静岡県知事に鈴木康友氏 自民推薦・大村氏破る 元浜松市長の実績評価

 静岡県政史上最多の新人6氏が立候補した川勝平太前知事の辞職に伴う知事選は26日、投票が行われ、即日開票の結果、元浜松市長鈴木康友氏(66)=立憲民主党、国民民主党推薦=が元副知事大村慎一氏(60)=自民党推薦=との激しい競り合いを制し、初当選した。15年ぶりの新知事を選ぶ選挙で、投票率は前回を0・46ポイント下回る52・47%。静岡市清水区選挙区の県議補選、藤枝市長選、同市議補選の投開票も同日行われた。

当選確実となり花束を手にする鈴木康友氏=26日夜、静岡市葵区
当選確実となり花束を手にする鈴木康友氏=26日夜、静岡市葵区
バンザイをして当選を喜ぶ鈴木康友氏=26日夜、静岡市葵区
バンザイをして当選を喜ぶ鈴木康友氏=26日夜、静岡市葵区
当選確実となり花束を手にする鈴木康友氏=26日夜、静岡市葵区
バンザイをして当選を喜ぶ鈴木康友氏=26日夜、静岡市葵区

 知事が公選制となった1947年以降、浜松市出身の知事が初めて誕生する。
 自民党は衆院3補選に続く地方選での連敗。「政治とカネ」の問題や県内国会議員の不祥事による逆風の中での党本部推薦候補の敗戦は、岸田文雄首相の政権運営の打撃になる可能性がある。自民県連は衆院選の戦略の練り直しが迫られる。県議会で過半数を占める自民会派の新知事との関係性も焦点となる。
 鈴木氏は、知名度に勝る県西部の得票で圧倒し、中部、東部で集票する大村氏を振り切った。西部で経済界や党派を超えた支持を受け、旧民主党系の議員や連合静岡による組織戦で、大村氏優勢とされた中部や東部で重点的に遊説し、「西部重視の知事候補」との印象を払拭。リニア中央新幹線工事で岐阜県内の井戸の水位低下が問題になると、川勝県政の成果や長所の継承を打ち出し、県民感情をつかんだ。野田佳彦元首相ら野党の大物が相次いで応援に駆け付け、自民への逆風もプラスに働いた。
 大村氏は、自民県連や中部経済界、業界団体による組織戦を展開し、中部地域で党派を超えた支援体制を確立した。自民への厳しい目線を考慮し、政党色を打ち消した戦いを徹底し、中部や東部地域で支持を広げて終盤に猛追したが、短期決戦も響き及ばなかった。
 共産党県委員長の森大介氏(55)=同党公認=は、11年ぶりの党公認候補として反リニア、反原発を訴えたが、広がらなかった。
 政治団体「個人の尊厳党」代表横山正文氏(56)、アパート経営村上猛氏(73)、コンサルティング会社社長浜中都己氏(62)は苦戦した。

 鈴木 康友氏(すずき・やすとも) 浜松市中央区出身。慶応大卒。松下政経塾から企画会社社長を経て、2000年から衆院議員を2期5年、07年から浜松市長を4期16年務めた。現在はコンサルティング会社社長、山梨県政策顧問を務める。66歳。

知事選 開票結果
 (当選者の丸数字は当選回数 ◎印は法定得票を得た人)
 当728,500 鈴木康友 無新①
 ◎651,013 大村慎一 無新 
  107,979 森大介 共新 
   24,315 浜中都己 無新 
   15,106 村上猛 無新 
    9,263 横山正文 諸新

 

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