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記者コラム「清流」 緑茶に感じるだしの味

 菊川市の小学生の茶工場見学に同行した。試飲の時、児童の1人がつぶやいたひと言にはっとした。「だしみたいな味がする」。良質な茶を急須で丁寧に入れると、しっかりしたうまみを引き出せる。だしの滋味に例えた児童の発想力と繊細な舌に感服した。
 以前、うま味調味料や発色剤を添加した茶について取材したことがある。県外で、うまみ成分のグルタミン酸ナトリウムが添加された安価な茶を買い求めた。顆粒(かりゅう)のコンソメスープのような味が舌に残り、強い衝撃を受けた。異質な喫茶体験だった。
 県内では、緑茶への添加物使用は原則禁止されている。天然自然の茶からだしの味を感じ取れる子どもたちは茶どころの誇りだ。同時に、優しく奥深いうまみを安心して堪能できる環境を幸せに思う。
(掛川支局・高林和徳)

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