テーマ : 菊川市

“バイクのふるさと” 浜松をツーリング 絶景、メーカーゆかりの施設も【しずおかアウトドアファン】

浜名湖周辺の道路は眺望がよくライダーに人気。週末には多くのバイクが行き交う=浜松市西区
 浜松市と周辺地域は浜名湖や中田島砂丘、天竜区の中山間地域など風光明媚[めいび]な観光地を数多く抱え、バイクツーリングを楽しむ県内外のライダーから人気が高い。世界的な二輪車メーカーのスズキ、ホンダ、ヤマハ発動機の3社が創業した“バイクのふるさと浜松”で絶景やものづくりの歴史に触れられるスポットを探した。
大天狗面を訪れたライダー。見どころや立ち寄りスポットは数多い=9月下旬、浜松市天竜区
 浜松市天竜区春野町のシンボル「大天狗[てんぐ]面」。縦8メートル、幅6メートルと天狗面としては日本一の大きさを誇り、9月下旬の週末は多くのライダーや行楽客が訪れた。
 菊川市の会社員大塚アレシャンドレさん(50)は妻ナオミさん(53)とホンダの大型バイクに2人乗りで訪れた。曲がりくねった道が続く「ワインディングロード」が好きで、浜松のほか県外にも足を延ばすという。この日は自宅から湖西市や浜松市北区を通って天竜区方面へ。「浜名湖周辺は涼しくて気持ちいい。自分の体を使い、テクニックを駆使して運転するのが面白い」と魅力を語る。
ライダーの憩いスポットとして人気の大歳神社。バイクのフレームに参拝客がお守りを結び返納していく=浜松市東区
 浜松周辺ではこのほか、浜名湖今切口にかかる浜名大橋や、ワインディングや眺望が楽しめる同湖の周辺を巡る道路の人気が高い。ライダー歓迎のカフェなども点在する。東区天王町の大歳神社はライダーの集まる神社として有名だ。バイクのハンドルに取り付けやすいお守り「道楽守り」を受けたり、革製のお守りに神社、仏閣を回って集める御刻印を打ったりする人が多いという。
 同神社権禰宜[ごんねぎ]の石津紀祥さん(40)は、自身もツーリングが趣味。ライダー目線で見ると浜松市街地にバイクで休憩できる場所が少ないことに気づき、広い駐輪場を造るなど立ち寄りやすい環境を整えてきた。
 石津さんは「浜松は海、山、川がコンパクトなエリアにそろい、メーカーゆかりのスポットも豊富。ライダー向けのウエア製造企業なども集まっていて、直売店があると聞くと皆さん喜ぶ。今後も神社からライダーに役立つ情報を発信していきたい」と意気込む。
 (生活報道部・草茅出、山本淳樹)
浜松周辺のバイクツーリング立ち寄りスポット
 <メモ>浜松市周辺のツーリングに関する情報は、市が公式サイト「バイクのふるさと浜松」にまとめている。「絶景」や「バイクの歴史をたどる」などテーマ別のモデルコースや立ち寄りスポット、自然の中のキャンプ場といった情報を豊富に掲載している。
本田宗一郎ものづくり伝承館 本田宗一郎ものづくり伝承館
 ホンダを一代で世界的なメーカーに育て上げたのは、浜松市天竜区出身の本田宗一郎(1906~91年)。技術者、経営者としての功績と情熱を伝えるのが本田宗一郎ものづくり伝承館だ。
 地元のNPO法人本田宗一郎夢未来想造倶楽部が運営し、館内には58年に製造された初期型の「スーパーカブC100」、エンジンと車体を自社で設計、開発した同社初のモーターバイク「ホンダC型(49年製)」など貴重な名車が並ぶ。本田が描いた風景画や制作した陶器など、ゆかりの品々も展示している。
     ◇
 浜松市天竜区二俣町二俣1112▽毎週月、火曜は休館▽入館無料
ヤマハ発動機コミュニケーションプラザ ヤマハ発動機コミュニケーションプラザ
 ヤマハ発動機の本社敷地内にあるコミュニケーションプラザは、二輪車や船外機、水上バイクといった同社の製品や歴史、国内外での事業展開などを総合的に知ることができる展示施設となっている。
 1955年に同社が二輪車の第1号製品として発売し“赤とんぼ”の愛称で親しまれた「YA-1」をはじめ、海外レースで活躍した「RD56」(65年)などが並ぶ。普段目にする機会の少ない海外販売車を含め、現行モデルも多数展示する。各車両は丁寧に整備され、現在も実走可能な状態という。
     ◇
 磐田市新貝2500▽毎月第1と第3の土、日曜は休館▽入館無料
スズキ歴史館 スズキ歴史館
 スズキ歴史館は、織機に始まる同社の歴史や自動車の生産現場の様子を分かりやすく紹介している。二輪車メーカーとしての原点となった自転車用補助エンジン「パワーフリー」のほか、英国・マン島TTレースで優勝を果たすなど国際的な二輪車レースで活躍した車両が並ぶ。
 日本刀をイメージしたデザインで熱烈なファンの多い「KATANA(カタナ)」を展示。同社のスポーツバイクの最高峰に位置づけられる「ハヤブサ」にまたがれるコーナーもあり来館者の人気を集めている。
     ◇
 浜松市南区増楽町1301▽月曜、年末年始など休館▽入館無料(要予約)

いい茶0

菊川市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞