テーマ : ラグビー

整備技術生かし、桜の戦士支える ラグビー宮崎合宿誘致した立役者

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会で、2大会連続の8強進出を懸け8日のアルゼンチン戦に臨む日本代表。宮崎県ラグビー協会副会長の山口雅博さん(72)は、1990年に宮崎で始まった代表合宿を誘致した立役者だ。自動車整備士の技術を生かし「ハード面」からも桜の戦士を支え続けてきた。

日本代表の合宿期間中に、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(右)から感謝状を手渡される山口雅博さん=8月、宮崎市(本人提供)
日本代表の合宿期間中に、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(右)から感謝状を手渡される山口雅博さん=8月、宮崎市(本人提供)

 私立都城高(同県都城市)ラグビー部の創設メンバー。卒業後は整備士として働く傍ら、OBチームなどでプレーを続ける現役ラガーマンだ。
 89年秋、県内のラグビー関係者の間で「宮崎の子どもたちにレベルの高いプレーを見てもらいたい」との声が強まった。山口さんに声がかかり、代表合宿誘致の動きがスタート。提示された条件に合う練習場所の確保やホテル探しに奔走し実現にこぎ着けた。その後も合宿は続き、最近は毎年のように行われている。
 選手やコーチの要望に応じ、練習に必要な器具を製作。W杯仕様の高さ17メートルのポールが必要と言われれば、友人の力も借りて2週間で作り上げた。撮影したプレー映像をその場で分析するために、ゴルフカートに大型モニターを設置したことも。原動力は「ラグビーが好き」という変わらない思いだ。
 合宿練習中は常にグラウンドで待機し、トラブルがあればすぐに対応。交流を深める選手たちからは「マサさん」の愛称で呼ばれ、山口さんは「共に闘う戦友だ」と誇らしげに語る。
 日本代表は4年前に初めて8強入りし、着実に力を付けている。合宿地宮崎の温暖な気候に加え、熱心に代表をサポートする山口さんのような存在が躍進に貢献してきた。「ミスなく日本のやりたいことをできれば歯車が合ってくる。100%の力を出すのみ」と、宮崎からエールを送る。

いい茶0

ラグビーの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞