テーマ : ラグビー

日本、イングランドに力負け ラグビーW杯 元代表・小野沢氏「高次元の戦い」

 ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会第7日は17日、フランスのニースなどで1次リーグが行われ、D組の日本は強豪イングランドに12-34で敗れた。1勝1敗で、勝ち点は5のまま。イングランドは2連勝で同9とした。対戦成績は日本の11戦全敗。

ラグビーW杯フランス大会の1次リーグでイングランドに敗れ、肩を落とす日本の(右から)リーチ、松田、ライリー、長田、姫野ら=ニース(共同)
ラグビーW杯フランス大会の1次リーグでイングランドに敗れ、肩を落とす日本の(右から)リーチ、松田、ライリー、長田、姫野ら=ニース(共同)
小野沢宏時氏
小野沢宏時氏
ラグビーW杯フランス大会の1次リーグでイングランドに敗れ、肩を落とす日本の(右から)リーチ、松田、ライリー、長田、姫野ら=ニース(共同)
小野沢宏時氏

 前半はSO松田(埼玉)の3PGで9-13と粘り、後半は一時1点差に迫ったが、その後に3トライを奪われて突き放された。チリに勝った初戦をけがで欠場したナンバー8の姫野主将(トヨタ)はフル出場した。
 2大会連続の1次リーグ突破を目指す日本は28日(日本時間29日)にサモア、10月8日にアルゼンチンと戦う。
 B組で前回覇者の南アフリカが計12トライでルーマニアに76-0で大勝し、2連勝で勝ち点9とした。ルーマニアは2連敗。C組でフィジーがオーストラリアを22-15で破った。ともに1勝1敗で勝ち点6となった。

元日本代表(81キャップ)小野沢宏時氏 準備したプレーで圧、高次元の戦い
 「クリーンな戦いで、互いに準備したプレーを出した圧の掛け合い。高次元の試合だった」。島田市出身で日本代表81キャップを誇る名ウイング小野沢宏時氏はイングランド戦を分析し、敗れたが一定の評価を与えた。
 まず会場の雰囲気を変えたのは、リーグワン1部静岡の指導にも復帰する長谷川慎アシスタントコーチ直伝のセットプレー。ファーストスクラムで互角に渡り合い相手に混乱を与えた。前半19分には敵陣で相手のSOフォードのキックをSO松田がチャージしチャンスメーク。ここでも「直前のスクラムで重圧を与えた」ことが経験豊富なフォードを焦らせる要因になったという。
 だが、イングランドの強さは失点直後に表れる。精度の高いキックオフアタックから、キックリターンをフォードがノーバウンド捕球。すかさずゴール前5メートルへキックで落とし、トライにつながれた。「バウンドさせると次の展開が遅くなるが、捕られた瞬間にピンチになった」。細かいプレーがスコアに響く、緊迫の連続だった。
 試合開始早々のFBマシレワの負傷交代も痛かった。急きょ出場したレメキは高いパフォーマンスで躍動したが、ゲームプランは狂いが生じ後半の勝負どころで「疲れていない状態だったらどうなっていたか。たらればだが見てみたかった」。少しの差がスコアに表れた一戦だった。だが、イングランドと渡り合った日本のハイレベルな戦いは次につながると期待を込めた。

 おのざわ・ひろとき 聖光中・高出身。中大を経てトップリーグのサントリー、キヤノンで活躍。「うなぎステップ」を武器に日本代表では代表戦55トライを記録した。

いい茶0

ラグビーの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞