テーマ : ラグビー

ラグビー日本、強豪の背中遠く 4年前超える挑戦に幕

 ラグビー・ワールドカップ(W杯)フランス大会で日本がアルゼンチンに敗れた8日、試合が終わると選手はしばらく動けず、快晴のグラウンドで立ち尽くした。4年前を超える飛躍を目指した戦いは道半ばで幕を閉じた。高い志で団結してきた日本の司令塔、SO松田は「勝てなくて悔しさしかない」。自国開催の追い風はなく真価が問われた大会。強豪の背中は届きそうで遠かった。

ラグビーW杯フランス大会1次リーグでアルゼンチンに敗れ、肩を落とす(左から)ワーナー・ディアンズ、中村亮土、ジャック・コーネルセン、アマト・ファカタバ、リーチ・マイケル=8日、ナント(共同)
ラグビーW杯フランス大会1次リーグでアルゼンチンに敗れ、肩を落とす(左から)ワーナー・ディアンズ、中村亮土、ジャック・コーネルセン、アマト・ファカタバ、リーチ・マイケル=8日、ナント(共同)

 何度も何度も食らい付いた。開始早々に先制を許しても、一時退場者を出してもスピードと技術、組織力で勝負する日本のスタイルを貫いた。一進一退の攻防の中、9点を追う後半25分には強気にトライを狙い、素早い球出しからWTBナイカブラが右隅に飛び込んだ。だが、4強2度の南米の雄、アルゼンチンはそれ以上だった。3分後に防御網を破られ、最後はリードを広げられた。
 新型コロナウイルス禍で2019年W杯以来の代表活動となった21年5月からの合宿。チームは「強豪の基準でやろう」と確認した。19年大会時などの筋力やプレーの数値と比較され、プロップ稲垣は「データを突き付けられると逃げられない。逃げるなら代表から外れるだけ」。意識は高まり、食事の場でも意見をぶつけ合う組織になった。
 目標に掲げたのは「優勝」。世界最高峰のエベレスト登頂になぞらえてきた挑戦は、その高さを痛感する結末となった。ナンバー8姫野主将は「頂上に桜を咲かせることはできなかったが、まだまだ日本は強くなれると信じている」と未来を見据えた。(時間は非公式)

いい茶0

ラグビーの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞