テーマ : ラグビー

勇敢な戦いで現地味方に 静岡ブルーレヴズ・フッカー 日野剛志選手【ラグビーW杯 フランス大会 桜戦士へのエール㊤】

 フランス南西部に位置するトゥールーズ。歴史ある街並みに風情があふれ、赤れんが造りの建造物が多い通称「ばら色の街」。ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会に挑む日本代表のベースキャンプ地だ。静岡ブルーレヴズのフッカー日野剛志選手(33)はこの地に特別な思いを抱いている。

トゥールーズが本拠地のスタッド・トゥールーザンでプレーしていた静岡ブルーレヴズの日野剛士選手
トゥールーズが本拠地のスタッド・トゥールーザンでプレーしていた静岡ブルーレヴズの日野剛士選手

 2019年8月、フランス国内リーグ「トップ14」のスタッド・トゥールーザンにラグビー留学した。トゥールーズを本拠地とする同クラブは欧州リーグで複数回の優勝を誇り、フランス代表の主将アントワーヌ・デュポンやフッカーのジュリアン・マルシャンらが所属する強豪だ。静岡ブルーレヴズの前身・ヤマハ発動機は同クラブと交流があり、当時、W杯日本大会に出場する選手の“代役”として、日野選手に声がかかったという。
 フィジカル面で激しいリーグの特性に魅せられていたこともあり、渡仏を即決した。通訳もいない一人きりの武者修行だったが、「『すし』や『侍』など世界に通じる日本文化でアピールした」と積極的にコミュニケーションを取り、現地の人々の心をつかんだ。
 「ラグビーの都市」とも言われるトゥールーズ。3カ月という短期滞在だったが、目の肥えたファンの熱狂ぶりを肌で感じた。街に出れば「イノ(ヒノ)」と声をかけられ、勝った翌日には飲食店でサービスを受けた。同時にふがいないプレーには容赦ない。「給料泥棒」と厳しい声を浴びせられる選手も少なくなかった。
 日本が1次リーグで2試合を戦う「スタジアム・ド・トゥールーズ」は観客席が近く、傾斜のあるスタンドからは声援がダイレクトにピッチに届く。日野選手は「現地の応援は選手の大きな後押しになる。心を震わせる勇敢な戦いができれば日本を応援してくれる。現地の人にも楽しんでもらえる日本らしい試合をしてもらいたい」。思い出の地で日本代表が躍動することを願っている。
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 8日(日本時間9日)に開幕するラグビーW杯フランス大会。開催地や日本代表メンバーを知る静岡県関係選手が、本番に挑む「桜戦士」にエールを送る。

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