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静岡人インタビュー「この人」 菊川市危機管理課専門監に就任した自衛隊OB 藤本啓一さん(菊川市)

 静岡県危機対策課危機調整官を退任後、菊川市が防災体制強化に向けて新設したポストを任された。単身赴任中で、菊川市へは17回目の引っ越し。防衛大卒。宮城県利府町出身。60歳。

藤本啓一さん
藤本啓一さん

 -菊川市の災害特性は。
 「主に警戒が必要なのは地震と風水害。南海トラフ地震の被害想定では市内のほとんどが震度7の揺れに見舞われる。1級河川の菊川や牛淵川などへの備えも、赴任前から強く意識している。現行のマニュアルをしっかり検証したい」
 -役割をどう捉えているか。
 「災害対応を指揮する市長を補佐していく。県職員として対応に当たった昨秋の台風15号を振り返ると、静岡市で山間部の被害が相次ぎ、手の打ちようがなかった。情報が集まらず、整理もされていない。市は現地に職員を派遣できない状況だった。菊川市でも同様の事態が考えられる。災害対応能力を備えた職員を増やしていく」
 -職員に求めることは。
 「実際の災害では庁舎内での業務が中心になる職員も、現場の光景をイメージできていないと仕事にならない。地図を見て、立体化した映像を頭の中に再現する訓練が要る。平常時にハザードマップを手に各地を回って、起こり得る災害を想像して感性を磨くことが重要だ」
 -初めて臨んだ市総合防災訓練での収穫は。
 「自分の経験を全力で展開できた。訓練自体はおおむねスムーズにできたが、災害対策本部の運営要領の一部で自分の考え方と市のやり方に隔たりがあった。訓練の中で指摘して、部内でも調整した。最終的には市長の判断になる。これまでの市のやり方に迎合せずに考えを言うことも自分の役割。一石を投じられたと思っている」
(掛川支局・高林和徳)

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