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関東大震災100年 実態明らか 犠牲者出身地 全国に 東京都慰霊協会 情報集計 若い世代ほど多く

 関東大震災による犠牲者のうち約3万8千人分の「震災死亡者調査表」のデータベース化を進めている公益財団法人「東京都慰霊協会」は28日、調査表の情報を集計した資料の特別展を、都立横網町公園(墨田区)の東京都復興記念館で開いた。本籍地別では、北海道から九州まで全国の出身者が犠牲となった実態が明らかになった。

関東大震災の死者の本籍地
関東大震災の死者の本籍地


 関東大震災の死者・行方不明者は約10万5千人。特別展では、このうち東京で亡くなり調査表の残っている約3万8千人の年齢や死亡場所などを集計した。
 協会によると、本籍地が分かるのは3万4129人。最多は東京の2万2614人で、次いで関東(東京を除く)6209人、甲信越1732人、東北1036人、東海991人などとなっている。朝鮮53人、中国7人など外国出身者も計63人いた。
 世代別では、男女とも10歳以下が4千人以上、11~20歳が3千人以上で、若い世代ほど多かった。区ごとの死者数も地図と共に展示。橋や公園、工場など場所別も明らかにしている。
 横網町公園管理所の林敏彦所長は「どんな方々がどこで亡くなったかという震災の実相を知ってほしい」と話している。
 調査表は、震災時に東京市長だった永田秀次郎らが中心となり、遺族が役所に提出した埋葬許可の申請書を集めたり、新聞広告で情報提供を呼びかけたりして作成。氏名や本籍、住所などが書かれている。
 これまで非公開だったが、同協会は本年度中に、研究や学習目的に限って氏名以外の情報を公開する方針。関東大震災から今年で100年となるのに合わせ、昨年12月からデータベース化に着手してきた。特別展は入館無料で来年3月3日まで。
 関東大震災は1923年9月1日に発生。東京都内だけで約7万人が犠牲になった。遺体は腐敗が急速に進んだため、身元を特定せずに火葬された。

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