの友釣り師が減少する一方で、疑似餌の毛針やルアーでアマゴなど渓流魚との駆け引きを楽しむスポーツフィッシングの人気は高まり、原野谷川でも若者を中心にファンが増えている。同漁協は18年にキャッチアンドリリース(再放流)区間を設けて通年で釣りを楽しめるようにしたほか、釣り講習会や放流イベントなどを通して自主財源の確保に努めている。地元の60代のベテラン釣り師は「もともと友釣りをする人は少ない川だった。天然遡上(そじょう)のアユがいるのは下流部に限られ、放流がなければ釣果は望めない」と話した。

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