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安倍派・塩谷、宮沢議員の地元「情けない」「次の選挙心配」 裏金疑惑

 「早く説明を」「次の選挙が心配だ」―。政治資金パーティー裏金問題に揺れる自民党安倍派所属で静岡県内選出の塩谷立、宮沢博行両衆院議員(いずれも比例東海)の地元では、相次ぐ疑惑の発覚に支援者たちは驚き、不安な思いで事態を注視している。

塩谷立衆院議員の浜松事務所が入る建物。スタッフはパーティー券問題への地元対応にも追われた=14日午後、浜松市中区(写真の一部を加工しています)
塩谷立衆院議員の浜松事務所が入る建物。スタッフはパーティー券問題への地元対応にも追われた=14日午後、浜松市中区(写真の一部を加工しています)

 14日に取材に応じた塩谷氏の岸田勝彦後援会長は、先週末に本人から「心配をかけて申し訳ない。時期が来たら全部説明したい」と謝罪の電話を受けた。塩谷氏の政治資金収支報告書未記載の疑惑を「情けない。緩んでいる」と非難しつつ、同派座長としてひときわ厳しい目が向けられている点には「彼の人柄を見てきただけに、違法行為を主導したとは思えない。慣習に従ってしまったのでは」と擁護の思いを口にした。
 地元では次期衆院選への懸念の声も強まっているという。岸田会長は「まだ状況がわからず何も判断できない。本人の説明を待ちたい」と苦しい胸中を語った。
 自ら不記載のキックバックがあったことを認めた宮沢氏。鈴木勝後援会長(76)は「苦しい決断だったと思うが、正直に言ったことは評価したい」と理解を示した。一方で「派閥内などで冷たい目を向けられないか」と心配した。
 支援者の磐田市内の自営業男性(59)は「指示されたとは言え、不記載だったのは本人に落ち度がある」と指摘。次回選への影響については「前回選は小選挙区で敗れた。さらに大きな失点が加わり、一層厳しくなった。党公認候補の交代を求める声が出てもおかしくない」と厳しい目を向けた。 菊川市長「政治の信頼を欠く」 菊川市の長谷川寛彦市長は14日の定例会見で、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑について、「政治の信頼を欠く話」と見解を示した。
 安倍派の宮沢博行衆院議員が、派閥からの指示で政治資金収支報告書に記載しなかったと発言したことについては「正直に話をしようという気持ちの現れなんだろう」とした。その一方で、「今の状況を理解してもらうのは厳しい部分がある。信頼してもらえないと政治は進めていけない」と述べた。  裏金づくり 全体像解明を
 自民党派閥の過少記載を刑事告発している神戸学院大の上脇博之教授の話 退任した閣僚らは一見責任を取った形に見えるが、進んで問題の詳細を明らかにするわけでもなく、矢面に立たなくて済むように岸田文雄首相が逃がしたようにも見える。今後は政府の仕事をする必要もないのだから、一議員として説明責任を果たすべきだ。告発は、派閥の政治団体と、政治資金パーティー券を購入した団体の収支の食い違いを調べたものだが、政治資金収支報告書で公表の必要がない企業の購入分が裏金になっている可能性があることは指摘していた。検察には派閥の事務方だけでなく、幹部の国会議員らがどのように裏金づくりの仕組みをつくり上げていたのかなど、問題の全体像を解明し、立件してほしい。  具体的な改革方針示せ
 政治アナリスト伊藤惇夫さんの話 岸田文雄首相がこだわる派閥のバランス重視の人事が崩れ、政権は不安定になる。自民党安倍派は大混乱で、反岸田でまとまって動くことはできない。当分、衆院解散・総選挙はできず、不均衡な状況で膠着(こうちゃく)が続くのではないか。信頼回復のためには、ほとぼりが冷めるのを待つのではなく、首相が先頭に立って具体的な改革方針を示す必要がある。政治資金を監視する第三者機関を設ける、透明性を担保するため現金のやりとりを禁じ振り込みにするなど、やれることはいろいろある。  長期政権 負の側面露呈
 作家の落合恵子さんの話 政治家個人の問題ではなく、長い間、権力を握り、国民の声が届かなくなった自民党政治の負の側面が露呈した。安倍派の閣僚らの交代だけで終わりにはできない。低い内閣支持率に国民の不信が表れている。疑惑の政治家は知っていることを全て国民に話した上で、衆院は解散されるべきだ。自民党は森友、加計両学園や桜を見る会の問題など、さまざまな疑惑をうやむやにしてきた。今度こそ、東京地検特捜部は徹底的に解明する必要がある。

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