テーマ : 議会しずおか

リニア「解決策」巡り応酬 自民「ルート変更では?」 知事「策あるが言うのは失礼」 静岡県議会

 12日の静岡県議会12月定例会の一般質問では、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事について、川勝平太知事が定例記者会見で発した「解決策」を巡って自民会派の中田氏が知事を厳しく追及し、論戦を繰り広げた。中田氏が「ルート変更を意識して言ったのか」とただすと、知事は「ルート変更は念頭にない」と答えつつ明確な回答をせず、議会側は答弁漏れを指摘して再答弁を要求した。再答弁で「開通できる部分から開通させることが解決策になる」と神奈川―山梨間の部分開業を挙げた知事に対し、議場からは「静岡工区のことではない」などと不満を示すやじがとんだ。
 知事は10月10日の会見でリニア問題解決の道筋を問われ、「もし私がJR東海の意思決定者であれば、川勝と膝をつき合わせて話せば、その場で解決策を出せる」などと述べた。
 中田氏は質問で解決策の内容を明らかにするよう求めた。知事は最初の答弁で「丹羽(俊介)社長の強いリーダーシップを求める思いを述べた。JR東海には地元の理解が得られ納得できる環境保全策を示すことが求められる」と答えた。
 「ルート変更か、他の妙案があるのか」と再度ただす中田氏に、知事は「現在のルートを前提に、建設促進期成同盟会に入った」と強調。2022年に他県工区を視察して主張した「部分開業」や、工事車両通行ルートとして当初JRが提案した市道閑蔵線のトンネル整備などを例示した。新型コロナウイルス禍や資材価格高騰など事業認可時点からの変化を踏まえ、「いったん止まって改めて考え直す必要があることは(丹羽)社長と膝を交えて話したい」とも述べた。
 中田氏は「具体策がないなら発言を撤回すべき。逃げている」と詰め寄った。知事は「解決策は持っている。私は(リニア事業の)意思決定者ではないので言うのは失礼」と応酬した。

いい茶0

議会しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞