テーマ : 菊川市

「おくるみ」シルクで優しく 細菌の繁殖抑え、速乾 菊川の通販会社考案 助産院も活用

 生まれたばかりの赤ちゃんを包み、抱っこや寝かしつけに役立つ「おくるみ」。菊川市を拠点に着物の通販事業を手がける「ブライトネス」(長谷川和代代表)が、シルク素材を生かしたおくるみを考案した。子育て中の社員の声から誕生した商品で、長谷川さんは「赤ちゃんの肌トラブルや寝かしつけに悩むママたちをサポートできれば」と語る。

シルクを生かしたおくるみについて語る漆畑千恵美さん=静岡市葵区の着物店「梅千代」
シルクを生かしたおくるみについて語る漆畑千恵美さん=静岡市葵区の着物店「梅千代」
おくるみを巻いた赤ちゃん(ブライトネス提供)
おくるみを巻いた赤ちゃん(ブライトネス提供)
シルクを生かしたおくるみについて語る漆畑千恵美さん=静岡市葵区の着物店「梅千代」
おくるみを巻いた赤ちゃん(ブライトネス提供)


 長谷川さんによると着物の代表的な素材でもある天然繊維のシルクは、細菌の繁殖を抑えて肌を清潔に保ち、速乾性にも優れている。おくるみはニットの製法で編まれているため、伸び縮みしやすく、赤ちゃんを優しく包める。洗濯機の使用も可能で手入れが簡単という。
 開発のきっかけは、新型コロナウイルスの流行で着物を着る機会が減少したこと。日常の中でシルクの良さを実感してもらおうと、当初はマスクを製作し、好評を得た。同社には子育て中の社員も多いことから、ベビー用品にも生かしたいとの声が上がり、おくるみの開発につながった。
 社員の漆畑千恵美さん(36)自身も、1歳の第2子の誕生時からおくるみを活用している。「子どもは生まれた時から肌トラブルが多く、不安を抱えていたが、シルクのおくるみは通気性も良く、安心して使えた。今もブランケットとして使っている」と話す。
 御前崎市のおはな助産院でも、同社のおくるみを新生児向けに採用した。院長の野口智美さんは「生地が薄く、伸縮性もあるので赤ちゃんに密着して使いやすい。夏は涼しく、冬は暖かい素材で気に入っている」と話す。
 野口さんによると、一般的におくるみで赤ちゃんを巻く利点は、首が据わっていなくても抱っこがしやすい▽保温に役立つ▽体が突然ビクッと動く「モロー反射」を抑えられ、よく眠る―など。一方、おくるみを使用する際には「腕がW字、足がM字型に開いた赤ちゃんの“正しい姿勢”が保たれるように巻くのが大切。首の位置や体温調節にも注意して」と助言する。
 (生活報道部・大滝麻衣)

いい茶0

菊川市の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞