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パリ五輪控えて成功なるか 仏開催のラグビーW杯

 【パリ共同】成功を収めたラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会から4年。第10回の節目となるW杯フランス大会は8日(日本時間9日)に幕を開ける。フランス代表は優勝候補に挙げられ、国民の9割が開催を好意的に捉えるなど地元の期待は大きい。来年のパリ五輪を控え、約7週間の大型イベントで運営能力を示せるかどうかが注目される。

ラグビーW杯のフランス代表選手の写真(上)が掲示されたパリ市内の駅=5日(共同)
ラグビーW杯のフランス代表選手の写真(上)が掲示されたパリ市内の駅=5日(共同)

 パリ中心部のコンコルド広場には最大4万人を収容し、大画面で試合観戦できるイベント広場を設営。9会場、48試合のチケットは約250万枚が売れ、国外から60万人が訪れると見込む。新型コロナウイルス禍を乗り越え、国際統括団体ワールドラグビー(WR)のギルピン最高経営責任者(CEO)は「パンデミックの最中に準備を進めた点も忘れてはいけない」と成果を強調する。
 その裏ではピッチ外の混乱も相次いだ。昨秋にはパワハラ問題があったとして組織委のCEOだったアチェ氏が解任された。フランス協会のラポルト前会長は昨年12月に違法な資産取得などで有罪となり、辞任した。
 昨年にパリ郊外サンドニで行われたサッカーの欧州チャンピオンズリーグ決勝では、試合前後に会場周辺でトラブルが発生。ファンに催涙スプレーを使った警察の過剰対応に批判が集まり、窃盗の被害も多く伝わった。独立調査委員会は報告書に「危機管理が十分でなく、政府はラグビーW杯や五輪に向けた警鐘と捉えるべきだ」と記した。
 フランスのウデアカステラ・スポーツ相は「あの出来事を教訓にし、警備体制を見直した」と自信を示すが、同じ会場でのフランス―ニュージーランドの開幕戦には8万人が集まる見込み。世界が注目する中で問題が起きれば、開催国のメンツはつぶれかねない。
 日本中が熱気に包まれた4年前のようなムードが生まれるか。WRのボーモント会長は「ラグビー愛にあふれ、最高のホスト国になると確信している」と期待を込めた。

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