あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 富士市

「犠牲はいつも子どもたち」 富士出身のカメラマン渡部陽一さん 2014年からウクライナ取材

 富士市出身で戦場カメラマンとして活動する渡部陽一さん(51)は、2014年のロシアによるクリミア併合をきっかけとした紛争以降今年の夏までに計13回ウクライナに渡り、取材を続けてきた。静岡新聞社のインタビューで28日までに、現地の様子を伝えるとともに「犠牲者はいつも子どもたちだ」と語り、平和への思いを強調した。  

(提供写真)破壊されたロシア軍戦車=8月、ウクライナ(渡部陽一さん撮影)
(提供写真)破壊されたロシア軍戦車=8月、ウクライナ(渡部陽一さん撮影)
(提供写真)首都キーウで警戒を強めるウクライナ軍兵士=8月、ウクライナ(渡部陽一さん撮影)
(提供写真)首都キーウで警戒を強めるウクライナ軍兵士=8月、ウクライナ(渡部陽一さん撮影)
渡部陽一さん=9月、都内
渡部陽一さん=9月、都内
(提供写真)破壊されたロシア軍戦車=8月、ウクライナ(渡部陽一さん撮影)
(提供写真)首都キーウで警戒を強めるウクライナ軍兵士=8月、ウクライナ(渡部陽一さん撮影)
渡部陽一さん=9月、都内


 渡部さんは8月24日、22年2月の開戦から1年半、32回目となる旧ソ連からの独立記念日を迎えるのに合わせてウクライナへ向かった。同国東部、南部では、状況が分からないほどの激しい戦闘が続いている。欧米の軍事後方支援を受ける同国が戦力を強める中、「実績が重なるほど、ロシアが核兵器を使うデッドラインが迫っているかもしれないという緊張感があった」と振り返る。
 一方、キーウやリビウなどの都市部はデパートや銀行が営業を再開していて、日常が戻りつつある。開戦直後に避難した人の多くがふるさとに帰ってきて、「軍に対する医療や食料などの支援をはじめ、それぞれが地域でできることをして暮らしを守ろうとしている」と話す。
 9年間の取材でこうした市民の意識を随所で感じ取ったといい、「多民族が集まってできたウクライナの歴史に起因するのではないか」と推察する。
 冬に向かうこれからの時期の市民生活の厳しさを危惧。同時に、「他の国が絡み、代理戦争の様相を呈してきた」と、さらなる長期化への懸念を募らせた。
 これまでのさまざまな国・地域での取材は、アフリカのルワンダ内戦で、助けを求めてきた子どもたちを救えなかったことが原点になっている。ウクライナを含め、「子どもたちの教育の機会や穏やかな生活を奪う戦争をなくさなければいけない」とかみしめるように語った。
 (教育文化部・鈴木明芽)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

富士市の記事一覧

他の追っかけを読む