テーマ : ラグビー

勝利優先でPG選択 姫野主将らの判断を尊重

 ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会の日本は28日の1次リーグ第3戦で、サモアを28―22で退けた。ナンバー8姫野主将(トヨタ)ら選手はボーナス勝ち点を得る4トライ目を狙わず、勝利優先で後半にPGを2度選択。最後はPG2本分の6点差で逃げ切った。ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は「選手の見立てはスタンドのコーチ陣の考えより大事」と判断を尊重した。

1次リーグのサモア戦でチームメートを鼓舞する姫野=9月28日、トゥールーズ(ゲッティ=共同)
1次リーグのサモア戦でチームメートを鼓舞する姫野=9月28日、トゥールーズ(ゲッティ=共同)
日本―サモア 後半、PGを決める松田=9月28日、トゥールーズ(共同)
日本―サモア 後半、PGを決める松田=9月28日、トゥールーズ(共同)
1次リーグのサモア戦でチームメートを鼓舞する姫野=9月28日、トゥールーズ(ゲッティ=共同)
日本―サモア 後半、PGを決める松田=9月28日、トゥールーズ(共同)

 後半7分に相手が一発退場で一人少なくなり、2分後に3トライ目を奪って22―8とリードした。最初の決断は快勝ムードが漂った16分。SO松田(埼玉)のPGで3点を加え、2トライ2ゴールの「14点」でも追い付かない安全圏に入った。
 難しかったのは25―15で迎えた後半35分の場面。PGを決めても「14点」を超えない。ただ、13点差だとサモアは逆転するには一本もゴールキックを外せず、トライする場所も影響してくる。姫野は「(相手の)選択が狭まる。あの時間帯で3点を積み重ねる意味は大きかった」と説明した。
 格下チリとの初戦は敵陣で試合を進める戦術を徹底してPGを選ばず、結果的に6トライでボーナス点を獲得。残り2試合を勝てば無条件で突破が決まる状況で迎えた今回は勝利にこだわった。
 ラグビーで主将の役割は大きい。2015年大会の南アフリカ戦は終盤にトライを狙ってスクラムを選択し、金星が生まれた。当時主将のリーチ(BL東京)の決断は称賛されたが、結果には大きな責任が伴う。ジョセフHCは記者会見で「試合の重圧下の判断は難しい。ここに座って論じることは簡単なこと」と訴えた。(共同=小海雅史)

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