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CO2排出量を見える化 静岡銀行がクラウドサービス 企業の現状把握、削減計画支援

 静岡銀行は、企業の二酸化炭素(CO2)排出量を算定するクラウドサービス「しずおかGXサポート」の取り扱いを始めた。企業規模が大きく、CO2排出量も多い2千社などにサービスを無償提供し、各社が現状を把握した上で削減の計画や目標の設定を促す。静岡県内の商工会議所や行政、他の金融機関とも連携しながら地域全体で脱炭素実現を目指す。

電力使用量を入力してCO2排出量を算定するしずおかGXサポート=静岡市葵区の山内商店
電力使用量を入力してCO2排出量を算定するしずおかGXサポート=静岡市葵区の山内商店


 金属のスクラップを加工、切断して製鋼原料を製造する山内商店(静岡市葵区)は、工場の電力使用量が設定値を超えるとモーター稼働数が自動的に落ちる装置を設置するなど、脱炭素の取り組みを続ける。2年後には菊川市内の2工場を統合し、省エネ設備や太陽光発電を取り入れてCO2の大幅削減を図る計画だ。山内一泰社長は「製鉄業界はCO2排出量が多い分、削減できれば効果は大きい」とし、10月上旬にGXサポートの導入を決めた。
 GXサポートは電力など毎月のエネルギー使用量を表計算ソフトに打ち込むとCO2排出量が自動算定され、クラウド上で保存される。過去のデータも入力でき、排出量の推移や削減目標の達成状況などを把握できる。山内社長はコスト削減効果に加え、脱炭素に取り組む企業の社会的評価がビジネスの拡大や人材確保にもつながるとし、「排出量の見える化は大きな一歩になる」と期待を寄せる。
 静岡銀は県内の温室効果ガス排出量を2030年度までに13年度比46%削減する目標を掲げ、親会社のしずおかフィナンシャルグループがカーボンニュートラル実現に向けた包括連携協定を浜松市などと結んでいる。今後、各自治体とも情報を共有しながらGXサポートを広めるほか、国の認証を受けてCO2削減量を売買するJ―クレジット制度の活用、省エネ効率改善に向けた提案や支援に取り組む。
 (経済部・金野真仁)

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